槍ヶ岳登山で膝痛トラブル発生…激痛に耐えて自力下山した話(原因はインソール?)

2021年8月は本当によく雨が降りましたね!

お盆の天気も壊滅的で、フラストレーションが溜まっている方も多かったのではないでしょうか。かく言う私も前回の登山(【北アルプス】大キレット縦走登山(前編)新緑眩しい槍沢・天狗原から南岳へ!)から1ヶ月以上空いてしまいました。

久しぶりに土日と晴天が重なったタイミングでやってきたのは上高地。

8月末になると北アルプスは晩夏の装い、秋の気配が感じられるほど季節が進みます。とはいえ、まだ紅葉には早く、夏山らしい積乱雲も見られないので、撮影的にはちょっと中途半端な時期ではあります。

この時期どこに行こうか悩みましたが、夏の槍沢を登ったことがなかったので、槍沢から槍ヶ岳を目指すことに。

【撤退】槍ヶ岳 残雪期登山(槍沢ルート) 〜腐れ雪・疲労・雪崩の恐怖に負け撤退〜

【北アルプス】槍ヶ岳 残雪期登山(前編)霧雨の槍沢を越え、満点の星空へ!

槍ヶ岳(槍沢)は今年2回きていますので、積雪期の状況については上の記事もぜひご覧ください。1回目は豪雪で撤退、2回目は残雪期に登頂、そして今回の3回目。

槍沢からの槍ヶ岳といえば難易度も低く、気軽にハイキング&穂高の撮影と思っていましたが、後にとんでもないトラブルが起きて痛い目に遭うのでした・・・。

光芒美しい上高地

上高地から明神へ向かうとガスが消え、陽がさしてきました。

木々から朝の光が差し込んで光芒が美しいですね。早朝の上高地や奥上高地は人が少ないので歩いていて気持ちがいい。何度来てもいい場所です。

上高地には何度も何度も来ていますが、こんなに爆発するかのような光芒を見るのは初めてで興奮しながらシャッターを切ってました。

光芒ってどんな条件で発生するんでしょうね?九州の菊池渓谷のようにかなりの確率で見られるスポットがあることを鑑みるに、日の当たる角度や木々の条件で決まるのでしょうか?

徳沢ロッジにも光が溢れて神秘的な光景に!

徳沢ロッジはいつ見ても人がいるように感じないので「経営大丈夫なの?」と思っていたら、松本市の市営らしく、それなら安泰ですね。実は日帰り入浴も利用できるようなので、いつか使おうと思いながら、帰路では「日帰り入浴<<一刻も早く帰宅したい」と言う思いが勝ってしまいまだ寄れていません。

注ぐような光のシャワーに迎えられ、今回の登山は素敵なものになる。この時はそんなふうに思っておりました。

結果としては左膝に強烈な痛みが起きて泣く泣く下山することになろうとは、今は知るよしもないのでした。

秋の気配

それにしても北アルプスの夏は本当に短くて、長雨があけたと思えばナナカマドには赤い実がついて早くも秋の気配を感じさせます。あと1〜2週間もすれば稜線では紅葉が始まりますからね。北アルプスの夏は本当に一瞬です。

槍沢の樹林も新緑という雰囲気ではなく、落ち着いた緑色に変わっていました。あと1ヶ月もすると涸沢の紅葉が見頃を迎え、上高地など下部にも紅葉が降りてくるわけですから、北アルプスの夏は短くて儚い、そんな季節なんだと改めて実感します。

まあ、個人的には早く雪山の写真が撮りたいのでこれくらいの周期で丁度いい気もしています。夏山愛好家の方は寂しいですよね。

高山植物はほとんど見頃を過ぎていましたが、下部から上部までトリカブトが見事でした。

ロングルート槍沢

槍沢と言えば北アルプスの中でも危険箇所がほとんどないことから、初心者向けのルートとして紹介されることもあります。しかし、実際に歩いてみると分かるのですが、このルートは非常に冗漫で長く、上高地から槍ヶ岳山荘まで一気に登る場合、かなり体力を要します。

槍ヶ岳というのは北アルプスの中でも奥地にそびえている山で、どこから歩いても遠く、上高地までのアクセスが良好な現代であっても、槍ヶ岳はそう簡単には登らせてくれません。

槍沢ルートを嫌う人もかなりの数いることでしょう。

それほどに冗長なルートであり、夏であれ積雪期であれ、人によっては途中でための一つも息もつきたくなるようなルートかもしれませんね。

槍ヶ岳山荘で気付いた膝の異変

久しぶりに訪れた晴天ということもあり、金曜にも関わらず槍ヶ岳は多くの人で賑わっていました。

「槍ヶ岳では行列ができる」なんて都市伝説くらいにしか思っていませんでしたが、山頂へアタックする際に初めて「待機」を味わうことに。

ツアーで来ている方の歩みは牛歩のように遅く、そんな方達が槍ヶ岳の梯子でセルフビレイしているのを見た時は、思わず天を仰いだものです。

「もう少し経験を積んでから来てほしい」そんな小言が頭をよぎります。誰だって初めは初心者ですが、だからこそ選ぶべき山は様々な観点から慎重を期するべきではないかと思いました。

