【北アルプス】裏銀座 縦走登山(夏山・テント泊)黒部五郎岳から双六岳へ北アルプスの深部を歩く

北アルプス裏銀座の縦走3日目です!烏帽子岳から始まった北アルプスのど真ん中を歩くこのコース。どこを見ても素晴らしい景色ばかり。想像以上の絶景コースでした裏銀座!

今日は三俣山荘からはじまり、黒部五郎岳の登山を中心とした行程。山深く、行くこと自体が容易でない山域だけに、目いっぱい楽しみたいと思います。

目次

北アルプス裏銀座縦走(3日目):三俣山荘~鷲羽岳~三俣蓮華岳~黒部五郎岳~双六岳~双六山荘

三俣山荘から約1時間半のナイトハイクを経て、再び鷲羽岳の山頂へ。鷲羽岳の登りは急登で、夜の暗闇の中歩くのは決して楽ではありません。しかし、その先にあるご来光を求めて登ります。

槍ヶ岳と鷲羽池をバックにシャッターを切りますが、太陽の位置的に逆光となるため、撮影はなかなか難しい。イマイチ納得のいく写真が撮れず(‘ω’)ノ

ここの写真カッコよく撮るには秋の方が良いのかな??太陽と鷲羽岳がもう少し近づくと、太陽をフレームに入れて撮りやすくなりそうでした。

鷲羽岳~三俣山荘~三俣蓮華岳

鷲羽岳から三俣山荘に戻り、テントを撤収して反対方向の三俣蓮華岳へ向かいます。槍ヶ岳~穂高岳の稜線を眺めながら気持ちいいハイクです。

今日は、低気圧が向かってきているので曇りがちな天気予報でしたが、予報をいい意味で裏切り、朝から気持ちのいい青空が広がってます。

三俣蓮華岳

三俣山荘から30分程度で三俣蓮華岳の山頂へ!なんか標識の木がぐにゃってまがってますが?笑

三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)とは、北アルプスを構成する富山県(越中)、岐阜県(飛騨)、長野県(信濃)の県境になっている場所。山は県境になっていることが多いものですが、北アルプス3県の県境と言う記念すべき場所なのです。

三俣蓮華岳から眺める鷲羽岳

三俣蓮華岳は360度の素晴らしい展望が広がっていますが、中でも鷲羽岳の展望はピカイチ、素晴らしいの一言!鷲の字のごとく、両翼を広げたかのような山容をしています。

日本百名山である鷲羽岳。三俣蓮華岳から眺める姿が一番かっこいいと思いました。

三俣蓮華岳~黒部五郎小舎~黒部五郎岳

三俣蓮華からの眺めを楽しんだ後、これから黒部五郎岳という山を目指します。先日、野口五郎岳を登りましたが、同じ「五郎」繋がりの山ですね。北アルプスの中でもアクセスが難しく、特に長野県側から登ると非常に遠い山の一つ。百名山ハンターでも後回しにしている方が多いのではないかと思います。

黒部五郎岳への道は初め、山肌をトラバースして、その後、樹林帯を一気に下りる形。標高差がかなりあるので、後で戻るのが大変そうです(汗)

黒部五郎小舎

樹林帯の下りた先に、赤くて可愛い黒部五郎小舎が見えてきます。テント場あり、水無料の小屋なので、ここで一泊するのも良いですね。ジュースやビールも売っていて、快適に過ごせそうでした。

明日から天気が崩れるのは間違いないので、私は黒部五郎小舎に荷物をデポして、黒部五郎岳をピストンします!

(デポ…荷物を置いて行動し、後で回収すること。ピストン…縦走せず、山頂まで行って戻ってくること。)

黒部五郎小舎~黒部五郎岳

黒部五郎小舎から黒部五郎岳へは、カール内を歩くコースと稜線を歩くコースがあります。黒部五郎岳は「黒部五郎カール」と呼ばれるカールが有名な山ですので、ここは迷わずカールを歩きます。

巨岩が散りばめられた絶景カール「黒部五郎カール」

黒部五郎カール内はこの通り、巨岩が散りばめられた非常に独特の景観を成しており、日本に多くの山あれど、この規模で、これ程に独自性の高い景色を見せてくれるのはここだけ。日本百名山に選ばれている所以でもあります。

どうしたらこんなに大きな岩が散りばめられた、芸術作品ができあがるんでしょうね??

