【北アルプス】裏銀座 縦走登山(夏山・テント泊)三ツ岳〜野口五郎岳~水晶岳~鷲羽岳

北アルプス裏銀座縦走の2日目です。0日目に七倉山荘にて前泊、、翌1日目はブナ立尾根から烏帽子岳を登頂しました。

2日目はご来光を見てから、北アルプスの中心を目指します!

2日目:烏帽子小屋~三ツ岳~野口五郎岳~水晶岳~鷲羽岳~三俣山荘

1日目:烏帽子小屋のテント場

まずは烏帽子小屋から三ツ岳方面にナイトハイクしてご来光の写真を狙いに行きます。

烏帽子小屋~三ツ岳

真っ暗な道の中を、烏帽子小屋から三ツ岳方面へと進んでいきます。

ナイトハイクしながら、ご来光が見えるかどうかドキドキしてる時って楽しいですよね。烏帽子小屋でテントが超結露してベチョベチョだったのも仕方なしと思えるもんです。

それでです。地図見て何となくは気づいていたんですが。この縦走路って三ツ岳のピークは踏まずに西側を巻く道になってるんです。

・・・ダメじゃん\(^o^)/

太陽は東側から昇りますからね。それでは困ります。結局、巻き道からではご来光を撮れそうになかったので三ツ岳のピークを目指します。道が無いのでお花などを気にしながら、岩の上を飛ぶように移動。いや、めっちゃ大変。

三ツ岳(4:30)

いやしかしです。ナイトハイクした先に、北アルプスは微笑んでくれました。北アルプス南部に厚い雲がかかっていて一瞬ドキッとしましたが、ご来光はうまいこと雲の隙間から顔を覗かせてくれそう。

ピンクに染まる山肌、雲が素敵。

山頂から眺めるご来光前の景色には多くの色が混じり合って、それはそれは美しい。

しっかりとご来光を見る/撮ることができました。

右手に見えてるピークが唐沢岳、左手の山塊は針ノ木、蓮華、後立山連峰の鹿島槍、五竜、白馬など、日本の山を代表するそうそうたる面々です。

南方向には厚い雲があるんですが、そのお陰で雲が藍色っぽくなっていて、かっちょいい。

私はこういうシンプルな絵が好きなのかもしれません。目の前に大きな山がドンッと構えていて、そこに太陽の光が射すような、そんな景色に惹かれます。

右の大きな山が野口五郎岳、左の尖ったピークは槍ヶ岳、遠く両者の真ん中にあるのは乗鞍岳です。

モルゲンロートの赤牛岳。この朝は北アルプスの連嶺がしっかりと焼けてくれました。

左手奥に巨大な山があって、初めは何の山か分からなかったんですが・・・。これは立山ですね!奥に見えているのは剣岳です。立山~剱と言うと随分遠くにあるイメージだったんですが、後立山連峰が見えているのだから、立山~剱が見えていても不思議じゃありませんもんね。

三ツ岳~野口五郎岳

三ツ岳は360度の眺望が広がる、北アルプスの展望台としてかなり優秀でした。しっかりとご来光を見れて大満足です。

日が昇ったら次なる目的地、野口五郎岳を目指します。この山は裏銀座縦走路の中で最も背が高く、最も膨大な山としてすごい存在感があります。

三ツ岳~野口五郎岳は、白い巨岩、砂礫の道を進んでいきます。特に難しいという事はなく、アップダウンも少ないので歩きやすいですね。

野口五郎小屋(7:15)

いよいよピークが近づいてくると、野口五郎岳の窪みの中に野口五郎小屋が見えてきます。この小屋はすごい所にありますねー!!山肌の窪地に軒を構える野口五郎小屋。

野口五郎岳~水晶岳あたりは、北アルプスで最も風が強い場所らしく、このあたりにテント場はありません。人ごとテントが吹っ飛んだり、山小屋の基礎ごと吹っ飛んで空中分解したりと、昔は大変な騒動があったらしい(汗)

