【北アルプス】大キレット縦走登山(前編)新緑眩しい槍沢・天狗原から南岳へ!

2021年の夏は明確な梅雨明け10日があり、梅雨明けと共に最高な晴天・登山日よりが続きましたね!そんなタイミングを見計らい、北アルプス一般登山道で難易度が高いとされる大切戸(大キレット)へ行ってきました!

登山概要

1)登山の始点は上高地、明神・徳沢・横尾とおなじみのコースを辿り、槍沢の途中で天狗原へと分岐します。

2)天狗原から高度を上げ、途中で横尾尾根と合流。一気に標高を上げて南岳への稜線へ。

3)南岳で連泊して穂高の撮影に集中し、翌日はいよいよ大キレットへ!

4)南岳から大キレットを慎重に通過して北穂高岳の絶頂へ。

5)北穂高岳の南稜を下り涸沢から上高地へ戻りフィニッシュ!

この登山の見どころ

なんと言っても北穂高岳の絶壁を眺めながらの大キレット通過が醍醐味。穂高山郡の中でも北穂高岳の岩群の嶮しさは目を見張ります。

遠くから眺めると「本当に登れるのか!?」・・・そう思わせる岩壁を越えてゆく面白さと難しさがこのルートの核心であり醍醐味でもあります。

一般登山道として整備されているものの、一歩足を踏み外せば奈落の底まで落ちてしまいそうな稜線。特に飛騨泣きと呼ばれる北穂高側の絶壁は圧巻。

難ルートだからこそ歩きたくなってしまう、そんな性が登山を続けていると芽生えてきますよね?そんな時に歩けば、久しく忘れていた踏破する喜びを味わうことができるルートだと思います。

大キレットを踏破するのもいいですが、キレットを従える南岳と北穂高岳は北アルプス屈指の絶景ポイント

ここより眺めがいい場所は日本中探してもそうそうありません。特に南岳から眺める穂高は絶景の極み!私的に北アルプスの中でも一番好きな場所と言っても過言ではないくらい、最高な景色を望むことができます。

夏山登山ならではの景色が楽しめるのもこの季節。7月末は北アルプスが長い冬から目覚め、ごくごく短い『夏山』になる貴重な時期。夏山の熱気、積乱雲、そしてダイナミックな夕景は今の季節ならではの醍醐味です。

後編はこちら

【北アルプス】大キレット縦走登山(後編)北穂へ伸びる憧れのルートへ挑戦!

登山記録の詳細(上高地〜南岳)

新宿から上高地を直通で繋ぐさわやか信州号に揺られて到着しました上高地!もういっそ上高地に住みたい。それくらい最近は上高地ばかり来ています(笑)

さあ、最高のお天気に恵まれた登山スタートです。

賑わう小梨平キャンプ場

夏山シーズンが本格的に開幕し、小梨平キャンプ場も賑わっていました。特に穂高が見える川沿いが人気のようですね。あ〜ここでゆっくりキャンプしてビールを飲んで沈没したい。将来やってやるぞ。とか言いながらいつも登っちゃうんだよね。

明神・徳沢・横尾

梅雨の雨に打たれ、夏の太陽に照らされて、新緑がこれでもかと輝いています。冬の姿を知っているからか、木々の生命力がこれでもかとみなぎる上高地に感動すら覚えました。四季を通じて登山をして、同じ場所に通うからこそ感じることかもしれません。

徳沢にもテントが溢れています。ここを拠点に蝶ヶ岳に登ったり、まったり寛いでいる人でしょうか。多くの登山者を見ると夏山が来たんだなーと改めて実感します。

槍沢ロッヂ

横尾を過ぎると一気に人の姿がまばらに。やはり一番人気は涸沢でしょう。横尾から涸沢方面へ向かう方、涸沢から戻ってくる方で賑わっていました。私は横尾から直進して槍沢へと向かいます。

新緑が眩しい樹林帯を歩きつつ、時折現れる沢のマイナスイオンをできるだけ吸収します。この時期の沢は最高!!

沢から流れる風を感じるだけで昇天ものです。

夏だな〜!!最高〜!!

雪が溶け、太陽の光を浴びて光り輝く沢の水。

手を入れて涼を得ようとすると水の冷たいこと。源流の槍ヶ岳はすぐ近く。山の水は真夏でも驚くほどに冷たいものです。でもそれが最高。

夏山からは生命を感じる。冬山にも動物や植物はあるのだけれど、どこか遠くに死の気配を感じるほどに厳しい世界。それに比較して夏山から感じる生命の息吹が暖かいこと。夏山を歩くだけでこんなにホッコリした気分になるなんて思わなかった。

程なくして槍沢ロッヂへ到着!

軽食は10時からということで、カップヌードルを購入して昼食に。時間はまだ9時半過ぎなので急ぐ必要もなく・・・と言いたいところですが、夕方になると一雨あるかもしれないので早着できるに越したことはありません。

昼食&休憩を済ませて10時前には出発です。お世話になりました!