快晴の空模様に彩られた黒部五郎岳。カール内で何度も写真を撮りながら、誰も居ない静かな空間を楽しめました。贅沢過ぎ。マジで贅沢か。

カールと言えば他に、穂高岳:涸沢カール(北アルプス)、宝剣岳:千畳敷カール(中央アルプス)が有名でしょうか??

しかし、たくさんあるカールの中でも、黒部五郎カールは規模、見た目共に日本トップレベルなのは間違いありません。!

(カール…氷河により山肌が浸食され、削り取られた地形。)

パねぇっす。これはパねぇっすよ。本当に一見の価値ありです。

黒部五郎岳は三俣蓮華岳から縦走するか、富山県側の登山口「折立(おりたて)」からアクセスします。上高地からは遠いので、アクセスが難しいんですよね。

さあさあ、黒部五郎岳の山頂を目指します。山頂へはカールの一番奥まで行き、急登を一気に上がって稜線へと出ます。この道は百花繚乱、おそらくコバケイソウだと思いますが(すでに枯れてますが)、夏には花がすごそう。山肌一面に群生してますもんね。

奥に見えてるのは鷲羽岳です。

稜線へ出れば、山頂はすぐです!

黒部五郎岳

黒部五郎岳(2840m)、登頂しましたー。!

山頂からカールを眺めると岩がすごい。

展望もあっぱれ!北は剱岳~立山、薬師岳、赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳、南は槍ヶ岳、穂高岳と超パノラマが展開しています。

カールも展望も見事な黒部五郎岳。かなりおすすめの山かもです。人が少ないのもポイント高し。

黒部五郎小舎~双六岳

黒部五郎小舎まで戻り、この後は双六岳を目指します。近くにある双六小屋が今日のテント場所。朝一から行動していますが、今日のコースは割と時間ぎりぎり。日が落ちる前に双六まで行きたいので、ちょっと急ぎます。

黒部五郎はこの樹林帯の急登が・・・。

道中、三俣蓮華岳を巻いて行きますが、この辺りまで来るとかなりガスってきました。そろそろ前線が近づいてきているでしょうか?

(巻き道…山頂などを通らずに迂回すること。)

裏銀座縦走中の天気と天気図を見てみる

ちょっと脱線して、今回の縦走中の天気を見てみます。実を言いますと、今日はこんなに晴れる予定ではなかったので、黒部五郎岳も行こうかどうか悩んでいました。それが意外や意外、朝起きてみると気持ちのいい青空が広がっていて、これで下山したんじゃ”もったいな過ぎる”という事で、黒部五郎へ行くことを決心。引き換えに、明日は120%大雨の中、下山することが決まった瞬間です。

左から順に9/3~9/6の天気図です。今日は9/5なので右から2番目の天気図。前線が九州から東進しているのが分かります。明日(一番右の天気図)には前線が中部山岳に達するので、100%雨となります。ここに議論の余地はありません。

難しいのが今日の天気で、前線が九州程度まで達した時。朝のうちまでは晴れていましたが、午後遅くなると雲が広がり、これからの荒天を予感させます。

と、そんな訳で双六岳(すごろくだけ)までやって来ました。双六岳(2860m)登頂しましたー。!

ガスっていて展望は微妙だったんですが、ここにきて、何故かガスが一気に晴れてきました。目の前にはすごい景色が広がります。

双六岳から見る槍ヶ岳が大迫力!

パねぇ。これはマジヤバなやつです。超絶景だと思いますぞ、ここから見る槍ヶ岳は!!

