7月末となり、いよいよ夏本番というシーズン。
北アルプスの涸沢カールでテント泊してきました!
前穂高岳からのご来光を期待していたんですが、中部地方の天気が悪くてご来光は惨敗。それでも、雪渓残る初夏の涸沢カールは緑、白、青のコントラストが美しい、やはり絶景と呼べる場所でした。
雨の重太郎新道をナイトハイクしたり、初夏の涸沢カールでテント泊したりと、充実した山行となりました。
【1日目】新宿から直通高速バスで上高地へ!
登山の始まりは新宿南口、バスタ新宿からスタートです。
新宿の時点で生憎の空模様。
計画段階では晴れの予報もあったんですが、直前になって湿った空気の影響で長野は曇りや雨マークがずらり。
新宿から上高地へは直通高速バスが出ていますが、夏山シーズンが始まった今の時期は大混雑!
平日だから問題ないだろうと高を括っていたら普通に満席でした(汗)
そんな訳で、新宿→松本→新島々→上高地・・・と、定番の乗り換えルートを使って移動します。
大正池から始まる夏の北アルプス
上高地へ着く前に幾つか停留所があります。
その中の一つ、今日は大正池で途中下車しました。
上高地から歩いて30分程手前の所、焼岳の噴火による土石流で梓川がせき止められ、1915年に突如生じた池。
池の奥には雄大な穂高岳を望むことができます。
穂高岳の吊尾根をアップで。
雪はごく一部を沢筋に残すのみで、新緑の緑と鋭い岩稜が夏の穂高を象徴するよう。
大正池から歩いて上高地へ
大正池から上高地まで歩いて向かいます。
大正池から河童橋まで平坦な道を3.5km。
雄大な焼岳を望みながら
こちらは大正池を作った張本人である焼岳(やけだけ)です。
今も火口から噴煙を上げ、時に小規模爆発を起こすこともあるちょっと怖い山ですが、山頂からの景色は格別。
梓川の畔を気持ちよく歩く絶好のお散歩コース。
上高地に到着!
上高地に到着です!
平日にもかかわらず河童橋は多くの観光客で賑わっていました。
時刻は既に15時過ぎという事で、登山客の姿はあまり見えませんね。
何度上高地に来ても足を止め、写真を撮ってしまう梓川と穂高岳。
雲は多めですが景色は格別!!
雪山もいいけど、緑の山もやっぱりいいなぁと思った1日でした。
今日は前穂高岳方面、岳沢へ向かうため河童橋を渡り登山口を目指します。
岳沢登山口
岳沢登山口に到着!
今日は岳沢でテント泊の予定なので、かなりゆっくり目のスタートです(現在15:40)。
岳沢登山口からの道は初め樹林帯で風が無く、夏場はかなり蒸します。
既に瀕死の状態。途中にある風穴から吹く風が死ぬほど涼しくて死ぬほど気持ちよかったです。
去年の秋に来た時はあまり涼しいと感じませんでしたが、夏に来ると効果は絶大。
雲間から見え隠れする西穂高岳を見ながらどんどん登っていきます。
岳沢の登山道には番号がつけられているので、今どのくらいまで登って来たのか分かるようになっています。
登れば登る程、番号が小さくなるシステム。
ここまで来たら小屋は目前!
岳沢小屋にてテント泊
岳沢小屋に到着しましたー!
お天気があまり優れないため、小屋泊の方達は早くからワイワイ盛り上がておりました。
それもまた、山の楽しみの一つですね。
クルマユリを眺めながら私もまったりします。
小屋でテントの受付(テント泊1000円)を済ませ、さっそくテントを設営。
ちょっと空模様が怪しくなってきて、雨が降りそうだったので間に合ってよかった。
夏山では午後から雨が急に降ることも多く、山は天気が河合安井と言うやつですね。
【2日目】重太郎新道をナイトハイク
2日目は夜中にテントを撤収し、夜中の1時に前穂高岳を目指しスタート!
