【北アルプス】北穂高岳 雪山登山(初冬・テント泊)涸沢・南陵経由で北穂山頂(南峰・北峰)へ

2020年12月22日 

11/13~11/15の工程で初冬の北穂高岳を登ってきました!

初冬の穂高岳が大好きで最近はよくチャレンジしています。

中でも前穂高岳は2年連続で登りましたが、今年はさらに北穂高岳にもアタックしてまいりました。

【北アルプス】前穂高岳 雪山登山(初冬・テント泊) 最高のモルゲンロートに染まる穂高連峰

【北アルプス】前穂高岳 雪山登山(初冬・テント泊)上高地・岳沢の美しい三段紅葉と積雪の重太郎新道

コースタイム

1日目(11月13日)
上高地(15:00)→ 横尾(17:30)
2日目(11月14日)
横尾(5:30)→ 涸沢(9:00)
北穂高岳 南峰(16:20-17:00)→ 北穂高岳 北峰(18:00)
3日目(11月15日)
北穂高岳 北峰(8:00)→ 涸沢(10:30)
涸沢(10:30) → 上高地(15:30)

【1日目】上高地〜徳沢〜横尾

横尾までの道は凍結したり積雪している箇所もありますが、特に問題なく夏道のように進んでいきます。

徳沢では厳冬への準備が忙しいお猿の大群が陣取っていました。

木の皮をかじってでもお腹を満たす必要があるのでしょう。北アルプスの長く厳しい冬をどのように生き抜くのか想像もつきませんが、上高地周辺に住む野生動物には過酷な季節が間もなくやってきます。

徳沢を過ぎて間もなく陽が落ちると急に寒くなった気がします。

徳沢〜横尾という歩き慣れた場所も、この季節、この時間は異様に不気味でちょっと怖かったですね。

横尾

横尾に到着!

横尾には冬季小屋があり開放されているだけでなく、小屋の目の前に沢の水を通してくださっており、冬季登山者の強い味方となっています。

小屋を覗くとすでに何名かの方が休んでいたので、私は人混みを避け幕営することに。

【2日目】横尾冬季小屋〜涸沢〜北穂高岳

まだ薄明の光さえない夜中、朝の4時時半ごろ出発して北穂高岳を目指します。

横尾からしばらくは歩きやすい斜度の樹林帯を歩きますが、開けた場所で視界に飛び込む穂高連峰のモルゲンロート。

明日もお願いしますよと心から願いつつも・・・どちらかといえばこの朝の方が焼けたのでめっちゃ悔しかったです(笑)

本谷橋

本谷橋に着くも、冬季は2種類の橋どちらも撤去されているため川を自力で渡る必要あり。

過去の記録を見ると「楽勝」みたいなノリで書かれていることが多かったのでノーマークでしたが、ここがそれなりの難所。

私が読んだレコは11月上旬までのものがほとんどで、少し様子が違ったのかもしれません。

飛び石を使ってジャンプする他ないわけですが、川の水しぶきを浴びているため氷結して超滑ります。

適当な石を見つけたら、ピッケルを使ってまず薄氷を完全に撤去することで突破しました。

この辺りから完全に冠雪した雪道を歩いて行きます。

斜度は緩いのでクランポンは装着せずツボ足です。

涸沢

涸沢に到着するも、テントは2張。奥穂高岳に向かっている方のテントのようです。

今朝はモルゲンロートが最高だったでしょうね!

涸沢といえば日本一のテント村ができる山岳景勝地ですが、10月中旬以降は一気に人がいなくなります。この時期に涸沢でテント泊をするだけでも十分面白いと思うので、ビール飲みながら涸沢でまったりするのもアリですよね。

こちらは奥穂高岳方面。ザイテングラートへ向かう方が写っています。

今の時期は夏道(尾根)を歩くか残雪道(沢)を歩くかの判断は当日のコンディションや積雪状態で決める必要があり、私も北穂高をどちらから登るか当日決めるつもりできています。小豆沢を見ると小さなデブリはあるものの、ここから見ると沢を直登したくなりますね。

実際に雪上まで行くと感覚が変わってくるので、どちらかが完全なる正解というわけではありません。まさに自己判断が求められる場面です。

私が向かう北穂高岳方面。

こうして見ると下部は積雪しておらず、ラッセルもなく意外と簡単に登れる気がしていました。…この時は。

この辺りは陽がよく当たるからか、ほとんど雪が積もっておらず順調に進んでいきます。

南陵取り付き

ほどなくして南陵への取り付き分岐に到着。この辺りに来ると積雪が多くなっており、膝下ラッセルとなります。さあ、このまま直進して沢を登るか夏道である南陵へ分岐するか決断しなければなりません。

結果として、今回は南陵を選びました。

理由は、北穂高沢を歩いたことがなくどの程度時間がかかるか不透明、何より見上げる沢の斜度が容赦なく、相当にキツイことが予想されることです。

歩いたこともある南陵を選んだわけですが、この登山を終えた今、イマイチな判断だったと思っています。南陵取り付きは夏でもかなりの角度がある場所。冬はさらに吹き溜りになっており積雪も多く、ここを突破するのにかなりの時間を使ってしまったからです。

