一瞬の絶景を追い求める 山岳写真に魅せられて

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初冬(11月~12月)に北アルプスでテント泊登山する時の装備や注意事項

11月に入るといよいよ北アルプスでは雪山シーズンの到来、12月には厳冬期の装いとなり、雪山登山が好きな人にはたまらない季節がやってきますね。

一方で、この時期の登山は9月や10月とは根本的に違ったものになってきます。

装備や雪山登山の技術に関することだけではなく、入山する山の選定がとても大切になるからです。

一般的に、夏山や秋山では「登れることが前提」であることがほとんどですが、雪山、特に厳冬期の雪山登山では登頂することが必ずしも可能ではなく、無雪期とは異なり予定通りに動けず、撤退となることも多々あります。 

そんな美しくも厳しい雪山登山の始まりが11月〜12月というわけですね。身の危険に直結することが多い雪山登山での装備や注意事項について、自戒の念をこめてまとめました。

11月や12月の北アルプス登山

年によってばらつきはあるものの、10月末あたりからパラパラ雪が舞い始め、11月上旬には2800mあたりまで冠雪、11月末には北アルプス全域が雪山となり、12月に入ると厳冬期の装いとなります。

12月以降は西高東低の冬の気圧配置が強まり、北アルプスへドカ雪をもたらします。

そのため、11月は初冬から厳冬期への移り変わり、12月は厳冬期の雪山登山という認識を持つことが必要。3月以降の残雪期のように、雪の状態がまだ安定していないが故の難しさがある時期です。

気温は11月中旬を過ぎると恐ろしく冷たく、日中でも零下℃、朝夜は酷寒となることが多くなります。 

この時期に北アルプスへ入山する場合は、夏山冬山様々な経験を積んでおくことが重要なのは言うまでもなく、雪山の中で一人であらゆる状況に対応できる総合力が必要です。

アクセスが制限されることに要注意

人で賑わっていた夏山とは異なり、多くの山域でアクセスが制限されることに注意が必要です。

上高地

北アルプスの玄関口こと上高地は、例年11月15日ごろ上高地へ通ずつのバスの運行が終了。11月16日以降は中の湯から釜トンネルを経由して上高地まで歩くことに。2時間〜2時間半ほど行動時間がプラスされます。

12月以降は上高地スタートで登る山は多くないため、上高地でのスノーシュー体験や上高地からの撮影などがメインとなりそうですね。

中房温泉

表銀座の入り口である燕岳も、11月3日あたりで中房温泉行きのバスが終了します。その後は宮城ゲートから4〜5時間かけて中房温泉まで歩いてからの登山スタートとなります。年末年始は燕山荘が冬季営業しているのが面白いですね。

扇沢

豪雪地の立山は立山黒部アルペンルートが例年11月30日まで営業しており、好アクセスを利用して比較的遅くまで入山できます。その後は深い雪に閉ざされ、春のアルペンルート開通まではアクセスできません。

後立山

後立山(白馬・唐松・五竜・鹿島槍・爺ヶ岳)は山麓がスキー・スノボのメッカであり通年で入山できますが、この辺りはいずれも豪雪で知られる山域。12月以降は相当な積雪量になります。1月・2月は3泊4日程度の工程でないと登頂できないこともザラなようです。

入山する山の選び方について

アクセスや登山経験の観点から11月以降は自分のスタイルで入山可能なのかよく調べることはもちろん、各山域の登山記録をよく調べて入山に適した状態か、自分で挑戦可能かをを見極める必要があります。

例えばヤマレコなどで調べて「登ろうと思っている時期の記録がない」場合は、入山できない可能性が高いです。この記事の見出しからは外れますが、1月や2月の立山はまず入山できません、12月に大天井岳に登っている人は少ないでしょうし、鷲羽岳に登っている記録もあまりないはずです。

加えて、一般的な登山路が夏山とは異なる可能性があります、例えば霞沢岳は徳本峠ではなく西尾根が一般的ですし、厳冬期の槍ヶ岳では中崎尾根が使われます。

初冬は雪崩のピークシーズンではありませんが、それでも12月に入ると考慮しなければならないリスク。登ろうとしている山の冬季登山道についてあらかじめよく勉強することはとても大切です。

例えば後立山はいずれもアクセス良好で、尾根の途中までスキーのリフトで上昇可能ですが、八方尾根も遠見尾根も積雪量がハンパではありません。天候から「どの程度雪が積もっているか」を考え、スキー場などの情報にも目を光らせておく必要があります。

また、夏では日帰りできたプランが11月では1泊2日、12月以降は2泊3日となることはザラであるため、計画をしっかりと練る必要がありますね。

それだけでなく、雪山登山としての難易度もしっかり調べる必要があります。例えば、夏に奥穂高岳を登ったことがあっても、この時期の穂高に登るのは容易ではありません。自身の経験的な判断だけでなく、雪山登山としての一般的な難易度や過去の記録をしっかり参照できる情報収集力も大切になってきます。

11月以降は厳冬期用のウェアとテント泊装備が必須

11月以降の北アルプスでは(晴れて意外と暖かい日もありますが)基本的に厳冬期用のウェアやテント泊装備が必要です。

秋(9月~10月)に北アルプスでテント泊登山する時の装備と注意点
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こちらの記事でも紹介していますが、インナーについては厚手のもの、シュラフや冬季用のものが必要ですし、アウターグローブやバラクラバなど雪山登山ならではのウェアが活躍する季節。

行動中のウェアは晴れて気温が高い日であれば厚手のインナーにTシャツくらいで行動しますし、寒ければフリースやシェルで調整します。

いずれにせよ着膨れして汗をかかないことが大切。

雪山あるあるとして、登山口で「寒ッツ!」っと用心しすぎて汗をかいてしまうこと。11月も12月も行動中の天候によって臨機応変にウェアの調整をすることが本当に大切です。

装備類ではピッケルやアイゼンが必携になります。積雪量が増えたり大量降雪のあとはワカンかスノーシューがないと歯が立たない時期です。特に12月以降は一気に積雪量が増えることと、入山者が極端に減るため、新雪が踏み固められていることは少なく、ラッセルとなる可能性が非常に高いです。

ことテント泊について言えば、雪から水を作れるようになったり、風が強い時は雪のブロック壁を作ったり、登山靴をテント内やシュラフ内に入れるたりします。

雪山登山のデビューを北アルプスで飾る人はいないと思いますし、まずはもっと優しい山からスタートすべきであり、テント泊についても安全性が高い状況で経験を積む必要があります。

積雪期は幕営地の縛りがなくなるのが嬉しいですね!

幕営「適地」を事前に調べておくことは必要です。過去の登山記録や書籍を参照すれば有名な登山路ではおよそ紹介されているので苦労はしないでしょう。もちろん現地で判断する判断力も問われます。

3000mの雪山としては世界で最も雪が多いと言われる北アルプス。白銀の世界で山岳風景を求めて、今年も雪と格闘したいと思います。

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