登山の目的や醍醐味は人それぞれ。
しかし一つだけハッキリと言えることがあります。
それは、山で1泊するだけで見える景色、得られる感動は何倍にも何十倍にもなるということです。
日帰り登山が中心だという方にこそぜひ知って欲しい、挑戦して欲しい「泊り登山」の魅力をお伝えします。
1. 稜線から眺める日の出
これ以上の瞬間があるでしょうか?
いや、ありませんよね。
稜線から眺める日の出ほど心にグッとくる瞬間は人生においてそうそうないのではないでしょうか?というとややオーバーに聞こえるかもしれません。しかし、自らの足で登り、苦労して届いた稜線から眺める日の出は本当に美しい。この一瞬を愉しみに山に登るという人も多いのではないでしょうか?
日の出を眺めるには山で泊まるのが一番です。夜スタートのナイトハイクという玄人な手もありますが、山に泊まり、ゆとりを持ってご来光を眺めることをおすすめしたい。
ご来光を眺めながらの珈琲って本当に最高だから。
登山道がよく整備され、稜線に山小屋がある便利な山もたくさんありますので、ある程度の経験があればすぐにでも経験できるはず。
必ずしもテントを担がなくても、山小屋を利用すればこの感動を体験することができますね。
2. ドラマチックな山の日没
日帰りではなかなか見ることができない景色の一つが山の夕景です。
ナイトハイクをしてご来光を望む人はいますが、真っ暗の下山を考えると日帰りで夕景を望むのは困難。
山の夕景は時に暴力的なほど焼けることがあります。空が焼けるという意味では、朝日より夕陽の方が驚くようなドラマが起きる確率が高いです。
朝は空気が澄んでいるため「あれ?こんなもんか・・・」というご来光になることも少なくありません(特に夏)。
しかし夕方には空気中に溜まった水蒸気やチリのおかげで劇的な夕焼けが起こる可能性が高くなります。
この時の感動は本当に言葉では表現できないほどです。日没後の山の不気味さもまた格別であり、山泊ならではの特権です。
3. 山で望む満点の星空
満点の星空を見てみたい、そんなふうに思う人は少なくありません。それならぜひ山に泊まってみてください。
ことテント泊なら時間を気にせず写真に挑戦できますね。
下界でも田舎に行けば星が綺麗に見えるものですが、山の上から眺める星も乙なものです。
山岳写真において星というのはある種欠かせない写真のネタでもありますし、山泊の醍醐味のひとつです。
4. 雲を見下ろすという至高の経験
標高の高い山に泊まることのメリットの一つが雲海です。
おすすめの季節は秋。
この季節は雲海の出現頻度が非常に高く、晴れの日に山に泊まることで雲海の観察確率は非常に高くなります。
テントでも山小屋泊でも、標高が高いところに位置している場所がおすすめ。
特に北アルプス常念山脈の燕山荘や大天荘などに9月末から10月のよく晴れる日に泊まれば、朝に雲海がみれる可能性はかなり高いです。
あるいは北アルプス穂高岳山荘や槍ヶ岳山荘のように3000mの稜線であれば夕方にも写真のような大雲海が見られるかもしれませんよ。
見てよし、撮ってよしの雲海は山ならではの醍醐味でしょう。登山をするならぜひ一度はチャレンジしたいですね。
5. 疲労を最小限にする快適な山行
・・・日帰り登山って疲れませんか?
私はテント場がない場合を除き、日帰り登山をしたことがないほどに、日帰り登山というのは勿体ないと思っています。1日の間に登って下るって、すごく疲れますしね。
もちろん価値観は人それぞれですが、激しい日帰り登山はリスクにも繋がります。時に無茶な工程を日帰りでチャレンジしている方を拝見しますが、なぜそこまでして日帰りにこだわるのか…と思うこともしばしば。
もちろん、家庭の事情など様々な理由があるのでしょう。結婚・出産・子育て・金銭面…様々な理由により日帰登山が主要スタイルということもあるかとは思いますが。
1日で登って下山するというのは山域によっては非常に体力を要します。
山に泊まることで様々な景色に出会えるだけでなく、疲労を最小限にとどめて、快適な山行にすることが可能ですよ。
6. 山に泊まることで深まる登山経験
もしも、登山レベルを初心者や上級者という分類に無理やり当てはめるのであれば、経験というのはやはり一つの指標となり得るはずです。
登山経験には山で過ごした時間、過ごし方が大いに影響します。
中でも山に泊まることで得られる経験は、それは山の天候の変化を感じるとか、山に泊まったという自信などですが、登山に対する想いや価値観を高め、自身の登山レベルをグッと高めてくれるはずです。特にテント泊登山を経験することで得られる知見は絶大なものがあります。
もし過去の自分から何かステップアップしたいとお考えであれば、山に泊まってみるといいかもしれませんね。
「山泊まずはここ」にお勧めな山TOP5
木曽駒ヶ岳
燕岳
槍ヶ岳
唐松岳
大天井岳
無難すぎるラインナップとなりますが「まずはここ!」で言うとやはりこの辺りに落ち着いちゃいますね。
しかし、王道にしていずれも最高な条件を兼ね揃えた山小屋とテント場があるため本当にお勧めです。
山で過ごす至福の時間。
ゆっくりするも良し、写真を撮って走り回るも良し、絵を描くも良し。
山小屋泊でもテント泊でも、山泊することで広がる世界は無限大。
山のスペクタクルは泊まることで真の価値を最大限発揮します。
これまで日帰り登山が中心だったと言う方は、ぜひ山泊を楽しんでみてはいかがでしょうか!
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