写真は帰路に撮った私のトレースです。

ここで体力をかなり奪われてしまいました。今見るとちょっと微妙な場所歩いていますしね。

この先まだまだ登りが続くため、こんな苦労をするくらいなら沢を直登した方が良かったと今なら思います。経験しなければわからないことですけどね。

死ぬほど疲れながら南陵取り付きを突破して最後の梯子に到着しました。

北穂の絶頂は遥か空を仰ぐ高さで、テントを背負っての登攀は体力を消耗します。

眼下に涸沢を見下ろしながら息を切らし、黙々と登って行きます。

自分の体力の不足を痛感せざるをえません。山に登らない日も体は鍛えているんですが、山に必要な筋力、体力がまだまだ十分ではありませんね。

北穂高の稜線に出る頃には日も沈み始めており、日没までの猶予に焦りながらも3000mの絶景に胸を打たれます。

北穂高岳南峰に到着!

すばらしい夕陽ですね!撮れ高もかなりありました。

南峰からは「空を飛ぶ鳥さえも越えられない」とまで謳われた滝谷や、槍ヶ岳の展望が素晴らしく、雪と岩のミックスを心ゆくまで撮影していました。

こちらは本日幕営を考えている北穂の北峰です。こうして見ると意外に距離があり、夕暮れの時点で南峰にいる時点でこの先の苦難が示されているようなもの・・・。

太陽が沈むかという時刻には「マズイな」と思いながら、北峰への歩みを進めます。

今回の登山はここからが冷や汗ものでした。

南峰から北峰への道は少し標高を下げて巻くように歩きます。この先には松濤岩(まつなみいわ)があり直進はできないからです。

しかし、南峰から北峰への巻道は山頂から見下ろすと、まるで奈落の底に続くかのような角度で下降しています。そこを下りながらトラバースするわけがないと、他の道を模索するも断念。結局はトラバースするほか北峰へは行けず、敢行することに。

こういったことをしてはいけないという見本になってしまい恐縮ですが、ヘッデンをつけ、深呼吸をしながら北峰へと向かいます。距離が大したことないのはわかっているのだから、とにかく落ち着いて歩くことに全集中していました。

これは翌朝撮った私のトレースですが、蟹のように横歩きでしか進めない斜度ですので、十分な注意が必要ですし、ピッケルとクランポンなしでは一歩たりとも歩けません。

南峰から北峰へのトラバースがこの時期はかなり厳しいのも北穂高沢を勧める理由の一つです。

北穂高沢からなら松濤岩のコルに着けますので、このトラバースは不要です。もちろん雪崩のリスクがあるので一概に沢を歩けばいいと言っているわけではありませんので、要注意。

【3日目】北穂高岳〜涸沢〜上高地

翌日もよく晴れてくれました。爆焼けとはいきませんでしたが、私が狙うアングルから朝焼けの穂高連峰が撮影できたので収穫は大きかったです。

北穂高からの穂高連峰はアングルの自由度が高いのでどのように撮るか悩ましい。

奥穂に寄るか、吊り尾根まで入れるか、滝谷側をどの程度入れるかなど、とても一回では極められる場所ではないので、通い続けたいと思える場所になりました。

下山(北穂高沢)

帰路は迷わず北穂高沢から下ります。

これは少し降りて振り返った写真ですが、見ての通り、雪崩があると全く避けられない地形をしており、どちらのルートを歩くかは本当に悩ましいところ。

雪崩のリスクが少ない条件であればこちらの方が直登できるので時間的には利点が多そうです。ただ、上部は休める場所が全くありませんので、その意味では大変かも。

北穂沢の俯瞰です。こうして見るとチャチャッと登れちゃいそうな、歩けちゃいそうな気がしますが、奥穂高へ続く小豆沢よりも角度が急とのことですし、下から見上げると距離が大したことないように感じるのは山あるあるですね。

上高地

北穂高から上高地までの長い工程を終えてたどり着くも、今日は上高地の閉山日。ビジターセンター内にある自動販売機でなんとか飲み物だけは入手できました。

これにて初冬の北穂高岳テント泊登山を無事に完了!

途中ヒヤッとする場面もありましたが、登山経験としては大いに成長する機会となりました。山岳写真としても挑戦したかった場所であり、前穂高岳と並んでこれからも通って納得のいく写真を狙って行きたい。「どうして危険な場所に行くの?」と言われるとこれが回答になりますが、登山、ことさら雪山登山には突破しなければ成長できない壁がいろいろあるかと思います。

今日はその一つを無事乗り越えることができました。

北穂高岳(初冬)注意点等まとめ

  • 横尾避難小屋を利用すると水が利用できる。
  • 本谷橋は橋がかかっていないので川を飛び越える。その際に岩が滑るので薄氷を除去した方が良い。
  • 北穂高沢は雪崩が頻発する。沢を直登するか南陵を登るかはコンディションを見極める。
  • 南峰から北峰へのトラバースは半端じゃない斜度なので最大限の注意が必要。

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