日本一周でスポンサーを付けるためのアプローチ、企業とコラボするメリット・デメリットなど

自転車日本一周ゴールから満4年が経過しました。早いような気もしますし、意外と4年しか経っていないのかという感覚もあります。

そんな私の日本一周ですが、ブログでもご紹介していた通り企業2社に後援いただきました。アウトドア系の装備を株式会社エバニューさんに、自転車装備関係を株式会社ラウダからそれぞれ物資をご提供いただくことができ、旅でどれだけお世話になったかわかりません。

私に限らず、日本一周に際してスポンサーを付けたいと考える人が多いと思います。

今日はそんな企業スポンサーに関する私の考えやアプローチ方法、メリット・デメリットなどをご紹介していきます。

目次

日本一周とスポンサーシップ

大前提になりますが、日本一周の旅に必ずしもスポンサーを検討する必要はありません。

社会人の場合は退職して旅をするという人も多いですし、そんな人がわざわざ企業と接点を持ちながら旅をする必要はありません。実際、日本一周する人の中でスポンサーを付ける(付けられる)人の割合はごく一部です。

一方、企業と関わり合いながら旅をすることのメリットは大きいと感じるのも事実。

これもブログでご報告済みのことですが、私は日本一周でスポンサーだった株式会社ラウダで現在働いているくらいです。

そこまでいかなくとも、スポンサー活動や企業との接点がその後の人生に大きく影響する場合もあると思います。

私が企業にアプローチした理由

私が企業と接点を持ちたい、スポンサーを付けたいと思った理由は、企業と関わっておくことで「日本一周後の社会復帰を少しでも有利に進める」ためです。

日本一周を決意した準備段階から日本一周が終わった後のことを意識していました。

それはなぜか?私が日本一周を決意したのは28歳。本来であればバリバリ仕事をしている年齢で日本一周の旅に出るわけです。旅が終わった後のことは常に頭にありました。

やや悲観的な見方をすれば、日本一周したところで偉いわけでも社会に役立っているわけでもありません。その上で、日本一周後に社会復帰をスムーズに行うためには、日本一周が『有意義な時間』であったことを示す客観的な事実があった方が良いと思ったわけです。

企業とのコラボレーションはこの意味合いを多く含んでいました。

そんな話をすると「打算的だ」と言われてしまいそうですが、もちろんそれだけではありません。どうせ日本一周するのであれば企業を巻き込んで少しでも面白くしたい、そんな考えも多分にありました。

実は日本一周のブログを書いているのも同じ理由です。

自分一人で完結するのではなく、どうせなら読者の方を巻き込みたい、楽しんでもらいたい。そんな想いが日本一周で最も大変だったこと堂々No1である「ブログ執筆」の原動力になっていました。

企業へのアプローチ方法

理由はさておき企業とコラボしたい、企業にスポンサーになってもらいたい、そう思ったとしましょう。

ではどのように企業へアプローチしたらいいでしょうか?

私の場合ですが、自身の略歴・旅の概要・目的・方法・意義・計画・スポンサード製品のPR方法などをPDF資料として企業へメールで送付しました。最も簡単な方法がメールを送る、次点で提案書を添付してメールを送る・・・というのはビジネスの世界でも同じかもしれません。

結果として3社から色良い返事がありました。上述のエバニューさん・ラウダ・もう一社は国産アウトドアメーカー(当時はまだ存在感が薄く、ぶっちゃけどうなんだろう?と思っていました。今ではベースレイヤーの分野を筆頭に存在感があります。エバニューさんとF社は競合になってしまうため、どちらか一方を選ぶ必要があり、先にお声がけしていたエバニューさんに応援をお願いすることに決まりました)です。

企業の反応

この段階でどの企業からも反応がないというのは『大いにあり得る』ことであり、むしろ基本的には返事がないと身構えていてください。スポンサーを依頼するあなたがすでにインフルエンサーとして活躍している場合を除き、企業の反応は基本的に厳しいものです。

