もう山は歩きたくない・・・しばらく登山を控えることにしました。

先日、常念岳東尾根に行ってきました。

と、言いましても登ったのは2400m付近まで。夜中の3時ごろ、回れ右で下山を開始。

常念岳東尾根といえば昨年使った登山路で、今回も山頂から穂高の写真を狙いに行ったのですが「途中で登るのが面倒」になってしまい、苦労して登った道を戻ることに。

引き返すことを決めた時『しばらく登山をやめよう』と決断しました。

一体全体、自分の中で何が起きているのか、今の感情の記録もかねて記事にしたいと思います。

目次

人生初の精神的な理由による途中下山

精神的な理由とは大げさですが・・・つまり・・・「もう登りたくない」「たとえこの後朝焼けの写真が100%撮れるとしても、もう帰りたい」という気持ちで一杯でした。今回下山した理由は技術的な問題や体力的なものではなく、気持ちの問題でした。

これまでも登っている最中に「つらい」とか「しんどい」とか「諦めたい」など思ったことは何度かありました。しかし、実際にそのような気持ちを理由に下山したことはなくて、自分の気持ちに打ち勝ち、目標地点までたどり着いてきたものです。

・・・今回はダメでした。

もう本当に登りたくない。一刻も早く帰りたいという状態。常念岳の標高は2900m近く、居た場所が2400mの稜線。通常ならここから下山なんて考えられません。しかも夜中の3時ですよ。ここで帰ったら一体何をしにきたというのでしょうか?

今年は雪が多くて踏み抜き多数。状況も悪かったのですが、それを抜きにしても「もうこんな苦労したくない」「そこまでして山に登りたくない」という気持ちでいっぱいでした。こんな風に中途半端な気持ちでは、注意散漫になり怪我のリスクも上がるため、ある意味下山したのは正解だったかもしれませんね。

出発前から乗り気じゃなかった登山

最近ではそもそも登山に対するモチベーションが高くなく、いや、正確にいえばギリギリ自分を奮い立たせて登山に行っているような状態でした。つまり、写真を撮らなければならないという義務感がなんとか自分を山に向かわせていました。

打ち明けてしまえば、山に登るという行為を少し前から楽しめていませんでした。

出発前は憂鬱なことが多く、いざ行ってしまえば楽しめることも多かったのですが、やはり心のどこかでネガティブな気持ちがありました。昔感じていたような「山に登ることへの憧れ・山に対する畏怖・山頂を目指す心の昂まり・山頂から眺める景色への感動」これらの気持ちが確実に、しかも猛烈に薄れていることを感じていました。

初心を忘れてはいけないと自分に言い聞かせているつもりでしたが、今回の登山でそれらの気持ちが消散している事に気がつきました。

この気持ちの変化はなぜ起きた?

登山に行くのが面倒だと感じ始めてしまったのはいつ頃だったか・・・同じ登山道を繰り返し歩くことが多くなってからのように思います。今回の常念岳東尾根というのはその最たる例で、こういう精神状態の時に最も歩いてはいけないタイプの登山道を選んでしまったのもよくなかった。

登山経験が浅い頃は、いろいろな山に登りたいという気持ちが強かったものです。実際、全国津々浦々の山に登り、あの頃は「山に登るという行為自体」を純粋に楽しんでいたと、今になれば思います。知らない場所を知る喜び、初めて歩く山から見える景色、たとえ写真が撮れなくても心からワクワクして、登山に対する胸の高まりは他に変えがたい経験でした。

今ではどうか・・・経験の蓄積とともに感動が薄れてしまうということは、登山に限ったことではないかもしれませんが、それにしても感情が鈍化したなと。ただ単に私が飽き性なだけなのか、歳をとって感受性が鈍ってきたのかわかりませんが、いずれにしたって酷い有り様だと自分でも感じています。あるいは、登山に対して求める期待値が昔より高くなってしまったのかもしれません。いったい登山に、山に何を求めているのか・・・。

心が山を渇望するまで

去年は登頂した常念岳

ということで、しばらく登山をお休みにすることにしました。

2018年にブログを休止したことがありましたが、一度距離を置いてみるというのは、こんな時に有効な方法だと考えています。「写真を撮るために山に行かなければならない」なんて心のどこかで思っているうちは登山を控えた方が良さそうです。

仮にそんな側面があったとしても、私の気持ちが山を渇望して、どうしても山に行きたい、再び山を歩かせて欲しい、そんな風にして山に対して渇望に近い気持ちが芽生えるまでは登山を控えることにします。

わざわざブログでそんなことを宣言しなくてもと思ったのですが、あまりに活動の記録がないと「どうしたんだろう?」と思われる方もいるかと思い、一応ご報告です。加えて、こんな風に登山を一時休止している人もいるという情報発信も役立つかもしれないなと。

