「写真を撮る動機と写真作品をどのように披露したいのか」についての内省

なぜ写真を撮っているのだろう?撮った写真をどうしたいんだろう?

そんな風に考えたことがある方も多いかもしれません。かく言う私もそんな一人。

写真を撮っている自分の動機や、撮った写真をどのようにして見てもらいたいのか。

最近よく考えるようになりましたので、思考ノートとして残しておこうと思います。同じようなことを考えたり悩んでいる方の参考になれば幸いです。

目次

私が写真を撮っている理由

(2021年現在)写真を撮っている目的は「自分なりの山岳写真集」を完成させることです。

登山が楽しいとか、写真を撮る行為が楽しいとか、それはもちろんなのですが、自分の人生を賭して(と言うと大袈裟ですが)満足のいく写真集が作りたい!

そう思っています。

撮る対象としては、自分の中で議論の余地がないくらいに山岳が好き。写真という趣味をスタートしてから6年ほどしか経っていませんが、幅広くいろいろな被写体を撮りたいという状態から、山に関する写真が撮りたいと動機が明確になりました。

“それなら写真を撮る理由は写真集を完成させるためじゃないか” と言われてしまいそうですが、実はそれだけではありません。

写真という活動を形にして遺したい

せっかく写真という素晴らしい趣味に出会えた。いつも目にしている景色を写真という記録に残している。

だったら、それをしっかりとした形にして遺したい。写真の目的が写真集というところに落ち着いてたのは、日々の記録をデジタルデータだけで完結するのではなく、本という形にして遺したいからだと思うようになりました。

創造している人というのは、多かれ少なかれ皆さんそうではないでしょうか?

写真であれ芸術作品であれ、作家であれ何であれ、自分自身で創造している人は「形にして遺したい」ものではないでしょうか。遺したいと思う理由は…分かりません。自身のDNAを子供に託したい、そんな本能めいた何かだと思います。

どうせやるなら、魂を込めて

写真は私にとって趣味ですし、撮影に行っている頻度も決して多いわけではありません。

しかし、どうせやるなら真剣に取り組みたいと思っていますし、撮影に行くときはいつも全力です。

魂を込めてやるからこそ楽しいし、楽しいから続けることができます。

真剣に楽しめる趣味や活動がない人生なんて嫌じゃないですか。仕事して休みはお酒しか楽しみがない人生なんて寂し過ぎますもんね。

山岳写真をライフワークとして追求したい

もっと言ってしまえば、自分自身が撮る写真をまとめた写真集を作る、そんな活動を自身のライフワークにしたい。

今年で34歳になる訳ですが、まだまだ人生先が長い。やること・やりたいこと・意義・趣味・・・なにより目標を持ちたい。

これからの生活を充実したものにするために、私は山岳写真の撮影及びその写真集の作成を追求していきたい。満足のいく写真集を完成させるために挑戦し続けたい。

写真はそんな小難しいことを考えなくてもシャッターを切るだけで撮れますし、その方が楽しいという意見もあろうかと思います。

それでも私は写真集を作るという最上流の目標を見据え、日々の撮影に真剣に臨んでいきたい。それで生計を立てたいとかではなく、あくまで趣味として。真剣に取り組むということ自体を楽しみたい。楽しめるから真剣に取り組める。これは表裏一体だと思っていて、適当に写真撮るだけだと私は飽きてしまって続けられない。

実は山岳写真に魅力を感じている理由の1つがその難しさ。山という圧倒的な自然を前に、己の無力さを感じながらも、美しい一瞬を写真に収めることに悦びを見出しているんです。難しからこそ真剣になれます。そんな1枚1枚を集めて写真集を作りたいと思っています。

ライフワークとして取り組みたいと思えた山岳写真は大切にしたいですね。

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真剣に取り組むとは言え、こんな風に2018年はちょっとした倦怠期を迎えていて活動していませんでした。