双六岳から槍ヶ岳へと延びる稜線は、槍ヶ岳へと真っすぐに伸びる、ビクトリーロードとなっております。この景色は一見の価値ありあり!裏銀座縦走路は、槍ヶ岳を中心とした景観が本当に見事。最後には槍ヶ岳が迫ってきて、尻上がりですしね。

双六小屋

双六岳から稜線を歩き、高度を一気に落とすと、双六岳と樅沢岳(もみさわだけ)の鞍部に双六小屋が見えてきました。ここの下りは急なので、疲れた足に堪えます。スリップしないように注意せねば。

(鞍部…高い場所と高い場所の間にある窪んだ場所。)

何とか日が暮れる前に幕営できて一安心。いやはや、今日はよく歩きました。

明日は荒れるの確定しているので、テントは普段より強風対策を施しておきます。北アルプスのテント場はどこも岩が豊富なので、こういう時助かります。双六小屋のテント場は風が吹き抜ける構造になっているため風が強いです。幕営はしっかりした強度で行いましょう。

双六小屋からは鷲羽岳の展望が見事なんですが、この天気じゃ夕焼けはお預け。

まあそうしたら、無意識のうちに小屋に行ってビールと柿の種を買ってました。無意識の行動って怖いですね。あと、この景色、デジャブ感強し。珍しくエビスも売ってましたが、そこは自制して、慎ましくアサヒにしておきました。

北アルプス裏銀座縦走(4日目):双六小屋~新穂高温泉~平湯温泉(下山)

ですね。しってました。朝起きたらめっちゃ荒れてました。強風大雨。さあさあ、大雨の中、テントを撤収するとしましょう(白目)

その後は、冷雨に打たれながらの下山です。双六小屋~鏡平~わさび平~新穂高温泉と続く小池新道を歩きます。初めて歩いた登山道ですが、この道は標高差がそれ程なく、道も優しいので歩きやすかった。下山路にはもってこいです。

平湯温泉

新穂高温泉からバスで平湯温泉までやって来ました!平湯温泉から新宿行きの直通バスが出ているので、東京方面の方は平湯温泉まで来ると下山完了となります。おつかれさまでしたー。!

平湯温泉は温泉街でして、バスのターミナルであるアルプス街道平湯をはじめ、いくつかの温泉宿が軒を連ねます。日帰り入浴できる場所も多いので助かりますね。私は移動するのが面倒なのでアルプス街道で入っちゃいます。濡れてて寒いですしね。

そしたらです。温泉とセットでビールを買わせようとする「山男セット」なるものが販売されてまして。いやいや、私はビール飲むために山に来ている訳じゃありませんからね。昨日も飲んでますし、お金もないですしね。

こんな単純な戦略に引っかかる奴いるのかよってwww

・・・いた\(^o^)/www

いやですよ。よく考えたら「山男」と言われて黙っている訳にもいかないだろうと。そう思ったわけです。初めは確かに入浴券だけ買ったんですよ?でもね、気づいたら番台のおばちゃんに「やっぱ山男セットにします!」と、無意識のうちに声をかけました。無意識の行動って怖いですね。

いや本当に、登山完了して、温泉入って飲む生ビールの美味さたるや、この登山で一番の衝撃だったかもしれません。笑

お風呂入ってさっぱりして、ビール飲んで、平湯温泉からバスで新宿に戻って、登山完了!

コースタイム

  • 3:00 三俣山荘
  • 4:30 鷲羽岳
  • 8:15 三俣蓮華岳
  • 9:20 黒部五郎小舎
  • 11:30 黒部五郎岳
  • 16:30 双六岳
  • 17:45 双六小屋

登山データ

日程 行程 天気(午前/午後)
2017/9/2 新宿~信濃大町~七倉山荘(テント泊) 晴れ/曇り
2017/9/3 七倉山荘~烏帽小屋/烏帽子岳(テント泊) 晴れ/ガス
2017/9/4 烏帽子小屋~三ツ岳~野口五郎岳~水晶岳~鷲羽岳~三俣山荘(テント泊) 高曇り/晴れのちガス
2017/9/5 三俣山荘/鷲羽岳~三俣蓮華岳~黒部五郎岳~双六岳~双六小屋 晴れ/ガス
2017/9/6 双六小屋~小池新道~新穂高温泉~平湯温泉~新宿(完) 雨/雨