と言いますのも、最近うちのブログのアクセス数に変化があり、今いちばん読まれている記事が「登山に行きたいのに、登山が『面倒』だと感じてしまう理由」だからです。

登山に行きたいのに面倒だと感じる方が多いのかもしれません。これは恐らくですが、一部の毎週山に行っているような山好きジャンキーな方を除いて、登山の経験や年数が増えてくると多かれ少なかれ「山に対する熱意や新鮮味の欠如」にたどり着くものなのだろうと思います。

Twitterの反応などを見てもそのように感じます。

憑物が落ちてスッキリとした気分

こんな記事を書いていると「山が嫌いになった奴に語る権利はない」と勘違いされてしまいそうなのですが、実はそう言ったことでは全然ありません。山のことは変わらず大好きです。特急あずさから八ヶ岳や南アルプスが見えれば思わず見惚れてしまう気持ちは今でも変わりません。

矛盾しているように感じられますが、実はこんな記事を書いておきながら、憑物が落ちてとてもすっきりとした気持ちなんです。

私のように飽き性の人間は特にかもしれませんが、やる気のサイクルには浮き沈みがあります。登山を休止すべき時期が訪れていたんだと明確になりスッキリしました。「2021年のふりかえり&2022年にやりたい事まとめ【雑記】」でも書いていますが、今は「まとめの時期」なんだと分かり、むしろ清々しいくらい。

ひとつ気になるとすれば、せっかく始めたYoutubeに登山記録をしばらくアップできなそうだということ・・・。それにしてもYoutubeを始めるタイミングは本当に微妙でした。まあ過去のことをうじうじ言っても何も変わりはしないのですが(汗)

登山が嫌になったら素直に休もう

世の中を見渡すと、自分よりも遥かに精力的で、ひたむきに活動している人がいます。登山に限らず写真に限らずどんなフィールドでもそうです。

しかし、それは一定期間だけ観察した結果、そう見えるだけかもしれません。人生という少し長いスパンで見た時に、自分が好きだと思っていた趣味に対してネガティブな感情が目覚めてしまうこともあると思います。

他人との比較はやめて、自分が今どうすべきなのか、将来どうしたいのかを冷静に観察することが重要だと思っています。

何が言いたいのかというと、最近Twitterを始めとしたSNSを意図的に見ないようにしています。例えば自分が登山を休止しようとしているタイミングで活動的な人の記録を見ると「自分も登山した方がいいのではないか」そんな風にブレてしまいそうだからです。

大事なのは自分自身だと言い聞かせるように。

ブログやYoutubeの更新は継続

来月新居に引っ越すため、少しドタバタする予定です。そんな意味でも登山休止はちょうどいいタイミングだったのかもしれません。

引越しに際し、新しい家具を購入したり自分の部屋を作っていく予定ですし、登山・山岳写真以外にも新しい趣味を始めようと思っていたところです。その辺のことを引き続きブログやYoutubeでは紹介していければと思っています。

また、写真集も少しずつ形になってきたので、完成次第ご紹介します。

登山記録を楽しみにしていただいている方には大変申し訳ありません。このような事情ですので、次の登山ログは少し先になりそうです。

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コメント一覧 (6件)

  • 又、歩きたくなったら歩けばいい!歩くのは山ばかりでない⁉️自然には逆らえない魅力があります。きっと!また山に行きたい‼️里山の良は高い山にない、知らなかった発見と身近な喜びがあります。気が済むまでお休み下さいね。沢山の山のお写真は、足跡の記録❕。。?寝っ転がって楽しく過ごす〰️ 

    • 山には逆らえない魅力がある、間違いないですね。もうしばらくしたら再開したいなと思ってきています(๑´ڡ`๑)

  • 素晴らしい!

    やれないときにやれないと判断できること。これが一番安全の秘訣でしょう。

    仕事でもなんでもそうですが、権利であったものが義務に感じるとやめたくなります。本当に自分のやりたいことが何なのか、また見えたらやればいいんですよ。

    • ありがとうございます!登山というリスクが高い活動だからこそ、自分の気持ちというのはとても大切だと思っています。

      一度距離を置くことで再確認できることもお多いと思いますので、気持ちに正直に、無理せず続けていきたいと思います。

  • とても強い方!とお見受けします!
    尊敬です。
    出来そうで出来ない事を実行されましたね

    • ありがとうございます。しかしながら、そんな褒められるようなことではなく、
      一つの節目になった登山だったのだと思います。
      また登山を再開して素晴らしい景色に出会えたら良いなと思っております。

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