ババ平キャンプ場

ババ平キャンプ場に着く頃には日差しが強くてグロッキー。高山帯は太陽が近いので紫外線対策が必須。普段は日焼け止めなんて塗らない私でもバッチリ塗っています。

それにしても、ババ平のトイレや水場がきれいになっている気がしました。前からこんなにきれいでしたっけ??

快晴の槍沢を登る

槍沢を左手に、やや高巻きにルートが付けられた夏山登山道を登っていきます。

【北アルプス】槍ヶ岳 残雪期登山(前編)霧雨の槍沢を越え、満点の星空へ!

5月の残雪期にも歩いていますので、ぜひ槍沢の積雪状態の違いを比較してみてください。

【撤退】槍ヶ岳 残雪期登山(槍沢ルート) 〜腐れ雪・疲労・雪崩の恐怖に負け撤退〜

こちらはさらに前の4月に撤退した記録。4月は残雪期というよりは厳冬期に近い積雪量。

槍沢には高山植物も豊富に咲いています。写真はシナノキンバイ。黄色の花を咲かせる高山植物は多くて覚えるのに一苦労。シナノキンバイ・ミヤマキンバイ・ミヤマキンポウゲ・ミヤマダイコンソウなど。この時期は高山植物を愛でることも楽しみの一つですね。

今年はコバケイソウの当たり年ということで至るところに咲いていました。

天狗原分岐から天狗原へ

大曲から1時間程度で天狗原分岐の標識へと至ります。槍ヶ岳を目指す人は右上方面へ、南岳を目指す人はここで左にグイッと方向転換です。

ここから何回か雪渓を横切っていきます。南岳小屋の方が赤旗を立ててくれていますが、この時期は融雪により旗が倒れたり意図しない場所に流れたりすることもあるので、あくまで参考程度に。この辺りの雪渓は8月中旬ごろまで残るようですが、チェーンスパイクがなくても歩けました。

南岳小屋が営業を開始してからは雪切りをしてくれているので、アイゼンもチェーンスパイクも原則不要となります。

もちろん心配な方はチェーンスパイクを携帯するに越したことはありません。

振り返って1枚。端正な槍ヶ岳と新緑、雪渓が作り出す自然の造詣が美しい。

雪切りされた雪渓を横断

天狗原に入る直前、傾斜の強い雪渓が残っていますが、ここは雪切りを済ませてくれています。南岳小屋のブログを読むと営業直前(7/14あたり)に雪切りしているようなので、それ以前に歩く場合はチェーンスパイクが必須です。

天狗池は雪の下・・・

どこかに天狗池という逆さ槍が美しい池があるのですが、この時期はまだまだ雪の下。

この様子だと池が現れるのは8月中旬以降かと思います。天狗池はこんな感じ↓↓

【北アルプス】表銀座 縦走登山(夏山・テント泊)朝焼けの穂高岳と天狗池に映る水鏡の槍ヶ岳

天狗原は巨大な岩石群が埋め尽くしており、岩を飛び移るように登っていきます。広いカール地形になっているので悪天候時や視界がない時は道迷いに要注意ですね。こういう場所は標高稼ぎやすいので個人的に好き。

時刻は13時過ぎ・・・昼過ぎには雲が湧いて夏らしい景色になりますが、にわか雨が心配なので早く小屋につきたいところ。

槍ヶ岳の後ろに大きな積乱雲が湧いてきて夏を演出しています。それにしても暑い・・・。

横尾尾根の急登

登山の難易度的には大したことないのですが、とにかく暑くてたまらない。。。

湧いた雲がうまく太陽を隠してくれるよう祈っていますが、太陽は煌々として輝き続けておりました。

とにかく暑い。暑すぎる。

ようやく横尾尾根との合流ポイントを確認!ここから一気に高度を上げていきます。

横尾尾根のコル

横尾尾根のコルに到着!ここから眺める北穂高岳はなんだか細くシュッとしていて新鮮でした。

眼下に広がるのは横尾本谷右俣というバリエーションルート。本谷橋から外れて登ってくるルートですが、夏山ならこっちから歩いてきたほうが楽だったりする?地図を見ると・・・結局かかる時間はどっこいどっこいかな。

横尾尾根を振り返ったところ。一番低いところが横尾尾根のコルです。横尾尾根は冬季の南岳や槍ヶ岳の登攀ルートの一つで、冬は横尾を過ぎたあたりから尾根に乗ります。かなり厳しいルートなので単独だと大変そう。下部は雪崩も頻発するところです。

冬季はこの尾根伝いに登ってくるんですね。

実は今目指している南岳は冬季登山が非常に難しい。横尾尾根、西尾根(南岳新道)あるいは槍ヶ岳からの縦走がルートになりますが、いずれも難路なので登頂は簡単ではありません。ちなみに夏山でも山頂は遠くて一筋縄ではいきませんよ(汗)

