ブログの記事数が増えてくると悩ましいのがブログのジャンル分け。複数のジャンルを扱ういわゆる「雑多ブログ」では、書きたい記事に比例するようにカテゴリーが増えてきて、運営の方向性に迷います。
よく議論される「ブログは一つにまとめて運営した方がいいのか?あるいはジャンル毎にブログを分割した方がいいのか!?」について、メリット・デメリットを考えてみたいと思います。
ブログ分割を考えるようになったきっかけ
ブログ分割の一例として、私のブログが分割に至ったときっかけとその経緯を簡単にご紹介したいと思います。
私のブログは元々、東京近郊の風景を撮って紹介する「写真ブログ」でした。その後、自転車日本一周のブログになり、旅の準備編や旅の日常を綴っていました。これは旅が終わる【旅292日目】神奈川の自宅に凱旋、自転車日本一周達成!!!まで続きます。
日本一周の記事が中心である一方、日本一周中に始めた登山の記事も増えてきました。日本一周の後半では登山に注力していたこともあり、最近ではむしろ登山がブログのメインコンテンツとなり、この傾向は今後も続いていきます。
そんな状況をまとめたのが上の図です。自転車日本一周のコンテンツには限りがある一方で、登山の割合はどんどん増していく。どちらがメインコンテンツなのか分かりにくくなり、日本一周のブログは「山」に埋もれてしまう気がしました。
「ブログのメインコンテンツが二つになることで、互いが互いの足を引っ張ってしまう気がした」と言うのがブログ分割を考えるようになったキッカケです。
メインコンテンツが二つあるのであれば、ブログを分割すれば良いんじゃないか、ということですね。
ブログを分割、特化型ブログの新規立ち上げ
複数サイト運営することには不安もありましたが、今後コンテンツが増えるであろう「登山」カテゴリーを旧ブログから切り離し、登山に特化した新ブログを立ち上げる事にしました。
自転車日本一周ブログは「日本の風景を紹介する」という趣旨から写真関係の記事と相性が良く、旧ブログは写真を主軸にしたブログとして運営、新ブログは登山に特化した専門ブログとすることにしたんです。
ブログを分割するというのはリスクが伴いますが、結果としてはブログを分割して良かったと感じています。・・・と、前置きが長くなりましたが、せっかくブログ分割を経験したのでブログをジャンル毎に分割して運営することのメリット・デメリットを考察してみたい思います。
【1】ブログをジャンル毎に分割するメリット
まずはブログをジャンル毎に分割する事のメリットを考えます。
1. ブログの専門性が高まり、記事の説得力が増す
インターネット上には色々なブログがあり、簡単に多くの情報が引き出せます。その環境の中で「欲しいと思った情報」はどんなブログから得ているでしょうか?
私なら・・・
「その情報に特化したサイト」「その分野に精通している人」「信頼した情報だと思えるブログ」から情報を入手したいと考えます。つまり、専門性の高いブログです。特に、欲しい情報が専門的であればある程、その傾向は強くなるだろうと思うんです。
登山を例に、「北アルプス 初心者 おすすめ」と調べる読者の気持ちを考えてみます。
ヒットした記事を読みつつ、「どんな人が書いている記事なんだろう?どんな登山記録があるんだろう?この人はどれくらい北アルプスで登山している人なんだろう?」そんな風に考えると思うんです。
そんな時、です。
ブログのトップページに飛んだら全く関係ないカテゴリーがずらずら並んでいるのと、登山関係の情報が豊富なのとでは、受ける印象が違うはずです。
インターネットの世界であり、Face-to-Faceの話ではありません。だからこそ、専門性は情報量やプロフィール、あるいは著者の経歴などが判断材料となります。ブログの内容を絞ることは、ブログの専門性を高めます。同じジャンルの記事が多いという事は、その領域に精通しているだろうと連想させるからです。
実際問題、ある程度の経験が無ければ専門性の高いブログは作れません(薄っぺらいブログと言うのは読んでいて分かりますもんね)。
怪しい情報も入り混じるインターネットの世界だからこそ専門性は重要であり、信頼感へと繋がります。専門性の高い記事と言うのは、訴える説得力も自ずと高まるものだと思います。
ブログ「登山と写真で仕事をしている人。」はその最たる例です。登山も写真もプロの人が運営している貴重なブログで、プロの人は仕事柄、情報を出せないことも多い中、貴重な情報を発信してくださっています。まあ山写さんはかなり極端な例ではありますが、いずれにせよ、専門性の高いブログが持つ説得力、信頼感は大きいと思います。
2. 関連記事による回遊率の増加
回遊率とは、ブログに遊びに来てくださった読者様が、どれくらいブログ内でアレコレ見てくれるかという意味です。買い物客がデパートに行った時、何店舗お店に寄るか、というイメージですね。デパートに魅力的なお店がたくさんあれば、多くの店で買い物をするように、ブログも魅力的な記事があればブログ内を回遊してくれます。
ブログ回遊率に大きく影響するのが「関連記事」です。
ジャンルごとに分割したブログには「関連性の高い記事」がたくさん存在するため、回遊率が高くなる傾向があります。ジャンルの方向性がしっかりしたブログの方が情報を探しやすく、読者からしたら便利だと思います(私も読者側の視点でそう感じる)。
3. リピーター率が高まる
