雪山登山でテント泊をするというのが私の登山における目標の一つでした。今回はそんな記念すべき、初の雪山テント泊登山に行って参りました!
向かった山域はと言うと「白毛門 雪山登山~日本一の絶壁「谷川岳東壁」の絶景を求めて~」に続いて、まさかの2週連続の白毛門(しらがもん)でございます。
白毛門雪山テント泊登山:神奈川~群馬(土合)移動
雪山でのテント泊という事で、マットは厚手の雪山仕様。
まずは横須賀から東京へと移動して、東京から新幹線で越後湯沢を目指します。
東京~越後湯沢は先週末も新幹線で移動しているので慣れたもの。乗り換えなしであっという間に着くので上越新幹線には感謝ですね。
・・・と、油断していたからでしょうか?
いきなり事件勃発。登山口に着く前から、「登山中止!?」という窮地へと自ら突っ込んでいく男がいました。
新幹線で寝過ごす事案発生:気づいたら私は、長岡に居た
何が起きた。
長岡。それは自転車日本一周でも訪れた懐かしい場所。しかし、今はノスタルジーに浸かっている場合ではありません。長岡に居る理由は一つ。越後湯沢を寝過ごしてしまったのです。
この人は馬鹿なのでしょうか??新幹線寝過ごすとか、サラリーマン疲れ!?
越後湯沢から長岡まで移動してしまうと、長岡から土合へ戻るには各停電車で20駅も移動するしか選択肢がありません。そして、時間にして2時間30分のロス!
いきなり日没との戦いが視野に入り。人生初の雪山テント泊登山は前途多難の幕開けとなったようです。
日本一の絶景路線!「上越線」が凄すぎた
膨大な田園地域を電車で走り抜けていると、突如、私の目の前には、意味が分からない程の絶景が飛び込んできました。
寝過ごしたからこそ見えたその景色。
新潟県民が心の底から羨ましく感じたのでした。
なんじゃこりゃ!?
地元の人がうたた寝しながら乗車する中、1人大興奮の私。目の前には、雪化粧した威風堂々たる「八海山」がそびえているじゃありませんか…!!
八海山、マジでかっこいいっす。こんな景色見て育った新潟県民はどんな感性しているのか聞いてみたい。
更に走ると(推定)「巻機山(まきはたやま)」が見えてきました!!
こっちもすごすぎる。新潟。最強か。
大幅に遅れて土合到着
2時間30分遅れで土合駅に到着!
越後湯沢方面から下ってくると、地上のホームに出るんですね。地上にホームがあるというだけで不思議な感じがします。
もう昼じゃないかお馬鹿。
土合駅を出て右に進み、駅の下を通って先へ。
MAXの建物右側を通って駐車場へ。
何台か車がとまっているので、まだ登山中の人がいそうですね。ちなみに、この時点で13時です。そろそろ皆下山してくるころでしょうか??
白毛門登山スタート(13:05)
何より驚いたのは、既に13時を回っているということではなく、この1週間で雪がめちゃくちゃ溶けたということです。先週と比べて驚くほどに雪がなくなってます。
雪山登山しにきたのに、ちょっと拍子抜け。この1週間は雪が降らなかった様子。10月~11月は全国的に積雪が多かった2017年ですが、最近は暖かいですもんね。
それでも、谷川岳にはしっかり雪が付いていて一安心。
谷川岳東壁の迫るような迫力は、雲があった方が雰囲気が出ていい。
5組み程の登山者とすれ違い、これ以上、上に人がいないことを確認。どうやら幕営する人はいないようでホッとしました。
松ノ木沢の頭(15:20)
ここまでほとんど雪もなく、松ノ木沢の頭に無事到着です!