高気圧に覆われ澄み渡る北アルプスの夏空。

真夏であればいくら高気圧に覆われていようとも、午後になれば雲が湧いてくるものですが、晩夏から秋ともなれば気持ちの良い、澄み渡るような青空を望めます。

陽が傾くと西鎌尾根には滝雲が流れて幻想的な景色に。

夕日が照らす北鎌尾根も見事でした。

日の入りの撮影を終えて槍ヶ岳山荘へと戻る時、左膝の異変に気がつきました。

下り道を歩くと左膝の外側に激痛が走る。ものすごい痛みで思わず顔をしかめ、周囲から心配されるほどに。

これまでも、下山時に膝へ軽度の痛みを感じたことはありますが、今回はそういった類の痛みではなく、足を地面に着くだけで痺れるような痛みが膝を襲います。

槍ヶ岳山荘からテント場までは緩い下り道になっていますが、そこを歩くだけで激痛が走るので思わず顔を歪めるほどでした。

意気消沈しながら自力下山

翌日はガスが多めながらもご来光が望める非常に良いコンディション。

それにも関わらず、あまりの膝の痛みで再度の登頂を断念。こんなことは登山を始めてから初めてのことかもしれません。これまではどんなことがあってもシャッターチャンスを優先してきましたが、今回は検討の余地なく断念。

下山できるのかどうかで頭がいっぱいでした。

関係ないですが、夜から朝にかけて北アルプスでは15m/sほどの強風が吹いていたように思います。私のテントも夜中に少し動いてしまうほど強風でした。膝の痛みと強風で私の心は完全にノックダウン。

一晩寝れば治るかとも思いましたが、残念ながら痛みはとれず。

自力下山できるのかずっと考えていました。

何しろここは槍ヶ岳、下山は再び槍沢を下るしかありません。槍沢から上高地までのロングルートを歩き通すことができるのか?一歩足を踏み出すだけで激痛が襲う状態でそもそも歩けるのか?山荘に相談した方がいいのではないか?ヘリコプターの要請まで必要な事態ではないのか?

しかし、コロナウイルスの蔓延に伴う山岳レスキューの難しさをSNSやネットで見ていました。全く歩けない訳ではないのに、膝が痛いという理由でヘリを呼ぶべきなのか、一部の世論では登山自粛も叫ばれる昨今、これは炎上案件ではないのか、など色々なことが頭をよぎりました。

安全第一ではありますが、全く歩けないわけではないので、時間をかけて自力下山することに。

それにしても、一歩踏み出すたびに激痛が走るほどの膝痛というのは解せません。これまでこんな経験をしたことがない上に、理由が全く思い浮かばなかったからです。

背負っている荷物が普段より重いわけでもなく、歩いているのはたかだか夏の槍沢です。私にとってみればイージー登山でゆっくり写真を撮るつもりが、まさかこんな事態になってしまうとは・・・。

半年ほど続けている筋トレやランニングで膝に負荷がかかっていた?なぜ下山時だけこんなに痛いのか?登っている時は痛みを感じていませんでした。下ってみて初めて痛みがあることに気づいたんです。

原因は新しく導入したインソール?

山にいる時は疑ってもいませんでしたが、実は今回の登山でこれまでと違う点が一つだけありました。

それは、登山靴のインソールを変更したことです。

インソールとは靴の中に敷く中敷のことですね。これまでは購入時に付属しているインソールを使っていましたが、登山での歩き心地がどう変わるのか実験してみたくて、今回は新たに購入したインソールを使っています。

登山中にインソールのことを疑わなかった理由として「専門のインソールがただのペラペラの中敷より悪いわけがない」という認識があったからです。スーパーフィートといえば多くの人が使っているインソールであり、よもや悪影響を及ぼすとは考えてもいなかったからです。

しかし、下山後に気づいたことなんですが、左足に大きな水ぶくれができていました。登山をしていて水ぶくれができたのは初めてなので驚きました。新品で固いことが原因かと思いましたが、私の足に合っていないのかもしれません。

水ぶくれができたのが左足だと言うことは、インソールが合っておらず、無意識のうちに左足の歩行に違和感が生じたのではないか、それが膝痛に繋がったのではないかと疑念が生まれます。

今回の激痛はそれ程まで異常とも言える痛みだったこと、下山した翌日には寛解してケロっとしていることを鑑みるに、慢性的な炎症というより歩行中のトラブルであった可能性が高いと思っています。筋肉疲労や荷物の過剰負荷、通常とは異なる登山スタイルが原因ではないと断言できる以上、他に原因が思い浮かびません。

登山では想定外のトラブルが起こり得るものだと再認識するきっかけになったと共に、新しいインソールを試す場合は慎重に・・・と言っても、実際に荷物を背負って長時間歩かないと相性はわからないので難しいものですが、できるだけ近場の山などで試してみた方がいいかもしれませんね。

それにしても、自力下山できたからよかったものの、途中で行動不能になるリスクすらありました。

登山における、特に山頂など登山口から離れた場所でのトラブルは本当に恐ろしいですね。

私もいい歳(?)ですし、膝をサポートしながら登山したほうがいいのかなと思うようになりました。痛くなってからの対処より、初めから膝にサポーターを当ててしまうと言うのも手ですよね。

ニューハレテープのように嵩張らないタイプなら負担になりませんし、無雪期登山では膝の保護が当面の課題になりそうです。

皆さんもどうぞお気をつけください。


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