裏銀座縦走路を振り返って

烏帽子岳からスタートし、野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、黒部五郎岳、双六岳と、北アルプスを代表するそうそうたる面々を踏破することができ、満足度の高い縦走でした。美しくそびえる槍ヶ岳を常に眺めながら歩くことができ、その間に変化する景色は歩く人を飽きさせません。「黒部の山賊」の舞台を歩くことができたのも、山岳ファンとしては嬉しかったですね。

裏銀座縦走路はかなりの体力を必要とします。健脚でないと時間内に歩ききることが難しいため、必要に応じて小屋泊を検討した方が良さそうです。特に、烏帽子岳から三俣山荘までは相当な距離ですので、途中にある野口五郎小屋、水晶小屋の利用も検討すると歩きやすくなると思います。

晴れた日に歩ければ、景色的にも歩く満足度的にも最高の山行が期待できるコースでしたよ。!

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コメント一覧 (8件)

  • 黒部五郎岳からのカールとパノラマ、実に見事な風景ですね。山の緑に散りばめられた岩との対比がまた美しいです。

    あとは平湯温泉ですね、アルプス街道 での登山された後の温泉→ビール→帰宅 という流れも実に自然で良いですね。

    今回もお疲れ様でした、素晴らしい山の絶景を拝見させて頂きありがとうございます!

    • 日本百名山の中でもかなり異質な景色でしたね(๑´ڡ`๑)
      実にアラサーらしい黄金律で行動してしまいました笑
      そう言っていただけると嬉しい限りです☆
      次回の方がすごいので、ぜひご期待していてください!

  • 清宮さん こんにちは。
    今回は天気にも恵まれて良かったですね。黒部五郎カールは雄大な感じがいいですね〜。槍ヶ岳は名前どおりに頂上が槍なので、私みたいな素人でもすぐ判るし、カッコいいですね。
    ところで、今回の山行きではかなり歩いていますね。1日の最長はどれ位歩いたんですかね。

    • こんにちはー(๑´ڡ`๑)
      槍ヶ岳は北アルプスのどこから眺めてもその姿を変えないので、
      シンボル的な存在になってますよね!
      距離ですかね?今さっと計算してみた所、烏帽子岳から三俣山荘までおよそ20km程度かと思います!!

  • 日本一周ブログから読んでる者です。
    今回も楽しく拝読させて頂きました!とても読み応えのある素晴らしい登山記録ですね!
    美しい景色の写真と詳細な記録ありがとうございます。

    以前富山の薬師岳を登った際、雲ノ平を目的地とする50代くらいの男性と話し、妙な逞しさに憧れましたが、、フルサイズ一眼を装着してこれだけの山行をこなしてしまう清宮さんの逞しさはおそらく、、いや、絶対それ以上でしょうね。

    五郎系は名前だけは知ってましたがこんな秘境だったとは知りませんでした。槍ヶ岳の見え方が全然違ってびっくりしました、いつか登ってみたいものです。

    今回もお疲れ様でした!

    • こんにちは!コメントありがとうございます(๑´ڡ`๑)
      そう言っていただけると書いている側としては嬉しい限りです!
      逞しさと言う点では、やはり日本一周で培った物かもしれまえせんね。
      昔と比べると、色々強くなれている気がします。
      50代でも60代でも、本当にお若い方っていらっしゃいますからね。
      私も負けずにガシガシ攻めていこうと思います!
      野口五郎も黒部五郎も良い山ですよー!機会が合ったらぜひ登ってみてください!
      槍ケ岳は表銀座より裏銀座から見た方が絶対かっこいいです。こちらもぜひ(๑´ڡ`๑)

  • お疲れ様でした清宮さん私も去年の夏新穂高温泉から、双六ー三俣ー黒部源流ー雲ノ平ー水晶∹鷲羽岳と縦走してきました。裏銀座は、まだですが今度行きたいと思います。
    それにしても歩く距離が半端ないですね。若くて羨ましいです。私は三泊四日の山旅でしたがザックの重量は。二十キロ近くありました。テント泊はお互い大変ですね次の参考.

    • 西間木さんもこのあたり歩かれたんですね!
      北アルプスの醍醐味が凝縮されたエリアな気がしていて、大好きです。雲の平は行ったことがないので来年行けたらなぁと思っています。

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