【北アルプス】山小屋はいつまで?雪はいつから?9月末から10月の北アルプス登山を考える

北アルプスの中でも屈指の絶景と言われる「涸沢カールの紅葉」を見てみたい・・・そんな方も多いのではないでしょうか。9月は台風が来たり、低気圧と高気圧が交互に通過したりと、四季の中では天候がはっきりしている季節。しっかりと晴れを見極めて秋の北アルプスを満喫したいですね。

9月中旬から10月上旬は北アルプスの連嶺が紅葉する時期。美しくも儚い紅葉を目当てに登山計画を立てる方が大勢いらっしゃいます。

そんな北アルプスの紅葉はいつからいつまで続くのか、山小屋はいつまで営業しているのか、雪はいつから降るのかなど・・・秋から初冬の北アルプス登山で気になることをまとめました。

目次

北アルプスの紅葉はいつ行けばいいの?見頃はいつ?

北アルプス穂高岳にある涸沢カールは日本一とも称される紅葉の名所。北アルプスの中でも屈指の人気を誇ります。北アルプスの紅葉は標高により見頃が変わります。稜線(3000m)では9月中旬、少し下がった2800m – 2500mでは9月下旬、涸沢ヒュッテのある2300mあたりは9月下旬から10月上旬に色彩のピークを迎えます。

色付きは山小屋やSNSのリアルタイム情報から確認

紅葉の時期が大幅にずれることはありませんが、1週間程度前後することはあります。登山予定の場所に山小屋があれば、山小屋のホームページや、SNSなどから紅葉の色付きを探ってみてください。

例えば涸沢ヒュッテのホームページでは「1~2割の色付き」「紅葉ピーク」など状況を教えてくれます。ベストなタイミングに登りたいという方にはありがたいですね。

涸沢カール 紅葉のタイミング

涸沢カールの紅葉に関して言えば、色付きが1~2割の状態から10日程で見頃を迎える事が多いようです。見頃の時期としては9/25日~10/5あたりになることが多く、最盛期は2~3日持続します。

2016年は9/25~10/1が見頃でした。最盛期の中でもナナカマドの赤が強い時期、赤が落ちて黄色が強くなる時期などがあるようです。この点を考慮すると、9月末から10月頭に涸沢登山の計画を立てることで、紅葉のピークを外れなく見ることができますよ

涸沢カールを中心とした紅葉登山

涸沢カールでの紅葉を念頭にプランを立ててみます。

STEP
上高地

上高地から横尾を経由して涸沢へ

STEP
涸沢

ザイテングラートから穂高岳山荘を経由して奥穂高岳へ

STEP
奥穂高岳

穂高岳山荘に泊まってもよし、涸沢に下ってもよし

上高地から涸沢経由で奥穂高岳まで登る場合、最低でも1泊、体力に自信がなければ2泊の工程がおすすめ。紅葉を愛でるのであれば3泊とってゆっくりするのもいいですね。

ザイテングラートの下山は滑落事故が多いところなので、注意して歩きましょう。

STEP
上高地

上高地から横尾を経由して涸沢へ

STEP
涸沢

南稜から北穂高小屋・北穂高岳へ

STEP
北穂高岳

北穂高小屋に泊まってもよし、涸沢に下ってもよし

南稜は一部に鎖を使った上り下りがあり、高度感があります。慎重に歩けば初心者の方でも歩けますので、体力にゆとりを持って焦らず歩きましょう。

涸沢の紅葉メインであれば奥穂高岳あるいは北穂高岳まで足を伸ばすくらいが丁度いいと思います。上高地から涸沢までは危険個所も少なく、初心者の方でも歩きやすくおすすめです。

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紅葉時期の涸沢ヒュッテ・涸沢小屋ともに極めて混雑します。できればテント泊で行ったほうが快適に過ごせるのでおすすめ。夏山とは異なり、朝晩は冷えるので寒さ対策も忘れずに。

涸沢以外の紅葉

北アルプスの紅葉は涸沢に限った話ではなく、全域が紅葉します。個人的におすすめなのは涸沢、槍沢、爺ヶ岳、燕岳、立山、焼岳、乗鞍岳・・・などでしょうか。稜線には紅葉する植生が少ないので、どうしても紅葉のボリュームとしては小さくなりますが、稜線と紅葉というのも乙な景色です。

涸沢や槍沢のように少し標高を下げた場所の方が紅葉自体は美しいです。

北アルプスの紅葉は10月上旬を過ぎると一気に茶色くなってしまい、見頃は2000mやそれ以下、最後は上高地など1500mのカラマツまで下りてきます。

標高が高い場所で絶対に見頃を外したくないという方は、9月末までに計画を立てるのがおすすめですよ。

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北アルプスの降雪はいつから?

