【北アルプス】大キレット縦走登山(後編)北穂へ伸びる憧れのルートへ挑戦!

2021年7月29日 

梅雨明け10日をうまく活用して大キレットの縦走登山へ!前編は上高地から南岳まで登ったところまで、今日はいよいよ南岳から大キレットを歩いて北穂高岳を目指します。

【北アルプス】大キレット縦走登山(前編)新緑眩しい槍沢・天狗原から南岳へ!

前編をご覧になっていない方はぜひ併せてご覧ください。

登山記録の詳細(南岳〜北穂高岳)

本日も快晴!美しいご来光でしっかりと目を覚まし、大キレットを怪我なくしっかりと歩いていきたいと思います。せっかく歩くのであれば景色を眺めながら歩きたかったので、この快晴は嬉しい。

実は、昨日より今日の方が天候が安定していたので大キレットを今日に持ってきたという思惑も。

大キレットを超える方が多いのでしょうか、みなさん早くからテントの撤収をしていますね。「大キレット」「ジャンダルム 」は穂高難所の代名詞でもあります。それだけ気合も入ります。

テント場の目の前には笠ヶ岳がドンッとそびえていて景色も最高!私も身支度をして出発します。

南岳から一気に標高を下げて大キレットへ

大キレットは南岳小屋からすぐの分岐点を右手に進みます。

矢印があるのでよく見ればわかると思いますが、この日、何人かの方が間違えて槍平方面の尾根に降りようとしていました。南岳新道の方へ降りてしまわないように視界不良時はご注意を。

大キレットへ入るためにまずは南岳から一気に標高を落とします。

岩が積み重なってできたガレた道なので落石を起こさないよう、また周囲からの落石に注意しながら慎重に進みましょう。

かなり急な道ですが、しっかりと足場を確認しながら下りればそれほど問題になる場所ではありません。

要所には鎖などの補助もついていますので、とにかく焦らず歩くことが重要ですね。後ろ向きになってバックトラックで下りる箇所もあります。

こういった急峻な岩稜では「焦らない」「周りをよく見る」「楽しむ余裕を持つ」ことが何より大事です。心臓がバクバクしてしまうようであれば、もう少し登山経験を積んでからチャレンジした方がいいかと思います。

振り返って一枚、南岳の南壁が圧巻の迫力でそびえています。大キレットというと北穂高岳の絶壁が注目されがちですが、南岳の岩壁も劣らず大迫力でした。

ガクッと標高を落とすとしばらくは心地よい稜線歩きになります。この辺りは上から見下ろすと細い稜線に見えますが、実際に歩いてみるとそれほど急峻ではなく、意外とゆとりを持って歩くことができます。

実際に歩くのと、上から見下ろすのではだいぶ印象が異なるものです。

晴れていれば前も後ろも絶景なので大キレットはぜひ晴れを狙って歩きたいですね!

梅雨明け10日というのは夏山登山では本当に狙い目です。有給バンバン使って山にいきましょう。

長谷川ピーク

概ね平坦な稜線を30分ほど歩き、目の前に長谷川ピークが見えてきました。北穂高側にある小ピークです。

「滝谷は鳥も通さぬ」なんて言いますが普通に飛んでます(笑)

長谷川ピークに登頂!Hピークが目印ですが、この辺りから岐阜側は恐ろしく切れ落ちていて、高所恐怖症の方などは目眩がするような場所が連続します。兜の緒を締め直して先へと進みましょう。

北穂高側から来た人は長谷川ピークを過ぎればほとんどの難所をクリアしたも同然ですね。

長谷川ピークから30分が核心部

これまでは歩いやすい稜線でしたが、ここからは足場が不安定で斜めった箇所が多くなります。焦らず慎重にいきます。

こうして北穂高小屋を見上げると「およそ通過できない」ように見えますが、ちゃんと歩けるようになっているので最後まで頑張りましょう!