出発が遅くなっても登山を敢行したのは、先週登ったばかりで登るのに要する時間がわかっていたこと、天気がいいことが主たる理由。無理は厳禁。でも、行けるなら行きます。
今日は松ノ木沢の頭で幕営します。先週ロケハンしたばかりなので、まあ予定通り。
でもまさか、2週連続で谷川連峰が晴れるとは思わなかったので、今週の気圧配置を見て即決。来れる時に来ないと、ここは厳冬期なかなか晴れませんからね。
幕営地に着いたら、まずは暖を取ります。晴れてはいますが、松ノ木沢の頭あたりで一気に温度が下がるので、油断禁物。
今回新たにスーパーメリノウールの厚手インナーを導入。インナーは嵩張らず、されど暖かい、登山者の強い味方。
それなりに整ってはいますが、スノーショベルで整地します。
そこへテントを敷いて一度横になってみる。それで快適なら整地は完了。次はポールを通して組み立てましょう。シングルウォールなのでポールを通して設置完了。
・・・しかし、これが結構クセがあり、まだまだ修行が必要です。この辺はもっと使い込んだらまた記事にしたいと思います。
じゃーん!!
記念すべき、雪山での初テント。これまでテント泊登山を数多くこなしてきましたが、雪山は初めて。なんだか感慨深いです。
正確に言えば、過去に「【北アルプス】焼岳 雪山登山(前編)~燃える焼岳で初のツェルト泊~」で雪山ツェルト泊はしたことがあります。順序がおかしいですね(笑)
松ノ木沢の頭はこの通り狭いので、協力して張っても3張りくらいが限界かと思います。今日は私だけなので広々とスペース使っちゃいましょう。
雪山で悩ましいペグの問題。次はクロスペグを自作して使ってみようかと検討中。普通のペグだと雪に刺さらず、抜けちゃう事があるんです。ここは皆さんそれぞれ工夫されているところで、私はまだまだ実践不足。
谷川岳東壁の夕景
太陽は谷川岳の後ろへ沈んでいきます。後から照らされた谷川岳が、物々しくも凛として、非常にかっこよかったです。
初のテント泊という事で記念撮影。異世界感がハンパない。
雲一つない青空と美しいグラデーション。こんな世界で一人過ごすことができる、贅沢極まりない瞬間なわけなのです、テント泊登山とは。
オレンジの残照とモノクロの谷川岳。
迫力ありますねー!!
西側を見ればアーベントロートでピンクに染まる至仏山。
あと、真ん丸なお月さま。日没との戦いなんか心配する必要なかったくらい月が明るい夜でした。スーパームーンだかなんだかで、とにかく月が明るかった。星が撮りたかったのにぃ・・・。
至仏山の雪もだいぶ減ったように感じます。モルゲンもアーベンも、やはり雪山の方が断然映えますね。越後三山同様、至仏山もまた、厳冬期の登山が極めて困難な山の一つ。
谷川岳の後ろには噴煙を上げる浅間山が見えます。
この、凛とした日没前の時間。最高ですー。
真の絶景は、絶景たる風格をそなえているものだと改めて感じました。
雪山テント泊の夜
さあさあ、夜の帳が下りようとしています。テント内の様子はこんな感じ。2人用テントなので広々快適。
なお、テント反対側に絆創膏のようなものが見えますが、購入初日に誤ってカッターでちょっと切っちゃって穴が開くという大惨事。その後、ゴアテックスのリペアシートで補修しました。酔っぱらいはカッターを使うべからずと、神に誓ったのでした(白目)
一応水は持ってきていますが、綺麗な雪を集めて水作りスタート!
雪を熱して水にして、さらに熱してお湯にします。雪山ならではの作業ですね!
雪はビニールに集め、マグカップなんかで順次移しながらどんどん溶かしていきましょう!単独登山だとこの辺の作業を全て一人でやるので、それなりに時間がかかります。
夜ご飯はラーメンにしましたが、この湯気問題はなんとかならないだろうか・・・皆雪山の夜って何食べてます?なんにしても湯気が発生して、結露の原因となるので、ちょっと悩んでます。
外で食べればいいんじゃないかって?それは雪山登山してない人のお考え。寒くて死にます。
新規シュラフ投入!
この登山から、新たに購入したシュラフを投入!
