【北アルプス】紅葉&黄葉が美しい「屏風ノ耳と涸沢カール」テント泊登山

やって来ました上高地!今年の登山はほとんどが上高地を起点にしているので、さすがに気すぎではないかと思う今日この頃。

今回は北アルプス登山の中で最も人気の高いスポット・時期のひとつ紅葉の涸沢を愛でるためやって参りました。

紅葉ピーク時の土日とあって上高地も凄い人出です(汗)

目次

三度目の正直「涸沢の紅葉登山」

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涸沢の紅葉といえば、実は今回で3回目の訪問。

しかし、初めてはピークより早く、2回目はピークが過ぎてしまっていたりと、なかなかピーク時に訪問するのは難しいもの。今年はと言えば、色付きのピークに訪問できたのですが、色付きそのものがやや微妙ということで、色づきも時期もピークに訪れるのには意外と『運』が必要だったりします。

土曜の混雑は徳沢でやり過ごす

今回の登山は紅葉ピーク時の土日、それも今日は土曜日です。見ての通り徳沢もテントが多いですが、おそらく涸沢はテント村が出来上がり、トイレの渋滞やら売店の渋滞やらが酷いことになっているでしょう。

今日は徳沢でやり過ごし、ナイトハイクをして涸沢方面へと向かうことにします。

新村橋を経由して屏風ノ耳へ

明日は徳沢から新村橋を渡って屏風ノ耳方面へと向かいます。

涸沢でご来光を迎えてモルゲンロートを期待するのも良いのですが、人混みがひどいでしょうし、何より屏風ノ耳からの写真を撮りたいので。

パノラマコースと呼ばれるこのルート(徳沢⇆涸沢)は涸沢からの下山で使われることが多いですね。歩き飽きた横尾経由のルートを避けるという意味では優秀なルートですが、道が細いためあまり初心者向けのルートではありません。

屏風ノ耳の紅葉と穂高の眺め

2日目です。

徳沢から屏風の耳までは3時間半程度でしょうか。山と高原地図の表記はやや緩く設定されているように思いました。健脚なら3時間あれば到着可能だと思います。

さて、屏風の耳から眺める涸沢方面を眺めてみると・・・これは壮観ですね(笑)

幕営地のキャパが広いことと、初心者でも到達できることから紅葉ピーク時の土日はこれくらい混雑します。当然、涸沢ヒュッテも涸沢小屋も満員御礼でしょうから、売店やトイレの混雑具合は想像に難くありません。

屏風の耳は紅葉が美しい

屏風の耳は紅葉がとても美しかったです。正直に言ってしまうと涸沢より屏風の耳の方が色づきも色彩の数も遥かに美しい。まさに色づきのピーク時に訪問することができたようで、色とりどりの紅葉・黄葉が山の斜面を覆うさまは壮観です。

屏風の耳は穂高展望の一等地

この通り、穂高の眺めも最高な場所です。前穂高北尾根から涸沢カール、奥穂、涸沢岳、北穂、そして大キレットと非常に眺めが良くて360度の大展望を楽しめます。

この日は屏風の耳にも人が居て独り占め…とはなりませんでしたが、それでも涸沢と比較すれば圧倒的に静かにご来光を迎えられること間違いなし。

かなりおすすめのスポットだと思いますよ。

屏風の耳から涸沢へ

太陽が十分上がったところで涸沢へ向かいます。

それにしても紅葉が最高に美しい!

紅葉というよりは黄葉が優勢ですが、屏風の耳の紅葉がこれほど美しいとは思っていなかったので嬉しい誤算でした。

屏風のコルから涸沢までの道はかなり細いので滑落しないように注意が必要です。

振り返ってあの尖っているピークが屏風ノ耳ですね。

波線ルートですがさらに奥には屏風ノ頭もあります。

紅葉の涸沢でまったり山時間

色づき自体はピークに来れたと思いますが、今年はナナカマドの「赤・紅」が寂しいですね。涸沢の紅葉は年による当たり外れがかなり大きく、今年はどちらかと言えばハズレ年だと言えそうです。

純粋に紅葉・黄葉の美しさのみを追求したい方は槍沢に行った方が色づき自体は綺麗かと思います。

ただ、涸沢の何が素晴らしいかといえば、やはりこの立地ですよね。穂高に抱かれた圏谷、色づく紅葉、二つの山小屋。これら全てが揃ってこその涸沢時間であり、そこで過ごす時間には他では得られない満足感があります。

凍る涸沢池

涸沢ヒュッテの左奥に知る人ぞ知る涸沢池という池があります。これは残雪が融雪してできる池ですが、昨日は上空に寒気が入っていたので池が凍結していました。これは後日談なのですが、この池が翌日には干上がって無くなったんですよ。

今年は岳沢の残雪も例年より早く溶けてなくなったといいますので、残雪が少なかったことが原因でしょう。涸沢池での水鏡写真を狙う場合、水量にも気をつけなければいけないようです。

抜けるような青空と紅葉・黄葉の対比はいつ見ても良いものです。混雑が嫌だと言いながらも、やはり紅葉の涸沢は良いものだと思います。リピート率もかなり高いでしょうね。

涸沢ヒュッテ名物「おでんとビール」

涸沢ヒュッテと涸沢小屋、それぞれに良さがありますが、私は近いという理由で涸沢ヒュッテにお世話になることが多いです。

そして涸沢ヒュッテの名物と言えば、やはり「おでんとビール」ですよね!

