寝坊したー!!!
朝の1:30に起きて「後5分だけ・・・」とまどろんでいたら、いつの間にか2:30になっていました(汗)
コースタイム
- 3:30 石塚小屋
- 4:20 黒味岳分岐
- 5:10 黒味岳
- 7:20 湯泊歩道分岐
- 11:00 ミノの小屋跡(昼食)
- 11:30 烏帽子岳
- 13:30 烏帽子岳/七五岳登山口(湯泊歩道入り口)
- 16:00 湯泊(ゴール!!!)
- 16:40 湯泊温泉
- 19:40 海楽園(テント幕営)
長きに渡った縦走も今日が最後。恐ろしいことに、今日のコースタイムはかなり長い。足には疲労も溜まっていますが、下りないわけにはいきません。気合を入れて湯泊へ!
黒味岳へナイトハイク
石塚小屋から黒味岳を目指します。石塚小屋から花之江河までぬかるみまくっています。それでも、森の中から時折覗く星空が見事で、ヘッドライトを消して見惚れることもしばしば。
(寝坊してます)
黒味岳分岐
黒味岳への分岐までやって来ました。黒味岳へ行かない人はここに入り込まないよう気を付けましょう。
黒味岳への登りはロープを使う場所が多いので夜は特に要注意。
黒味岳
一心不乱に歩き続け、何とか日の出前に山頂までやって来ることができました!
宮之浦岳の主稜線は黒味岳から見ると北側にあるため、ご来光と絡めて写真を撮るのはやはり難しいか。しかし、実際来てみないと分からないことだったので、それが分かったことも大きな収穫です。
黒味岳から望むご来光
今日も雲一つない快晴。昨日今日と恵まれ過ぎた朝ですね。
屋久島の森が薄いピンクに染まっていく瞬間は鳥肌ものでした。
それからはグングン明るくなっていきます!黒味岳は屋久島の山域を見渡せる好立地にあるため、永田岳から始まる主稜線や高盤岳など、360度の大展望が広がっています。
永田岳からは海岸線や宮之浦岳が、宮之浦岳からは永田岳が、そして黒味岳からは屋久島の森全体を見渡せる、と言った感じでしょうか。
朝のマジックアワーが終わり、辺りが明るくなってきました。
誰もいない山頂にてコーヒータイム。
屋久島三山にてやりたいことは全てやり切りました!
今朝寝坊した時はどうしようかと思いましたが(笑)
湯泊歩道分岐
黒味岳から花之江河に下りて、当初の予定通り湯泊歩道(ゆどまりほどう)へと入っていきます。
さあ・・・ここからいよいよです。長い、長い戦いの始まりです。
最終日に19kmのロングコース「湯泊歩道」
19km\(^o^)/
石塚小屋から黒味岳までの歩きも含めると、今日は20kmオーバーの行程。初日もそれくらい歩いているので、全体としては50km越えの縦走となりそうです。
先ほどの看板にも書いてありましたが、湯泊歩道は未整備の登山道となります。未整備と言うのは、写真の通り倒木や草などを処理せず、山の自然そのままに歩いて行くという事です。屋久島のメジャールートは林道で整備されていることも多いですが、湯泊歩道にはそういった整備は一切されていません。
ピンクテープは結構な数が付いていますが・・・私はここで大きな冷や汗をかくことになるのでした。
森の中でやっちまった件
ピンクテープは多いんですが、小広場のような場所に出ることも多く、そのような場所は「次にどっちに進めばいいのか」よく分からないこともしばしば。
ここまで快調に歩いていましたが、この先の小広場からどこへ行ったらいいのか全くわからなくなりました。GPS的に、正しい方向を探しても道がない、30分程時間をロス(白目)
おかしいなぁと思いながらも、小広場内をウロウロ。終いには、”ちょっと奥まで行って探して見るか”と歩き出します。しかし、探せど探せど道はなし。小広場から全然大した距離を歩いたわけでもないのに、気が付くといつしか・・・自分がどこから歩いてきたのか分からなくなってしまいました。
辺りは同じような樹が生い茂っている景色。方向感覚がなくなると言いますか、今自分がどこにいるのか混乱してきます。結果的には小広場に戻ることができましたが・・・。「森の中では正しい道と確信が持てるまで動き回ってはいけない」と、身を持って学んだのでした(涙)
(どうぞ、皆さんもお気を付けくださいませ。)
ちなみに、正しい道はと言うと・・・「自分が小広場に入って来たと思い込んでいた道」が、実は次なる進行方向だったんです。小広場内で彷徨って焦っている内に混乱していたようです。
(〇〇:〇〇まで探して分からなければ、引き返して淀川登山口から撤退しようと考えていました。確実に合っていると思うピンクテープを辿っていったら、実はそっちが正解だったと気付きました。)
一気に疲れたぜ。
俺氏、本気で反省。身を持って学ぶとはこの事か。
その後は道に迷うことはなく、ワイルド道を進んでいきます。
適当なタイミングで水分補給。
岩を飲み込もうかと言う勢いの樹からは生命力の神秘を感じます。
俺氏、やっと落ち着きを取り戻しました。
ミノの小屋跡
昔はここに小屋でもあったんでしょうか?ミノの小屋跡という小広場に到着!