何事にも周期があるものです。

やりたい時にガーっとやってやりたくない時は距離を開けるのも一考です。

写真を見てほしい欲求が減退した訳

写真作品をどのように披露したいのかと言うことに関して、最近は撮った写真をSNSなどにアップできていません。

(それなら何でSNSやブログをやっているのだ、と言うツッコミを受けそうですが。)

ちょっと前までは撮った写真はSNSにアップしたりブログで紹介していましたので、自分の気持ちに変化があったのだと思います。実は、写真をなぜ撮っているのか逡巡するきっかけになったのは、こういった自分の気持ちの変化でした。

写真を大勢の人に見てもらいたいという気持ちが希薄になり、一方で写真活動を通じて自分自身の人生を充実させたいという想いが強くなってきました。

SNSの良し悪し

写真が簡単に消費されてしまうSNSに少々嫌気がさしたのかもしれません。

SNSには本当に様々な写真が溢れていて、撮り手や見る側の気持ちは多種多様、写真の質は玉石混交、あらゆる写真が入り混じっています。

カオスな場所に、無理に作品を投げかける必要もないか…最近はそんな気持ちに寄っています。小難しいことを考えずにアップしたら良いじゃないかという気持ちもあるのですけどね。

多くの人に写真を見てもらえる場としてSNSが有用なのは間違いなく、知名度を高めて企業とタイアップしたりアンバサダーになったりと、自分自身をプロデュースさせたいと考える場合にはSNSは必須な存在なのは間違いありません。

そうでなくともフォロワーの方達と気軽に写真を見せ合える場でもあるので、要はそこで何をしたいのかが重要かもしれませんね。とにかく見てもらいたいんだと言う人には最適な場所であることに変わりありません。

写真撮影に伴う困難と努力値

どんな写真だって撮影に苦労は伴うものですが、特に山と海中は大変です。機材を運ことが困難で、撮影する行為自体に相当なリスクがあるからです。

山の上まで重たいテントを担いで朝夕夜と撮影する山岳写真。それはごく単純に比較しても大抵の撮影より苦労が大きいものです。海中撮影には負けますが。

だからこそ、SNSなどであまり安売りしたくないと思うようになったのかもしれません。例えば、私が撮っているシチュエーションはどれだけ探してもネットで見つけられないものが多々あります。今回も乗鞍岳で冬季穂高の星景写真を撮りに行きましたが、探しても簡単には見つからないでしょう。

それが「大した写真」なのかどうかは見る人により判断が異なると思いますが、少なくとも以前より出し惜しみするような写真が増えたのは確かです。

翻って、自分の写真や活動自体を崇高なものだと思わないようにしなければ、と常々言い聞かせています。そこまで自身の存在を肥大化させてはいけない、増長するなかれ、と。

この辺については、考え方がガラリと変わるのかもしれませんし、変わらないのかもしれない。人に見せるための写真と言うよりは、どこまでやれるのか、山岳写真を通じた自分自身との戦いに今は写真活動がシフトしているのだと思います。

まとめ

たかが趣味、されど大切な趣味。

難しく考えすぎだと感じた方も多いと思います。

自身の活動の意義や目標をあまりに神聖視し過ぎると、今度は活動自体が内向的になってしまいますし、他のフォトグラファーと交流したり、写真を見せ合うことはセンスを磨き、刺激をもらう上で重要です。

こんな事ばかりを考えていても仕方ありませんが、たまに振り返ってみると今後の撮影のモチベーションにつながるかもしれません。

改めて、私が写真を撮っているのは山で見た景色を、ただの記録で終わらせるのではなく写真集という形に残したいからであり、写真集という形に昇華させるために真剣に取り組み、そんな活動をライフワークとして追求したいということが分かりました。

もし写真を何のために撮っているのか分からなくなったり、写真撮影がつまらないと感じ始めている方は、一度自分の心の声を聞いてみるといいかもしれませんね。

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最終的にどういった写真集にしたいのか検討するためにも、年度記録として写真集を作ることにしています。

1年間を振り返るのにすごく良いので、あまり気構えず写真集を作ってみるのはとてもおすすめですよ!

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