この辺りは信州側も切れ落ちてますが、飛騨側の角度が本当に恐ろしく、落ちると大怪我は免れない。

長谷川ピークを過ぎてからA沢のコルに着くまで、写真で言うとこの辺りが一番細く、大きなザックを背負っていると歩くのがやや難儀する場所があります。大きなザックを背負っていたお父さんが通過できず、補助したり歩き方を示す場面もありました。

テントを背負っていくか否かは大きなポイントになりますが、こればかりは一概には言えませんよね。自身の経験と相談しながら決めるしかありません。

難所を過ぎて振り返って一枚。こうしてみるとよく歩いてきたな〜という実感が湧きます。まだクリアしていませんが、長谷川ピークから30分程度が核心部だと思います。

左の尖っている場所が長谷川ピークです。

飛騨泣き

遠目から見ると、一体全体どのように登ればいいのか分からなかった北穂高の絶壁を登っていきます。

この辺りは北穂高の核心であり、落ちたら死亡は免れない場所。落ちそうになる難所はありませんでしたが、油断することなくしっかり三点支持を意識しながら進みます。

飛騨泣きの高度感をお楽しみください(汗)

まさに岩の要塞。

遠くから眺める穂高は時に優美で美しいものですが、間近で眺めると岩の殿堂「穂高」が圧巻の迫力で迫ってきます。そういった意味で、私としては南岳から北穂高岳へ歩くルートの方が、穂高を感じられておすすめだと思っています。

今からこの岩壁を攻略するんだと思えば、普段とは違った登山のハリを感じられること間違いなしです。

一見攻略不可能に思える岩壁も細分化すればホールドがあるもの。ペンキは豊富なのでご安心を。この辺りが飛騨泣きの核心部だと思われます。

登山道に補助があるのはありがたいですね。この辺りも底無しの絶壁になっていますので、焦らずしっかりとホールドに足をかけて歩いていきます。

お盆やシルバーウィークなどは混雑して渋滞が起きそうな場所でした。一方通行な場所も多いので、混雑が予想される日は歩くのをお勧めできません。

北穂高小屋

北穂高小屋が見えてからも結構距離がありますが、大キレットを攻略して北穂高小屋に到着!

歩きがいのある素晴らしい稜線でした!

北穂高岳(3106m)

北穂高岳に登頂です!

北穂高岳は北アルプスの中で最も展望がいい山頂の一つ。と言いいますか、一番の展望だと言っても過言ではありません。他にも展望がいい場所はたくさんありますが、前穂高岳、水晶岳、野口五郎岳なども展望が素晴らしいのでおすすめです。

食事がおいしい北穂高小屋

出発が6時で北穂についたのが9時とコースタイムより早い到着。北穂の軽食は11時からなので時間がありますね・・・。

お菓子とビールを購入して絶景テラスでまったりしようじゃありませんか。大キレットを歩いた余韻とこの景色。たまらなく贅沢であり、これこそ登山の醍醐味です。ここから奥穂や前穂に歩くことは可能ですが、夕方に滝谷の写真が撮りたいので北穂で幕営します。

小屋の方が気を利かせてくれたのか、少し早くに昼食を始めてくれました。感謝しかない。

北穂高小屋は食事がおいしいことで有名。小屋泊したことがないのであまり大きなことは言えませんが、北穂と言えば「しょうが焼き」が有名みたいですね。ランチではないのですが、注文した牛丼も絶品。3106mでいただけるご飯のクオリティじゃないですよ。

北穂高の南稜テラスでテント泊

お昼をいただいた後はテントの受付をして幕営地へ。北穂のテント場は南稜(夏山登山道)の上部に25張程度あります。小屋から歩いて10分かかるのが痛手ですが、こればかりは仕方ありません。

まだまだ残雪豊富なので小屋の方が来る夏山登山客のために雪を切ってくれています。

切った雪は北穂高沢へポイ!!

