エネルギー消費の激しい登山では出発前や行動中のカロリーコントロールと水分補給がとても大切です。
当たり前のように携帯すべき登山の行動食と水分ですが、私は十分な量を持って行かずに痛い目をみた経験がございます(しかも割と最近)。
今回は、そんな危ない登山経験を赤裸々にご報告しつつ、登山の行動食や水分の重要性について改めて確認してみたいと思います!
【実体験】シャリバテで倒れそうになった話
「倒れそう」なんて大袈裟だと思われてしまうかもしれませんが、結構マジに危ないことが過去にありました。本当に恥ずかしいエピソードなので反面教師と思って読んでくださいね。「山を舐めるな」と怒られてしまいそうですが、簡単にまとめる以下のような状況でした。
- 約1年ぶりの登山にして雪山をチョイス。
- 体力はかなり低下している。
- GWの霞沢岳は積雪多く途中から吹雪く厳しい条件。
- 前日の夜は移動の電車で駅弁を食べただけのカロリー不足。
- 当日の朝もコンビニのおにぎり3つ、昼は殆ど食べず明らかなカロリー不足。
- 荷物を軽くしようと行動食はほぼ持参せず(飴だけ)。
- 雪を融かせばいいと思い予備の水もほとんど持参せず(1Lのみ)。
- 脱水とシャリバテで倒れそうになる。
- 幕営地に戻り仮眠をとり自力下山できた。
問題の山行はゴールデンウィークの霞沢岳登山でした。ちなみにこの時は登頂できておりません。登頂していない理由の実のところは、シャリバテと軽度の脱水でした。
ゴールデンウィークの北アルプスはまだまだ雪が降る可能性があり、この時も初日は昼過ぎから降雪、夕方には吹雪というコンディション。加えて、2019年の春先は北アルプスで降雪が多く、霞沢岳は例年より遥かに積雪が多かったんです。
徳本峠を通る夏山コースから登りましたが積雪期は雪が深く、ましてや1年ぶりの登山で体力がない中、単独ラッセルで登っていたので初日から体力はバテバテ。2日目はご来光に間に合うか間に合わないかという状況で、急斜面の深雪をでラッセルして登ったので、K1ピークに着くころには倒れるかと思うくらい疲れました。結局ご来光間に合わなかったしね(アホ)。
雪が深いとか久しぶりの登山で体力がないとかならままある状況ですが、この時にいけなかったのは十分な行動食や十分な水を持って行かなかったことです。
なぜ十分な行動食と水を持って行かなかったのか?
1年ぶりの登山で体力が落ちており、積雪時の霞沢岳と言うことでキツイ登山であろうことは登る前から予測できていました。そんな時は「十分な食料と水分を持って行く」のが当たり前なのですが、この時は事もあろうことか極限まで荷物を減らして軽荷で登ろうと考えたわけです!愚か!
遭難予備軍の考え方ですね、この記事を読んだ皆さんはくれぐれも真似をしないで下さいね。私も大いに反省をしております。これでもそれなりに登山経験を積んできましたが、だからこその過信があったわけでございます。大変お恥ずかしい。
「経験者ほど遭難する」なんて登山ではたまに聞くキャッチフレーズですが、こんな過信が身を亡ぼすんだなと痛感した登山でした。
シャリバテと脱水でマジにぶっ倒れそうに
霞沢岳K1ピークから幕営地に戻ろとしたとき、一気に疲れがきました。一歩も動けねぇ・・・という気持ちでいっぱいでした。単純な疲れとは違います。疲労と眩暈(めまい)と吐き気が一気に襲ってきたような感覚でした。
2日目は幸い天気は良く視界良好でしたので、痩せ尾根を歩きながら幕営地までフラフラになりながら戻ったのをよく覚えています。途中何度も立ち止まって休憩を挟んだくらいで、マジで倒れるかと思いました。
この時はシャリバテもありますが、水分も圧倒的に足りていませんでした。
なぜ水分不足かと言えば、前日の夜は酷い吹雪と酷寒と疲労感で水を大量に作る元気が残っていなかったんです。夜ご飯と朝ご飯は食べましたが、夜中に出発したこともあり、十分な飲み水を作っていなかったんです。山小屋のない雪山では雪を溶かして水を作るしかありませんから、その体力がなくて脱水になるなんて目も当てられませんね。
あまりに具合が悪すぎて本当にレスキューを呼ぼうかと一瞬迷ったほどです。自力で下山できたのでよかったのですが、今思い返しても本当に危ないなぁと思うばかりです。シャリバテと脱水どちらの症状が強かったのかは分かりませんが、エネルギーも水分も枯渇していたのは間違いありません。
明神館の自動販売機でポカリスウェットを飲んだときは生き返りましたね!通常であればコーラなどの炭酸水を飲むところですが、この時はエネルギー補給のためにポカリ一択だったほどです(苦笑)
失敗経験から学んだ「行動食と水の重要性」
過去の失敗やヒヤリハットから学ばなかったらアホですよね!今回ばかりは登山における行動食と水の重要性を改めて痛感したところです。今後同じ過ち(過信)を繰り返さないためにも登山前・登山中における注意事項をまとめておこうと思います。
- 登山前日にご飯を意識して多めに食べる。
- 特に意識して炭水化物を多めに食べる。
- 行動食は最低2種類携帯する。
- 雪山でも予備の水分を500mLは常時携帯する。
- 久しぶりの登山では謙虚な登山計画を立てること。
登山前日の夜や当日の朝は可能な限り炭水化物を体に詰め込んでいきたいですね!カーボローディングというかっこいい言葉もありますが、シャリバテしないためにも登山前の炭水化物はとても大切です。
登山におすすめの行動食って何だろう?
私がこれまで行動食に使ったことがあるのは飴玉、ミックスナッツ+ドライフルーツ、ソイジョイ、ウィダーインゼリーくらいなものですが、それで困ったことはありません。行動食は種類に関わらず、ある程度の量を携帯しているだけで大体の場合では十分かなとは思っています。
強いて言えば、複数日にまたがるテント泊登山ではタンパク質・アミノ酸(肉や魚)が不足しがちなので、アミノ酸やプロテインを含むエナジーバーやアミノ酸サプリなどもあると理想的でしょうね。数日の登山であればそこまで気にしなくても大丈夫なのも事実ですが。
これからは行動食を2種類は持って行こうと思っていますが、すぐに血糖を上げてくれる飴やドライフルーツ(単糖類など)、中長期でカロリー維持に役立つおにぎり(多糖類)やナッツ類(脂肪酸)の2種類を携帯するのが良いかなと思っています。
飴やドライフルーツのように食べるとすぐエネルギーに変換されるものと、分解されるのに時間がかかる高カロリーの2種類を組み合わせるのが生化学的にも理想なのかと思います。ナッツ類はビタミンなどの栄養も豊富ですしね。ちなみにナッツ類は単独だと口が乾いてしまうため、ドライフルーツをミックスすると食べやすくなりますよ。
行動食と水は遭難時にも役立つので必ず持って行こう
慣れや過信は本当に怖いものです。十分な行動食を持たずして雪山に入山してしまうとは!
この前、遭難に関する記事を書きましたが、万が一遭難してしまった場合にも行動食と水は強い味方となります。
十分な行動食と水分を持つというのは登山をする上で当たり前ですが、もし私の様に「荷物を軽くするために削ろう」と魔が差した時にでも、その大切さを思い出してもらえたら幸いです。私も二度とシャリバテや脱水など経験することなく、これからも山岳風景を求めていきたいと思います(๑╹ڡ╹๑)p♪
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