上高地から歩くと非常に長いし、南岳新道はとにかく急登です。

夏山特有の夕立に要注意

稜線まであと少しというところで夏山らしくガスが湧いてきて雨がポツリポツリ。

取り急ぎカメラのレインスリーブだけかけて進みますが、雨脚が強まったタイミングでレインウェアを着ます。

「どうせ着ることになるのだから早めに着てしまう」という精神が大事ですね。「着てすぐに雨が止んだら後悔する」ですって?もちろんそういうこともありますが、山ではイレギュラーには早期対応することが大事だといつも心がけています。

南岳&南岳小屋

ようやく稜線まで到着!雨が降っていますが、涼しくてむしろ好都合。

あとは緩やかな登りを経て南岳はすぐそこです。

南岳を越えてすぐ、南岳小屋に到着ー!

上高地を出発したのが5:30で南岳小屋に着いたのが15:30です。ロングコースなので上高地からテントを担いで一気に登ろうと思うと結構タフな工程でした。

南岳小屋はこじんまりとして居心地が良く、景色もいいので本当におすすめの山小屋です。

ただし、見ての通り辺りに水源が一切ないためテント泊でも水は有料です。この立地ではやむを得ないかもしれませんね。売られている水も天水(雨水)なので気になる方は煮沸推奨。私はごくごく飲んでますが(笑)

受付を済ませてテントを張って一段楽。山小屋では贅沢を厭わないのが楽しむポイントですね。

高級な缶ビール(600円)を購入して憩いの時間を過ごします。ちなみに、スマホはDocomoを使っていますが、テント場はイマイチ電波が悪く、展望台まで来るとしっかり入りました。

夏山の夕立にご用心

このあと大雨となりテントの中でしばしお昼寝。

夏山の夕時は雨が降るか降らないか完璧に予測することは難しく、急に雲が湧いて一気に強雨となることもあるので油断できません。

日没前のマジックアワー

南岳小屋の幕営地前には笠ヶ岳が大きくそびえていますが今は雲の中。18半ごろには雨が止んで雲間から夕日が出てきました!

高気圧に覆われている場合、例えガスっていても日没ギリギリに夕日が拝めることが多いので、夏山の夕方は最後まで希望を捨てずに粘ることが肝心。写真が撮りたい人は日没まで深酒はやめておいたほうがいいかもしれませんね。

南岳小屋が神秘的な夕日に包まれます。

偉そうなことを言ってはおりますが、さっきまで大雨だったので私もこの晴れは寝耳に水!

テントが夕日に照らされいることに気づき、ダッシュで撮影にかかります。夏山の夕日と雲が織りなすダイナミックな景色に興奮を抑えられません。夏山の夕日って写真的に大勝利か完敗(ガスって何も見えずに終了)に終わることが多いのですが、こればかりは行ってみないと分かりませんからね。

南岳小屋で連泊

おはようございます、南岳小屋2日目です!

今日は1日南岳で過ごす連泊DAY。「早く大キレット行けや」というお声が聞こえてきそうですが、そんな人はぜひ下の記事を読んでみてください。私は連泊登山が大好きで、同じ場所に留まることでシャッターチャンスを狙っているのです。

急いで歩くなんてもったいない!連泊登山をおすすめする3つの理由

今朝も雲ひとつない快晴。しっかりとした朝焼けを望むことができました。ただ、夏山といえば朝より断然夕方にシャッターチャンスがあります。夕方のダイナミックな景色に期待しつつ、南岳小屋でまったりゆったり過ごします。

今日は昨日と違い、朝の6時半にはガスが湧いてきてあたりは真っ白。今日出発してたらガスの大キレットになっていたでしょう?ほらね?(ドヤ顔)

今日は上空に寒気が入る予報だったのでそのせい?それにしてもどうしてこんな朝からガスってしまったのか・・・この辺りは風の通り道になっているので、もしかすると大キレットや南岳だけがガスっている可能性もありそうです。

昨日と同じように日中はガスが湧いたり晴れたりを繰り返し、日没前には夕日が空を茜色に染めました。

常念山脈は雷にご用心??

今回の登山で常念山脈は積乱雲が発達しやすいことがわかりました。この翌日もでしたが、雷鳴はいつも大滝山方面から聞こえていたので、常念山脈の夕方は雷への警戒が特に必要そうです。夏山であればどこにいても危ないことに変わりはないんですけどね(汗)

さあ、明日は大キレットを歩きます!!

コースタイム

上高地5:40
横尾8:15
槍沢ロッヂ9:30
大曲11:30
天狗原分岐12:00
横尾尾根のコル13:30
南岳小屋15:20

後編はこちら

【北アルプス】大キレット縦走登山(後編)北穂へ伸びる憧れのルートへ挑戦!


, ,

\ 気に入ったらシェアしてね /
こんな記事もおすすめ

Copyright © Japan Nomad 〜日本の魅力を巡る旅〜, 2015~2021 All Rights Reserved