こんにちは清宮です。
以前からブログやYoutubeで紹介しておりました「写真集」をようやく完成させ、販売を開始することができました。
制作を決意して、着手してから、発売まで時間がかかってしまいました。なぜ時間がかかったのか、何が大変なのかなどについては別記事で紹介していくとして、今日は販売開始できたことのご報告と内容紹介です。
写真集発売のご報告
写真集のタイトルは「穂高 煌めきの稜線 清宮健太 写真集」、名前の通り穂高岳の写真集です。
出版はAmazonから直となっております。Amazonで直に取引して写真集を発売することができるKDP(Kindle Direct Publishing)を利用しました。
写真集の花形である、出版社を介したものではありません。写真集の制作・販売についていくつかの方法論がある中で、製本された本を出版するにあたり、KDPを利用するのが私の場合はベストだと判断した次第です。この辺りも詳細は追々。
この写真集は、誰かに頼まれて作ったわけではなく、世の中の需要やSNSでの人気に基づいて発売したわけでもありませんが、胸を張ってお届けできる内容になっていると思います。100ページを超えており、しっかりとしたボリュームがありますので、読み応えもあるかと思います。
私のブログやYoutubeを見てくださっている方、あるいは山岳写真を撮っている方、本格的な写真を撮っていなくとも山の写真が好きな方、山が好きな方、写真が好きな方、穂高が好きな方、そして何より個人で出す写真集とはどんなものか興味がある方、手に取っていただければ嬉しく思います。
販売価格は紙の写真集(ペーパーバック) 1,320円(税込)、Kindle本 1,200円(税込)です。
私は写真家として生計を立てているプロではありませんし、あくまでアマチュアカメラマンによる写真集ですので、可能な限り手に取りやすい価格といたしました。
写真集の内容
53点の写真を掲載しています。
すべて穂高の写真であり、穂高から撮影した常念岳…のような写真は掲載されていません。穂高以外に写っているピークは槍ヶ岳くらいかと思います。
2016年から2022年に撮影した写真で、ほとんどがNikon Z6で撮影しています。D750で撮影した写真も一部あります。
ひとくちに穂高と言っても非常に広く、この写真集に掲載されている写真のほとんどが信州側(ここでは穂高の東側・南側・北側の意)から撮影したものです。穂高撮影の名所である笠ヶ岳、奥丸山、双六岳、樅沢岳、錫杖岳など飛騨側(西側)からの写真はありません。
撮影はしたものの満足できなかったり、まだ撮影に行けていないなど、理由は様々です。かなり重要な点ですので事前にご確認をいただければ幸いです。
すべての写真に「タイトル」「作品解説」「撮影条件」を記載しており、「あと書き」「プロフィール」も掲載しました。
写真集ではお馴染みの内容ですが、これら付加情報は写真集を購入する意義の一つであり、写真集の醍醐味だと思っています。つまり写真を単に閲覧するだけではなく、著者である私の思想や撮影の背景を同時に楽しめるということです。
写真集を作るにあたって、これらの情報を掲載することは私の信条として必須条件でした。
世の中には作品にタイトルを付けず、作品解説もなく、後書きすらないという写真集も存在していますが、個人的にはつまらないと感じます。ちなみに、私が所蔵している30冊の山岳写真集のうち、これらの情報はほぼ必ず掲載があります(掲載がないものも2冊ほどあります)。
作品のタイトルを考えて、作品解説を掲載するのは非常に手間がかかる作業です。写真を掲載するだけなら誰にでもできますが、このハードルはかなり高いと今回の経験を通じて痛感しました。だからこそ、完成した時の達成感もひとしおです。
ペーパーバックとKindle版
AmazonのKDPは写真集に特化したサービスではありませんので、製本版のプリント紙は一般的な写真集と比べてかなり薄く、色や暗部の表現も劣ります。一方で、紙の良さというのは、本棚からサッと取り出してサッと読めること。
一番の魅力は「本」として写真集を楽しめることだと思います。電子書籍はあくまで電子データ。本ではありません。
ページをめくる感覚、次にどんな写真が掲載されているだろうかと想像する高揚感。どれだけ便利になっても電子書籍にはない感覚だと思うんです。
印刷費用がかかる関係で、製本版の方が少しだけお値段高いことはご容赦いただければ幸いです。
山岳写真集は巨大なサイズのものが多いのですが、私の写真集はA4縦長(横21cm x 縦30cm x 厚0.7cm)なので、本棚に入れても邪魔になりません。
一方のKindle版ですが、RAW現像を終えた生の写真を閲覧できる魅力があります。
“写真集を見たいけど置く場所に困る”という方にもおすすめです。
タブレットはもちろん、スマホでも閲覧できますので、場所によらず好きな時に参照できるのも利点でしょう。
ペーパーバック(製本版)の外観
105ページありますが、プリント紙が薄いので厚さとしては1cmありません。本としては薄いです。
こちらもプリント紙が薄い影響でしょうか、やや湾曲しています。
これについては私の方で対応できませんのでご容赦ください。将来的にKDPのプリント紙の厚さも選べるようになると嬉しいですね。
綴じ方はフルフラットではないので写真中央はやや見づらいです。
表紙は光沢があります。表紙の光沢あり/なしは選べるのですが、山岳写真集はたいてい光沢ありなので、先達にならい光沢ありにしました。
まとめ
自分ひとりの力で写真集を作るというのは本当に大変な作業でしたが、挑戦して良かったと心から思います。
穂高というのは登山をしている人なら誰でも知っている名峰であり、日本第三位の高峰であり、登ったことがあるという方もたくさんいらっしゃる事と思います。
そんな有名な山を題材にするからこその葛藤もありました。
翻って、穂高ほど有名な山であっても、穂高を題材とした写真集が世の中にごまんとあるかと言えば、意外にも少ないものです。
デジタルカメラで撮られたものであればなおさらです。
本書を通じて、読者の方に少しでも山の魅力、山岳写真の魅力、そして穂高の魅力が伝われば幸いです。
本紙に掲載されている写真ほぼ全てが稜線から撮影したものであり、いずれも一筋縄ではいかないものでした。ぜひ山の稜線に立った気持ちで、美しくも過酷な山岳景観を楽しんでいただければ幸いです。
これからブログとYoutubeの方で、山岳写真集制作シリーズとして、制作や山岳写真にまつわる私なりの私見をご紹介していくつもりです。
ぜひ写真集を片手に、併せてお楽しみいただければ幸いです。
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