前穂高岳からご来光を望めないかと思い、決死のナイトハイクです。
出発の段階では星もチラついていたので、悪天の中でもご来光が見えるんじゃないかと期待して出発。天気予報的には相当厳しいですが、夜に重太郎新道を歩けるようになりたかったので進撃を決意した次第。
真っ暗な重太郎新道を粛々と登っていきます。ちなみに・・・重太郎新道は決して優しい道ではありません。むしろ、かなりの急登です。ナイトハイクに慣れているとはいえ、垂直梯子もあったりするので、注意しないとですね。
夜ならではの自然を楽しみつつ、山頂を目指します。
雷鳥広場
カモシカの立場を経て雷鳥広場までやって来ました。
重太郎新道は角度のついた厳しい道ですので、ナイトハイクには適していません。
今日は雨も降っているので最悪のコンディション。
ご来光なんて夢のまた夢の気もしますが果たして・・・。
前穂高岳
前穂高岳を登頂!
完全なる虚無ですね(笑)
朝の3時くらいまではいい感じに晴れてたんですが、そこから爆裂な勢いで雲が湧いて一気に真っ白になり、終いには雨が降る始末。トホホ。
雨の吊尾根を歩いて奥穂高岳へ
こうなると辛いなぁ。
雨の前穂高岳にいても濡れるだけなので、吊尾根を歩いて奥穂高岳を目指します。
吊尾根は岩陵でスリップが心配ですが、傾斜はそれ程なくコースを外さなければ雨でも歩けないことはありません。
穂高岳山荘
穂高岳山荘に着いた頃には雨と汗でぐっしょり。
ここは標高3000mの世界です。
身体が濡れたら真夏でも凍える寒さに。震えます。レインウェアを着ていても雨と汗のダブルパンチで身も心も砕かれ、芯まで冷えてしまいました。皆でストーブに集まってワイワイ温まります。
ザイテングラートを下りて涸沢へ
今日は午後から晴れ間が見えるという予報。
雨が止み、空が明るくなってきたタイミングを計って出発。
ザイテングラードを下り涸沢を目指します。
雲が切れて前穂高岳が見えてきました!
雨で真っ白の景色から、山肌が見えて来た時の嬉しさと言ったらありませんね。
ガスってしまった山と言うのも、それはそれで乙なものなのです(強がり)。
ザイテングラートから見下ろす涸沢カールはまさに絶景。
ちないにザイテングラートとは奥穂高岳と涸沢を結ぶ登山道のこと。
涸沢のど真ん中にある小さな尾根道を歩きます、景色が最高なので下りで使うと歩き甲斐があります。
シナノキンバイ(黄)とハクサンイチゲ(白)。
屏風ノ頭と奥には常念岳が見え隠れ。
ザイテングラートの難易度は高くもなく低くもなく。
全体的に岩がゴロゴロしていますが、注意して歩けば問題なく歩けるはずです。
一か所だけ、鎖に掴まって歩く場所があったのでここだけ要注意。
落石が怖いこの季節、涸沢カールは要注意です。
雪渓残る初夏の涸沢カール
雪渓残る、涸沢に到着しましたー!
涸沢に来ると否が応でもテンション上がっちゃいますよね。
雪渓を走る風が雪煙をあげてます。もう8月だというのに、雪の上を歩くと言うのは何とも不思議な感覚です。
どこも夏道になっているのでアイゼンは不要ですが、それでも心配な方はスノースパイクを持って行くと良いと思います。
天気が崩れないうちに、定番の構図で写真を撮りに来ました。
涸沢と言えば代名詞の紅葉はもちろん最高なんですが、緑と白の涸沢カールも良い。
何度来ても感動できる、北アルプスは最高だなと思っちゃう瞬間です。
時間はたっぷりあるので、空模様を見つつ何度か写真撮りに来ました。
午前中はどうなる事かと思いましたが、この景色を見られたので全てが報われた気がします。
NDフィルターで長時間露光して遊んでみたり。
涸沢でテントを張るとゆっくりとここの景色を味わうことができるので本当におすすめ。
カールの中をぷらぷら歩いて撮影スポットを偵察。
ナナカマドって白い花が咲くんですね!知らなかった。
まだガッツリ雪渓残ってますが、これはどれくらいで溶けるのだろうか?