穂高の圏谷に抱かれながら、ついつい深酒してしまう気持ちもわからなくはありません。とは言え、飲み過ぎは迷惑なのでほどほどに。

涸沢でのテント泊

涸沢で初めてテントを張る人にとって、思っていた以上に「ゴツゴツ」していると感じることも多いはず。

完全にフラットで岩のない幕営地は非常に少なく、多かれ少なかれゴツゴツしているのが涸沢カールのテント場です。今日は日曜で下山する人が多いため、かなり良い場所にテントを張れましたが、来る時間が遅ければ遅いほど微妙な物件しか残っていません。

500円でコンパネと呼ばれる板のレンタルもありますが、相当早い時間に売り切れてしまいますので、少しでも快適にテント泊をしたい場合はなるべく早く来た方がいいですね。

具体的に何時かですって?そうですね、紅葉ピーク時はできれば10時、遅くとも11時には到着したいところです。

うっすらとモルゲンロート

日曜だと言うのにこのテントの数!いやはや、涸沢の人気は恐ろしいですね(汗)

山肌を赤く染めるモルゲンロートをうっすらと見ることができました。涸沢ヒュッテのテラスに人がみっちりと詰まっているのがここからでもよく見えます。

美しき涸沢の黄葉

朝の柔らかい光が差し込んで、黄葉がいっそう美しく見えます。特に北穂の東稜や涸沢小屋の上部は美しいですね。

どれだけ混むと分かっていても、この景色を目当てに全国から人が集まるのも納得です。小耳に挟んだ話では、奈良や福島などからも来ている人がいるとか。おそらくもっと遠くから来ている人もいるのでしょう。

山好きなら一度は訪れたい場所だと言うことですね。

今回もイーサープロ70を使いました。1回目の使用で下記のレビューを書いていますが、このザックのことが今回でより分かった気がします。軽量で背負い心地も素晴らしく、もっと使っている人が多くてもいい気がしますが、見かけることはほどんどありません。

やはり値段がネックでしょうか?

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本谷橋あたりはあと数日で見頃を迎えるでしょうか?

少しピークから遅れてしまっても、下部の色づきがグッと深まりますので、それはそれで美しい紅葉を楽しめるのも紅葉登山のいいところですね。

今日も快晴の上高地。季節は移ろい、あと1ヶ月もすれば上部は雪を頂いて雪山へと姿を変えていきます。

今年は残雪から真夏まで通った上高地ですが、春には春の、夏には夏の、そして秋には秋の趣があり、いつ来ても上高地・穂高は美しいと改めて感じるのでした。

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涸沢の紅葉登山Q&A

涸沢の紅葉を見ずに穂高を語ることなかれ、とも言われますが・・・「一度は訪れたい」と言う方も多いと思います。そんな方向けにQ&A形式で気になりそうなポイントをまとめてみました。

Q:紅葉のピークはいつ?

2021年は5日ほど例年より紅葉の色づきが早かったです。年により変動はありますが、10月1日を見頃の基準として考えておけば早い年でも遅い年でも涸沢の紅葉をバランスよく楽しめると思います。例年は9月28日から10月7日ほどまで上部の色付きは残ります。

Q:登山道で難しい場所はある?

上高地から横尾まではほぼ平坦な道で歩きやすく、横尾から本谷橋までも危ない箇所はありません。本谷橋から涸沢までは本格的な登山になりますが、足元と上部からの落石に気をつけて歩けば特段難しい場所はありません。

一方、涸沢と新村橋を繋ぐパノラマコースはかなり道が細く、傾斜も急です。普段登山をしないのに涸沢の紅葉を見るためだけに来たと言う人は利用しない方が良いです。普段から登山をしている方なら、慎重に歩けば問題ないと思います。ただし、人一人がかろうじて歩けるくらい細い場所も多いので、高所恐怖症の方は要注意。

Q:モルゲンロートはどこから見るのがいい?

涸沢ヒュッテのテラスは非常に混むため避けるべきです。涸沢池か、パノラマコースに入って5分ほど歩くと藪が開けた撮影スポットがあるのでそこでしょうか(4人くらいは快適に写真が撮れます)。特に写真にこだわらないと言うのであれば、カールの空いている場所を探せばどこでも楽しめると思います。

Q:気温はどれくらい?防寒対策は?

この時期は日中の気温が5℃〜10℃程度、朝晩は寒気が来て冷え込むと1℃から、涸沢池に氷が張るくらい冷えます。晴れていて風がなければ暑くてテントの中にはいられないくらいの日もあるため、気温の振り幅はかなり大きいです。

少なくともフリースと薄手のダウンは用意して、朝晩も快適に過ごせる防寒対策は必要ですね。

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