パンを食べてサッとお昼ご飯を済ませ、これからどうしようか悩み中。実はここまで一切展望がない道を来たので、せっかくだし一つくらいピークを踏んでおきたい。
選択肢はミノの小屋跡から登る烏帽子岳(えぼしだけ)か、少し先に分岐のある七五岳(しちごだけ)。
結果として、烏帽子岳を選びました。理由はこっちの方が時間がかからずに登れそうだったからです。道迷いで時間をロスしたこともあり、ちょっと急いで登ります。
烏帽子岳
コースタイムの半分以下の時間で烏帽子岳の山頂に到着!荷物をデポして小走りで来ました。
山頂からは特徴的なピークが見えます。あれが七五岳だけですね!
烏帽子岳の山頂には巨岩がありますが、残念ながらクライミングができない限り登れない系の岩でした。烏帽子岳の標高は1,614mで、下には海岸線が見えていますが・・・。まだまだ遥か下の方。これからあそこまで歩いて行くのかと思うと、白目剥きそうでした(笑)
烏帽子岳/七五岳登山口(湯泊歩道入り口)
どんどん標高を下げて、烏帽子岳/七五岳の登山口まで下りてきました!
いやぁ、達成感あるわぁ、やっと終わったわぁ・・・とは喜べないのがこのルートの恐ろしい所。
ここから更に9kmの林道を行く
烏帽子岳の登山口まで下りたらそれで終わりではありません。むしろ、ここからさらに9kmの林道を歩かなければ下界までは下りられないのです(白目)
1kmずつ標識が立っていて、見る度に現実を突きつけられるかのようです。
湯泊歩道は2015年に台風で大きなダメージを負っており、一部の道が荒れ果てていました。
通れない場所はなかったんですが、パッと見では通行止めと変わりませんね。
恐ろしき自然の猛威。
湯泊歩道の途中に車止めのゲートがあり、本来はここまで車で来れるんでしょうが・・・。
道が決壊しているので、現在はだいぶ下までしか車では来られません。
これを直すのは一筋縄ではいかないでしょう。何といってもここは屋久島。人でも重機も数が限られるはずで、ここまで崩壊してしまっていると、直すより新たに作った方が早いのではないかと思ったほど。
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疲れ切った足で、ただひたすらに9kmの道を下ります。
おかしなもので、ゴールが近づいてくると一気に疲労感が強くなってきました。
足の裏がぁー!!!
湯泊
烏帽子岳の登山口から林道を歩いて歩いて2時間半。
ついに、屋久島の南に位置する湯泊まで下りて来ましたぁ!!!
屋久島横断達成だぁー!!!
疲れたー!!!
けど、最高だったー!!!
うわぁー!!!(実際こんな気持ちです笑)
・・・
とてつもない達成感と充実感に包まれつつ、バスの時間があるので足早にバス停へ。
・・・次の便18時かぁー!!!(ただいま16時過ぎ)
最終便の時間は調べていましたが、「1時間に1本はあるやろ」と油断しておりました(白目)
とりあえず、食べられなくなるかもしれんポテチと、個人的に最強のエナジードリンクである不二家ネクターで癒されます。バスが来るまで暇で困っていたところ、売店のおばあちゃんに湯泊温泉に行ってきたらと勧められました。
屋久島の野湯「湯泊温泉」
湯泊には字のごとく温泉があります。売店のおばちゃんに話を聞くと、どうやら野湯(のゆ)らしい!