テントの中にいたら風で吹っ飛ぶとか怖すぎる。魔法の絨毯か。

小屋を見ると、屋根には巨岩を並べ、周囲をブロックで囲い、さらに岩と小屋をロープで結んでます。

芸能人の「野口五郎」さんはこの山から名前を取っているんだそうです。芸名を決める時、野口五郎か黒部五郎かの二択だったそうですが、標高が高い野口五郎を選んだという話を聞きました。ちなみに、別に山好きな訳ではないそうです(笑)

野口五郎岳とは、まるで人の名前のような山名ですが、実はそうではありません。五郎とはゴーロ(英語:goro)「岩がごろごろしている場所」という山岳用語で、五郎はその当て字です。”野口集落から見えるゴーロのある山”という意味なんだとか。

その名の通り、野口五郎岳は白い巨岩が一面ごろごろしてる、面白い山です(私はかなり好きな山でした)。

野口五郎岳(7:45)

野口五郎岳(2924m)登頂しましたー。!

野口五郎岳は日本300名山に選ばれています。

今日は高気圧に覆われて完全なる晴れを予想していましたが高曇り。しかし空気は澄んでいて、北アルプスの山は全部見えてるんじゃないかと言う程の展望。周囲の山々の山座同定をして、先に進みます。

裏銀座縦走路はまだまだ先が長く、ここからが本当の勝負所…!!

野口五郎岳~水晶岳

野口五郎岳から次なる目的地である水晶岳へと向かいましょう。裏銀座縦走路の大きな特徴、それは常に槍ヶ岳が見えていること。そんでもってその槍ヶ岳がめっちゃカッコいい事です。表銀座から見るより100倍かっこいい姿を常に拝みながらの縦走はたまりません。

野口五郎岳~水晶岳の縦走路はアップダウンが多く、道もそれなり。ここは踏ん張りどころです。

東沢乗越というあたりまで来ると、目の前に真っ赤な山が見えてきます。水晶小屋がある場所は赤岳と呼ばれ、隣にある水晶岳の黒色と対照的。

水晶小屋(10:00)

水晶小屋に到着。いやぁ、なかなか大変な道で、クタクタ。ザックを下して一息入れます。裏銀座縦走路で一番きついのは野口五郎~水晶かもですね。

水晶小屋は北アルプスの山小屋の中で一番小さいと言われる程にキャパが小さい小屋。ここも野口五郎岳と同様にテント場がありません。実際来てみると、小屋を建てるのもギリギリで、そもそもテントを張るスペースがありません。

この日は団体さんが宿泊したせいで、食堂まで布団を敷いて、しかも1つの布団に2人で寝るから超窮屈。泊まった方は一睡もできなかったと漏らしてました。知らない人と1枚の布団を共有とか、「パネぇ…」って感じです\(^o^)/

水晶岳(11:00)

水晶小屋から水晶岳までは1時間ほど。岩場も通るので意外と油断なりません。日本百名山である水晶岳(2986m)登頂しましたー。!

元の名前は黒岳なんですが、今では水晶岳が一般的。北アルプスのど真ん中に位置するという事で、その展望の良さが有名な山。昔は本当に水晶が採れたそうです。何気なく探して見ましたが、こんだけ登山者がいる現代に有るわけないか。

水晶岳から見る、立山~剣岳、後立山連峰です。

こっちが水晶岳の本気、北アルプス南部を一望できます。360度山しか見えず、「とんでもない所に来たな」感を楽しめる場所となっています。

上の写真には日本百名山が5座も写っているんだから、すごいですよね!(槍ヶ岳、穂高岳、乗鞍岳、鷲羽岳、笠ヶ岳)。

展望の良さは、日本トップレベル。曇りなのがちょっと惜しい。

水晶小屋でお昼ご飯

水晶小屋に戻って来ました。小屋の前に小さなテーブルがあるのでラーメンを頂きます。写真は食べた後です。いつも食べた後に「ブログの写真撮らねば」と思い出す頭の悪い人が私です。

水晶岳~鷲羽岳

さあさあ、次なる目的地である鷲羽岳(わしばだけ)を目指します!お昼ご飯を食べている間に晴れてきました!あとちょっと早く晴れてほしかった\(^o^)/

水晶岳から鷲羽岳を目指すころには、足がかなり疲れてきます。ここが踏ん張りどころ。どんどん近づく槍ヶ岳を眺めながら気合入れてきます。

鷲羽岳の前にワリモ岳というピークがあるので、「鷲羽岳登頂ー!…って、ワリモ岳かい!」ってなること間違いなし。

一人ツッコミしながら、鷲羽岳に取り掛かります。水晶方面から見ると、あんましかっこよくないですね。鷲羽岳はこの裏側から見るのが良し。

鷲羽岳(14:00)

さあ、本当に鷲羽岳(2924m)登頂しましたー。!