おそらく8割の企業からは返信がないでしょう。

1割の企業は返事をくれますがお断りされます(就活のように)。

運が良ければ1割の会社は協力してくれるかもしれません。

私は25社程度に声をかけたと思います。ほとんどは登山やアウトドアメーカーでした。返事をくれたのは8社程度で、上述の通りそのうち3社は製品提供をはじめとした支援を申し出てくれました。

さて、残念ながらメールが返ってこなかった場合。そこからの対応が大切です。もし本気でスポンサーになって欲しいと思うのであれば、メールを送った数日後に『電話』しましょう。それでも断られることが大半だと思いますが、メールを送るだけよりは格段に効果的です。

企業からメールが返ってこない理由は(1)適切な担当者までメールが回覧されなかった(2)興味はあるが後回しにして水に流れた(3)メールだけでは興味が持てない(4)スポンサーシップに協力できない・・・などが考えられます。

そこに電話があれば「へー、やる気あるじゃん!会ってみようか」と何かしらポジティブな化学反応が起こる可能性はあります。なぜそう思うのか?企業側の人間として、最重要視するのはリターン(企業への利益)ですが、その次に「やる気」も大切だからです。

もし検討するという返答があった場合には、会ってもらえないか打診して自分を売り込んでいきましょう。

企業にYesと言ってもらうための社会性

手間暇かけて企業にスポンサーシップの依頼をするからには、ぜひどこかの企業とコラボしたいですよね。

企業に「支援しましょう!」と言ってもらうための勝ち筋は社会性だと思っています。

旅に社会的な意義や付加価値を持たせることです。ただ単に『日本一周楽しみます!』だけだと『はい、頑張ってくださいね!応援しますよ!(支援はできません)』となってしまう可能性が高いでしょう。

企業が応援するにはやはり理由が必要です。製品をPRするだけの十分な情報発信力があれば別ですが、そうでなければ、その企業が関与するに値する理由を旅の中で実践すると良いと思います。日本に存在するどんな些細な問題でも構いませんので、それらに関するテーマに旅の内容が少しでも触れていると社会性が格段に増します。

そこまでするかはその人次第ではありますが、企業に振り向いてもらうには効果的な方法だと思います。

情報発信するプラットフォーム

これは大前提になりますが、企業とコラボする場合は企業のことを世の中に向けてPRする必要がありますよね。そのための情報発信の場所は絶対に必要です。

YoutubeでもブログでもSNSでもいいのですが、この時企業が気にするのは「視聴者はいるのか」「情報発信力はあるのか」ということ。Youtubeであれば登録者数は?視聴回数は?ブログであればPVは?記事数は?などを気にします。SNSであればフォロワーの数です。

企業へアプローチする場合にどこかのプラットフォームで成功していれば、企業とコラボできる可能性はグッと高くなります。裏返せば、何も情報発信する場が整っていない場合、企業に応援してもらうのは難しいでしょう。企業は慈善事業であなたを応援するわけではなく(日本一周であればそれに近しい気持ちはあると思いますが)、お互いwin-winである必要があるからです。

Twitterで貴社の製品について呟きます。フォロワーは1500人です。

企業側からするとこれで応援してほしいと言われても厳しい。担当者レベルで応援したくても決裁がおりない可能性大です。

今はTwitterしかやっておらずフォロワーもあまりいませんが、Youtubeチャンネルを立ち上げ、日本一周中に登録者数10,000人を目指します。Youtube経由で御社の製品が1つでも売れるよう最大限PRします。

ブログを立ち上げたばかりで今はUUが月に1000人ですが、日本一周中にUU10000人を目指します。月に1回は御社の製品に焦点をあてたPR記事を書きます。

これくらい前のめりな姿勢は必要かと感じます。

製品を提供します。その代わりどうやって製品や企業をPRしてくれますか?」この問いが企業スポンサーシップの大前提であることをお忘れなく。

そう言った意味では、日本一周をするにしてもしないにしても、Youtube・ブログ・SNSをやっておくに越したことはない時代ですよね。

いざ日本一周をしたいと思ったとしても、そのタイミングである程度は情報発信力を身につけておかないと、やはり企業に振り向いてもらうことは難しいと感じるからです。

大企業・中小企業へのアプローチ

スポンサーになって欲しい企業が大企業である場合、あなたがPRせずとも既に皆が知っている会社やブランドである場合、スポンサーとして旅を応援してくれるハードルはとても高くなります。