しかも、混浴だって?
(ゴールデンウィークだし人いるかなぁとかちょっと期待しながら向かいます)
・・・。ゴールデンウィークとは??笑実際、混浴なんてどうでもいいんじゃ!(仕切りあるし)
豪快に服を脱ぎ捨て、ウェットティッシュとかけ湯を駆使して体をきれいにし、温泉にダイブ!
めっちゃ、ぬるいー!!!笑
実はここ、湯泊温泉の湯はぬるいんですね。永遠に浸かっていられそうな程な湯加減。でもこれが癖になる。そんな温度のこともあり、割と近くにあるもう一つの野湯「平内海中温泉」の方が人気があります。この後、地元のおじいちゃんと屋久島の歴史やら観光やらについてお話を聞かせてもらいました。屋久島横断の最後は海を目の前に野湯で地元の方と交流する、いいじゃないですかぁ。
その後はバスに揺られて楠川へ。自転車を回収して近くにある民宿&キャンプ場の海楽園(かいらくえん)にテントを張って、泥の様に眠るのでした。
・・・屋久島横断/宮之浦岳縦走 完結・・・
縦走路と主なポイントをグーグルマップで作ってみました。ルート決めの参考にしていただければ幸いです。
- 日程:2017/4/27~2017/4/30
- 行程①(4/27):楠川→白谷雲水峡→縄文杉→高塚小屋(小屋泊)
- 行程②(4/28):高塚小屋→宮之浦岳→永田岳→鹿之沢小屋(テント泊)
- 行程③(4/29):鹿之沢小屋→永田岳→宮之浦岳→黒味岳→石塚小屋(テント泊)
- 行程④(4/30):石塚小屋→黒味岳→烏帽子岳→湯泊歩道→湯泊//
- メンバー:単独
- 天候:①曇り②快晴③晴れときどき霧④快晴
- 主なピーク:宮之浦岳(1,936m)、永田岳(1,886m)、黒味岳(1,831m)、烏帽子岳(1,614m)
屋久島横断/宮之浦岳縦走を振り返って
「晴れることが珍しい」と言われる屋久島の稜線では快晴に恵まれ、永田岳と黒味岳から美しいご来光を眺めることができました。緑の深い森の中、花崗岩の独特な景観、ここが360度海に囲まれた島であるということを忘れてしまうような懐の深い山の中を歩く贅沢な縦走登山。歩いた距離は45~50km程度でしょうか。天気、体力、モチベーション、全てが噛み合って達成できたと思います。念願かなって宮之浦岳縦走を実現しました!
屋久島が大好きになり、「また絶対来たい!」と思える、そんな景色に出会うことができました。
この登山ログ
- 【屋久島】宮之浦岳 縦走登山(1/4)苔むすもののけの森と縄文杉
- 【屋久島】宮之浦岳 縦走登山(2/4)九州最高峰から眺める永田岳の絶景
- 【屋久島】宮之浦岳 縦走登山(3/4)永田岳から望む、宮之浦岳のご来光
- 【屋久島】宮之浦岳 縦走登山(4/4)黒味岳のご来光と湯泊歩道
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コメント一覧 (4件)
清宮さん、気象の知識もさることながら、ひと月に35日雨が降るといわれている屋久島で、宮之浦岳を縦走で走破、それも好天に恵まれるなんて、驚き以外の何物でもありませんね。この後も「自転車日本一周」追っかけします。
ありがとうございます!
屋久島は4/27~5/1まで快晴だったので、この期間に訪れた人は本当にラッキーだったと思います。
屋久島の横断はやりがい、達成感ともにすばらしく、私の旅を実に豊かに彩ってくれました。
日本一周も残り2カ月程かと思いますが、どうぞよろしくお願いします(๑´ڡ`๑)
相変わらずのクオリティの高さですね。写真が綺麗なブログは見ていて楽しいです。連休中に出掛けられない自分にとっては物凄い目の保養になりました(^o^)
ありがとうございます!
一つの山行でブログが4つに分かれてしまうと、すこし読んでいて飽きるかなとも思うのですが、
そう仰っていただけるととても嬉しいです。
連休中はどこもすごい人混みですからね、お家でマッタリも悪くないと思いますよ(๑´ڡ`๑)