個人的に、若干の縁を感じる山の名前ではありますが、景色は最高!もちろん日本百名山です。リポD持ってこようと企んでましたが忘れました。

鷲羽岳の裏には鷲羽池という池がありまして、その真裏に硫黄尾根と槍ヶ岳がありまして、それはそれはフォトジェニックな景色となっています。この池ってここからしか見えないんです。槍ヶ岳からも三俣蓮華岳からも見えず、鷲羽岳に立って初めて見ることができます。

・・・実は私、槍ヶ岳って大して好きな山じゃなかったんですよね。表銀座(常念山脈)から見る槍ヶ岳って、正直「そんなかっこいいか?」と思ってました。でも、あれです。槍ヶ岳の真のかっこよさは裏銀座方面から眺める姿だったんです。

裏銀座から眺めると、ブレることなく鋭利な三角錐を保つ姿は、やはり北アルプスのアイドルに相応しいかっこよさだと再認識しました。

鷲羽岳~三俣山荘

鷲羽岳から米粒大の三俣山荘が見えます。この下りが果てしない急坂ですので、ここまで酷使した足にダメージ大。ザレて滑りやすい道ですので、こけないように気を付けましょう。ぶっちゃけ、私は一回滑りました\(^o^)/

三俣山荘(16:50)

三俣山荘に到着。いやはや、足にこたえます。早速テント場の受付をします。山荘泊でしょうか、山ガールが1人いた気がしたんですよね。こんなところまで1人で来るとは、すごいですね。話しておけばよかったと後悔しているのは秘密ですよ

河童の置物に「黒部の山賊」が置いてあってテンション上がっちゃいます。何と言っても、著者の伊藤正一さんは、ここ三俣山荘のオーナーだった方。今は歩かれていませんが、湯俣へ通じる伊藤新道を拓いた方でもあります。

三俣山荘と言えば、黒部源流の稜線に位置する、北アルプスの中で最深部、まさに秘境と呼べるような山小屋。北アルプス開拓の歴史を担ってきた、代表的な山小屋です。こんな所に来れたというだけでも感動ものなのです。

伊藤新道

伊藤新道は山と高原地図を見ると「改修整備予定あり」となっているので、今後の動向に注目したいですね。

【参考】黒部源流:伊藤新道

三俣山荘のテント場

三俣山荘のテント場は非常に広く。ここが埋まることはまずないでしょう。黒部源流だけあって水は豊富、美味しい天然水飲み放題です。少し上がれば鷲羽岳の素晴らしい展望を望むこともできます。

残念ながら夕日は見送り

三俣蓮華岳から鷲羽岳の夕焼けを狙ったんですが、まあガスガスでした。昨日に続き、ガスの中で日没を迎え、敗戦。でもいいんです。その待ってる時間が一番楽しかったりするんですよね

今日はかなり歩きました。美しいご来光も撮れたことだし、そしたら、ねえ。なんかテントの中にビールと柿の種がありました。無意識の行動って怖いですね(山荘で売ってます)。

それにしても、山行を終えての締めのビールが美味しすぎて、本当にビールって罪な子です。

コースタイム

  • 3:00 烏帽子小屋
  • 4:30 三ツ岳
  • 7:15 野口五郎小屋
  • 7:45 野口五郎岳
  • 10:00 水晶小屋
  • 11:00 水晶岳
  • 14:00 鷲羽岳
  • 16:50 三俣山荘(テント)

今日のまとめ

黒部の山賊の舞台に来れたとういうのは、やはり嬉しいものです。三ツ岳からのご来光も文句なしでした。

あと、ビールがおいし過ぎました。

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