お花畑の時期にもぜひ訪れたい。
星空と涸沢のテント泊
天気もイマイチだし平日ということで、涸沢のテントはそこまで多くありませんでした。吊尾根が見える場所にテント張ってゆっくりと過ごします。
夜は星が見えていたので吊尾根と合わせて撮影。
吊尾根の間に天の川を入れたかったんですが、時期が微妙に違ったか…!!
山の上で光っているのは北穂高岳小屋の灯りです。
吊尾根の真ん中にドーンと来てほしかったんですが、天の川が昇る前に雲がががー!!!
それでも今朝は雨の中で前穂高岳にいたことを考えれば最高の夜だったと思います。
【3日目】モルゲンロートは撃沈!
涸沢と言えばモルゲンロートが有名です。
カールを赤く照らし出す朝焼けの景色が有名ですが・・・東面は雲があるものの、何となく期待できるんじゃないかとドキドキしていました。
・・・来るか!?・・・
・・・これだけっすか!?っていう感じで終わってしまいました(笑)
山あるあるです。
いつかは美しいモルゲンロートを夢みて、楽しみはとっておきましょう。
下山開始
はじめの登山計画では、北穂高岳に登り返し、大キレットを越えて南岳まで行こうと思っていました。
この天気じゃ延期ですね。
涸沢はヤマテンの予報を貼りだしてくれていますが、今日も明日も曇り/雨の予報。
涸沢から横尾経由で上高地へと戻ります。
雪解け水で水量はどこも豊富。
涸沢→横尾→徳沢→明神といつものルートを歩きます。
上高地に無事下山
上高地まで戻って来ました!
登山の計画を短縮して下山したのって初めての経験です。天気に応じて柔軟に対応したので、それはそれで良い経験かなと思います。
後日談ですが、翌日は曇りで真っ白な世界。早めに下山したのはナイス判断だったようです。
上高地から直通バスで新宿へ
上高地から新宿行きのバスが奇跡的に空いていたので席をゲット。
乗り換えなく新宿まで戻れるので楽々です。
松本経由と比べて1000円程高くなりますが、行きは松本経由で来たから良しとしましょう。
まとめ
前穂高岳でのご来光や涸沢での絶景モルゲンロートは拝めませんでしたが、初夏の涸沢カールでテント泊ができたのは最高の経験でした。
山は来る時期が違えば、天気が違えば何度来たって楽しめる、改めてそう思える山行となりました。
前穂高岳からのご来光は「【北アルプス】前穂高岳 冬山登山 ~初冬の穂高岳で絶景に出会う1泊2日のテント泊登山~」にてリベンジを果たしていますので併せてご覧さい。
お気軽にコメントください
コメント一覧 (2件)
今回の山行、お疲れ様でした。やはり最近本州もとい中部地方は天気が悪いのですね、私の地元も土砂降りだったと後から知りました。
しかしザイテングラートという言葉自体初めて知りました、ロシアの都市の名前みたいな響きです。まるでファンタジーの世界みたいです。
次の山行も期待していますね。
ありがとうございます(๑´ڡ`๑)
ですねぇ、中部、とりわけ山間部はあまり天気がよろしくありません。
台風が居なくなってからどうなるか、注目です。
西日本は天気いいようなので、フミオさんはようやく晴れが・・・と言う感じでしょうか?
旅もかなり進まれていますが、最後まで楽しんでくださいね!
ザイテングラートってどういう意味なんでしょうね?笑