モンベルのダウンハガー#1です!これまで#2を使ってきましたが、この2年で通常の人の20~30年分くらい使っているため、さすがに買い換えました。
シュラフ選びで困っている方は「モンベルのシュラフは結局どれが一番良い!?~タイプ別におすすめシュラフを紹介~」をどうぞ!
まだ初冬とは言え、普通にマイナス5度くらいです。既にテント内の結露は凍って霜になってます。①登山シューズ、②水、③スマホ、④モバイルバッテリー、はシュラフの中に入れて一緒に寝ます。
①、②は凍結防止。③、④は寒いと充電できないからです。
登山靴を入れるためのビニールは雪山登山では必ず持参しましょうね!
2日目:谷川岳と迎える朝(モルゲン無し)
雲一つない素晴らしい朝です。
と、言いたいところですが、南東面だけ雲がすごくて、残念ながらご来光は厳しそう。本当は谷川岳のモルゲンロートを見に来たのですが、なかなかうまくいかないものですねー。
なんか空はピンクになってるんですけどねん。
だいぶ経ってからようやく日光が届きました!
モルゲンロートは次の機会にお預け。
また来る理由ができましたね。次は厳冬期かな??
印象的な上州武尊岳(じょうしゅうほたかだけ)。
下山開始(7:50)
後数日で白毛門も雪が無くなってしまいそう。しかし、来週は強烈な寒波が入る予想なので、一気に冬へ突入かもしれません。やはり、雪山登山愛好家としては、雪が積もってなんぼみたいなところありますもんね。
ため息がでるような急坂を通って下山します。
落ち葉は滑りやすいので、下山時は要注意。ある意味雪よりやっかいな存在なのです。
帰路:土合駅~越後湯沢~東京
土合駅まで戻って来ました!
土合駅は電車の本数が日に数本。逃すと大変なことになるので、これは本当に要注意。また、ホームまで450段の階段がありますから、余裕をもって行動するのが吉です。
帰りは土合~越後湯沢~東京都と、上越新幹線で帰ります。お金はかかりますが、これが一番楽なんですよね。無事、登山完了したので祝杯をあげて東京へ。
2週連続の白毛門登山。日帰り+ロケハン(先週末)からの雪山テント泊(今週末)という流れでした。雪山でのテントは、夏山と全然違う面が出てきますので、着実にレベルアップするのが重要かと思います。
基本的には、いきなり焼岳でツェルト泊したり白毛門でテント泊するのはレベル高めなので、天狗岳の黒百合ヒュッテなどがデビューには最適ではないでしょうか??。
サラリーマンやりながら2連続登山ということでそれなりに疲労もしましたが、気分は爽快。これから始まる厳冬期に備え、英気と経験を養った所で、今回の登山は無事に完了です!
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コメント一覧 (2件)
タフですね~。
それにしてもどれも美しい雪山風景。
やっぱり山の写真は雪があった方が美しいです。特に日没はホント美しい。
寝過ごしなんて、らしからぬハプニングですがそれも良かった。きっとこの景色に呼ばれたんだと。
ところでカメラのバッテリー、寒さにやられないためにはどうしたらいいのでしょう?
私冬にジュエリーアイスを撮影しに行って、けっこうすぐに駄目になってしまったのですが、カメラごと防寒対策してるんですか?
こんにちはー(๑´ڡ`๑)
今週末は家でゆっくりしてますよー!
雪がある景色の方が美しいという事に、誰もが異論ないと思います。
それくらいすごい景色ですよね。
カメラのバッテリーですが、北海道の冬に耐えられるものはつまり、
フルサイズの一眼レフのような極地での使用が想定されているものでないと厳しいでしょうね。
コンデジや普通のミラーレスでは太刀打ちできないと思います。
タオルでカメラ全体を包むこは効果がありますが、
三脚使用などが前提なので厳しいかと・・・。
フルサイズ一眼レフは特に対策しなくてもマイナスの世界で作動しますよ(๑´ڡ`๑)!