この傾斜・・・残雪期はここから上り下りしますが、相当エゲツない傾斜ですねこれは(汗)

3番が良さそうだったのでここにテントを張ろうと思います。

目の前に吊り尾根が見えて最高じゃないですか・・・北穂のテント場はハードルが高いように思われますが・・・実際なかなかの場所ですが景色もいいですし、ぜひチャレンジしてみてください。(トイレは遠いけどね・・・ボソ)

風が強い時はしんどそうですが、景色は一級品のテント場です(稜線の途中ですからね)。

夏山の夕景

四季折々の美しさがありますが、夏といえば青い空、入道雲、落雷、高山植物など見所がたくさんあります。中でもダイナミックな夕景こそ夏山の風物詩であり、山岳フォトグラファーにとってはこれほど気持ちが昂る時間もありません。

なもので、私としては夏山は夕日が映える場所がおすすめだと思います。

北穂高岳から上高地へ下山

翌日は爽やかな朝を迎えましたが、朝焼けは今一つ。ここまで素敵な風景に出会えたので文句もなく、後は無事に下山するのみです。

北穂の南稜はこんなに短かったかと思うようになりました。私の登山経験もそれなりに板についてきたでしょうか。そういう時こそ怪我や事故に注意が必要ですね。慢心だけはいけません。

南稜の下部に水場があったので水分補給。

涸沢からお馴染みのルートを歩いて上高地へ。このルートが長いので文句の一つや二つ出てしまいそうですが、何をおっしゃる馬鹿野郎と。こんな便利な時代に登山ができるだけで感謝すべきというものです。

上高地に無事下山して、登山完了です!!

今回は夏山の天狗原を歩いたり、南岳からの景色を楽しみ、大キレットを踏破して北穂からの景色も満喫しました。もっと歩きたい人はさらに奥穂へ行ったり、前穂へ行ったり、槍ヶ岳から縦走したりとルートのバリエーションは変幻自在。

ゆっくりと景色を楽しみながら、それなりの距離を歩きたいという方は、このルートと同じように南岳から北穂へ繋いでみてはいかがでしょうか。

コースタイム

南岳小屋6:00
長谷川ピーク7:20
A沢のコル7:45
北穂高岳9:00
北穂高岳(最終日)6:30
上高地12:30

大キレット登山Q&A

大キレットと言えば難所であり、憧れであり、北アルプス南部のランドマークでもあります。今回歩いた経験からアドバイスを残しておこうと思います。

Q:南岳と北穂高どっちからスタートした方がいい?

どちらからスタートしても難易度はほとんど同じでしょう。北穂の下りがとてつもなく難しいかと言えば、全くそんなことはないと思います。景色的には北穂の岩壁を仰ぎながら歩く方が楽しいと思うので、南岳スタートをおすすめします。

Q:初心者でも歩けますか?

登山を始めたばかりの人が歩く候補に入れる場所ではありませんが、少なくともザイテングラートの上り下り、北穂南稜の上り下りがストレスなく、恐怖心なく歩けるのであれば技術的には問題なく歩けます。ただ、長谷川ピークあたりの核心部で怖い思いをしないためにも、岩稜をなるべく歩いてから、高度感に耐性をつけておいが方がいいと思います。

Q:テント泊でも歩けますか?

上高地から槍ヶ岳までテントを担いで1日で余裕を持って歩ける、テントを担いで重太郎新道を歩けるくらいの実力があった方がいいと思います。

Q:必要な装備はありますか?

靴はトレッキングシューズであれば何でもいいと思います。使い慣れたシューズで行くのが一番でしょう。また、必ずグローブを持参しましょう。鋭い岩も多いので、素手だと手を切ったり、痛くてしっかりホールドできない可能性があります。それ以外は一般の登山と同じです。

薄手で、滑らずにしっかりとホールドできればOKです。滑り止めの付いている軍手でも無いよりは100倍いいと思います。

大キレット登山の参考になれば幸いです。


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