冠雪した北アルプスは気高く、簡単には人を寄せ付けない厳かな雰囲気があります。とても美しい反面、雪山ならではの難しさは気になるもの。特に、グリーンシーズンしか登山をせずに、初冠雪ギリギリのタイミングで登山をする場合は悩ましいですよね。

北アルプスの雪事情ですが、下界では信じられないような早い時期から降り始めます。ほぼ毎年、10月中旬には初冠雪があり、程度にもよりますが、10月末には根雪(次の春まで解けない雪)となります。

雪が降ると単に寒いだけではなく、アイゼンやピッケルなどの装備が必要。天気予報から降雪の可能性が高いと思われる日にはアイゼン(あるいはチェーンスパイク)、ピッケル、バラクラバなどを携帯しましょう。10月以降、天気予報で上空に強い寒気が入るとあれば、北アルプスの稜線では雪が降る可能性が極めて高くなります。

9月の紅葉の時期について言えば、雪が降ることは稀です。降っても積もることはほとんどなく、むしろ三段紅葉(雪・紅葉・緑)が見られるチャンスですね。

リスクを十分に考慮した登山計画

雪山登山を経験していれば別ですが、そうでないのであれば、例えば10月以降は長期縦走ではなく日帰りや1泊2日程度の短期登山に切り替える、テント泊ではなく山小屋を利用する、涸沢など稜線までは上がらない・・・リスクを抑えた計画が重要です。

初冬というのは岩と雪のミックスとなり、登山道がとても歩きにくいだけではなく、夏山・秋山と比較して登山者の数が格段に少なくなります。怪我や有事の際、簡単に助けを呼べない可能性もありますので、慎重な計画が求められます。

12本爪アイゼンを持っておらず、かつ積雪がそれほどでもない場合。チェーンスパイクをバックパックに入れておくだけで安心感が違います。自分は大丈夫と思わず、10月の北アルプスは雪山登山になる可能性があることをお忘れなく。

温かいインナーウェア、フリース、ダウン、グローブ、場合によっては軽アイゼン、バラクラバ、ゴーグルなどを用意しましょう。

北アルプスの山小屋 営業終了はいつごろ??

北アルプスは非常に山深い場所にある一方で、多くの山小屋があります。登山者にとっては心強い存在ですが、多くは紅葉の時期が過ぎた10月中旬には営業を終了します。小屋によって営業終了となる時期が異なりますので必ずホームページで最新情報を確認しましょう。

それぞれの山域で、目安としていつ頃営業を終了するのか調べてみました。

立山剱岳

剣澤小屋(剣岳)9月下旬
雷鳥沢ヒュッテ(立山)10月中旬

後立山

白馬山荘(白馬岳)10月中旬
天狗山荘(白馬岳)9月中旬
五竜山荘(五竜岳)10月中旬
唐松頂上山荘(唐松岳)10月中旬
冷池山荘(鹿島槍ヶ岳)10月中旬
種池山荘(爺ヶ岳)10月中旬
針ノ木小屋(針ノ木岳、蓮華岳)10月上旬

常念山脈(表銀座)

徳本峠小屋(霞沢岳)10月上旬
蝶ヶ岳ヒュッテ(蝶ヶ岳)11月上旬
常念小屋(常念岳)11月上旬
餓鬼岳小屋(餓鬼岳)10月中旬
燕山荘(燕岳)11月下旬
大天井ヒュッテ(大天井岳)10月上旬
槍ヶ岳山荘(槍ヶ岳)11月上旬

薬師・雲の平・黒部(裏銀座)

烏帽子小屋(烏帽子岳)10月上旬
野口五郎小舎(野口五郎岳)9月末
三俣山荘(三俣蓮華岳)10月中旬
薬師山荘(薬師岳)10月頭
水晶小屋(水晶岳)9月下旬
雲ノ平山荘(雲の平)10月上旬
黒部五郎小屋(黒部五郎岳)9月下旬
スゴ乗越小屋9月下旬
五色ヶ原山荘(五色ヶ原)10月上旬

穂高

西穂高山荘(西穂高岳) 通年営業
穂高岳山荘(奥穂高岳) 11月頭
北穂高小屋(北穂高岳) 11月頭
涸沢ヒュッテ(涸沢)11月頭
岳沢小屋(前穂高岳)10月中旬

*他にも山小屋があります。一部を例として抜粋しました。営業終了となる時期は年によって異なりますので、詳細は必ず各山小屋のホームページをご覧ください。

9月~10月 北アルプス登山計画まとめ

9月中は雪の可能性も低く、どの山小屋も営業しているため、登山の計画が立てやすいですね。北アルプスの美しい紅葉を楽しめて、空気が澄んだ9月はおすすめの登山時期です。シルバーウィークと9月末の(涸沢)紅葉ピークを筆頭に登山者の数がかなり多いので、平日に訪れるのをおすすめします。

10月に入ると降雪の可能性がぐっと高まります。気温も0度近くまで落ちる日が出てきますので、しっかりとした防寒着が必須。万が一雪に降られても対応できるような経験が必要です。

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