登山関係でいえば・・・マムート、アークテリクス、ノースフェイス、ミレー、パタゴニア・・・こう言った有名ブランドとコラボするのは極めて難しいでしょう。それはそうです、見ず知らずの影響力もない旅人に製品を提供するメリットがありませんから。

スポンサーを付けたいという目的からいえば、中小企業の方がコラボできる可能性はずっと高いと思うので、ぜひ積極的に連絡することをお勧めします。

これは賛否ありそうですが、キャンプ用品などを扱う中華メーカーも最近は多いですよね。そう言ったニッチな分野を狙うのも手かもしれません。

企業は現時点での情報拡散力に期待しますが、将来性も加味します。日本一周という旅を通じて「あなたが有名になる」可能性もなくはないのです。青田買いの感覚で投資してくれる可能性はあります。

スポンサー企業とコラボするメリット・デメリット

繰り返しになりますが、スポンサー企業に応援してもらうことで旅に箔が付くと思います。個人で好き勝手やっていると思われがちな日本一周の旅ですが、企業との接点があるだけで世間の見方も変わるものです。

それだけでなく、企業と接点を持つことで旅に責任が発生し、良くも悪くも旅に緊張感が生まれます。冒頭で触れたように、会社を辞めてまでそんな束縛は御免だという方はスポンサーをつけるべきではないでしょうし、その辺りの考え方は人それぞれです。

スポンサー企業が付くということはイコール、旅の中でPRの方法を考える必要があり、純粋に旅を楽しみたいと考える人には余計な負担が増えることになります。一方、PRの経験は就活で話のネタになるかもしれません。

さらに、企業からの物資は金銭的にもありがたいものです。特に登山用品などは高価なので購入すると予算を圧迫しますが、これを無償提供してもらえるのであれば他のことに予算を回せます。

私のようにスポンサー企業にそのまま就職する例は非常に稀だと思いますが、スポンサー企業との接点から次の就職先へアドバンテージが生まれることだってあるでしょう。

むしろ、旅が終わった後に特定の業種に再就職を考えているのであれば、その業種にスポンサーシップの依頼を積極的に行いましょう。旅やアウトドアに関係なさそうな企業でも、旅の中で紹介できる製品がないか、PRできることがないか相談してみるべきです。

まとめ

企業とのコネクションを作るも良し、孤高の道を目指すも良し。すべての可能性と責任はあなた自身の考えや行動により形成されていきます。

その意味において、まずは難しく考えず色々と行動してみることをお勧めしたいと思います。

最後に、もし私が日本一周のスポンサーシップの依頼を受けたとしたら、以下のことをチェックします。ぜひ参考にしてみてください。

  1. 情報発信する場所は整備されているか。
  2. 視聴者・フォロワーはどの程度いるか。
  3. 過去にどのような情報発信をしているか。
  4. 製品提供をした場合、適切にPRできる能力はあるか。
  5. 弊社製品との相性はどうか。
  6. 将来性のある人物か。
  7. 炎上案件を起こすような人物ではないか。
  8. 言葉遣いなど社会人として礼節は身についているか。
  9. (社会人であれば)前職時代の略歴。
  10. 旅を最後まで続けられそうか。

最後になりますが、もしスポンサー企業が見つからなかったとしても落ち込む必要は全くありません。あくまで付加価値的な話であり、旅の本質ではないのですから。

旅を通じて影響力がついてきた、情報発信力に自信がつけば、旅の途中でもスポンサーの依頼をしてみましょう。

日本一周の旅はやりがいのある楽しいものですが、既に仕事を引退している人を除き、旅の後も人生は続いていきます。私個人としては、日本一周の旅を通じてより豊かな人生を目指せるよう、企業スポンサーを初め、しっかりと用意しておくに越したことはないと思います。

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