私がお気に入りしている、あるいはFeedlyで定期購読しているブログを見返してみると、雑多ブログより専門ブログの方が多いんです。そのことからも、ジャンル分けした専門ブログは「購読」したいと思わせる傾向が強いのではないかと感じています。
検索経由で訪れた読者が「そのブログを購読するかどうか」判断する際、次回以降も面白い記事が読めるのかどうかを考えますよね?例えば、私は登山関係のブログを多く購読していますが、そんなブログが全く関係ない記事ばかりを書いていたら、購読を止めてしまいます。山関係の記事を期待しているのに、全然畑違いの「家電」「ブログ運営」「マリンスポーツ」の記事が更新されても「いや、それじゃない」感がありますもん(たとえ話です)。
ブログの運営もお店の経営と同じで、定期購読してくれるリピーターの存在はとても大きいのです。ずっと読んでくださっている方と言うのは、ブログを運営する励みになります。
【2】ブログをジャンル毎に分割するデメリット
次に、ブログをジャンルごとに分割するデメリットを考えてみたいと思います。
1. 更新を続けるのが大変になる
一番のデメリットはこれだと思います。雑多ブログは複数のカテゴリーから構成されているので、ある特定のジャンルの更新を止めたとしても、他で埋め合わせができます。
一方、特定のジャンルを分割して作ったブログと言うのは、そのジャンルの更新を止めることがイコール、ブログの死を意味します。
全てのカテゴリーを一つのブログにまとめておけば、仮に自転車日本一周のネタが無くとも、あるいは登山を止めてしまったとしても、カメラや写真の記事を書くことでブログの更新を維持できます。
一方で、特定のカテゴリーを分割した場合、そのカテゴリーに関する記事をずっと書き続ける宿命を背負うことになります。更新を止めれば、ブログはいずれ死んでしまいます。特に、登山ブログというカテゴリーは、「実際に登山していなければ書くことがない」という事態になり、登山という趣味を止めたら自動的にブログも終了します。
ブログというのは、更新を続けることが非常に重要なのです。
ブログの特定ジャンルを分割して複数のブログを運営する場合。そのジャンルの記事をずっと書き続けられる自信がなければいけません。これは雑多ブログをジャンル分けして分割するか否か、一つの判断材料になると思います。
私の例でいえば、Japan Nomadから「登山」を分割することがあっても、おまけ的なカテゴリーである「ウェブ/雑記」を分割することはあり得ないという事です。このカテゴリーを分けたところで、一つのブログとして成立させるだけの記事を書く自信はありません。ましてや専門性があるわけでもないのでまず成功しないでしょう。
2. 費用/管理手間の増加
複数のブログを運営するという事は、複数のドメインを所持することになるため、年間の管理費がドメインにつき1500円程度増加します。(例えば、私が使っているエックスサーバーで独自ドメインを取得する場合、1500円/年の管理費用がかかります。)
サーバー代は運営するブログが1つでも2つでも変わらないので負担にはなりません。
そう考えると、費用面は深く考えなくてもよさそうです。
問題は管理の方でしょうか。ブログを分割するという事は、新たにブログを作成するということです。
これまで育ててきたブログであれば記事を書くだけに集中できますが、新しいブログを立ち上げるというのは、それなりに手間なもの。時間もかかります。
分割するカテゴリーをエックスポート/インポートして、ブログの体裁をCSSで調整して・・・と、やることはたくさんあります。運営を始めた後の管理も倍になるわけなので、これまた手間がかかります。
「労力をかけることができるかどうか」もブログを分割するかの判断材料になりますね。
【3】 雑多ブログを一つだけ運営するメリット
最後に、雑多ブログを運営することのメリットを考えて締めたいと思います。
1. ブログの「ブランド力」を高めてファンを獲得する
全ての記事を一つのブログに集約することのメリット。それは、ブログの総力戦で戦えること、そのブログの知名度を高め、ファンを獲得することです。ブログの「ブランド力」と言えるかもしれません。アルファブロガーの方たちはジャンルなどに囚われず、雑多な記事を書きまくって物凄いPVを獲得していますもんね。
イケダヤハト氏のブログのように、そのブログに書かれることならなんでも読みたい、そう思わせる魅力があるのでしょう。ブログの枠を超えて、書いている人に惹かれているから、その人が書くものなら何でも読んでみたい、そんな領域に達しているのかもしれません。
でも実はこれ、イケダハヤト氏のような規模でなくとも、20~30万PVくらいのブログでは多かれ少なかれそんな傾向があるような気がします。私がフォローしている雑多ブログもそんな感じです。「この人が書く記事は面白いからジャンル関係なく読みたい」という訳ですね。要は、ファンになっているということです。
2. 雑多ブログはカテゴリーを気にすることなく気軽にブログを運営できる
例えば、ちょっと前に流行ったポケモンGoにハマって、その記事を書きたいとします。でも、専門ブログしか運営していないと、記事を書く場所がありません。
・・・これまで登山一本でやってきたブログに・・・
「ポケモンGo!ポケモン出現場所とおすすめの都道府県まとめ」
なんて記事がトップに現れたら意味が分からないですよね。逆に読みたくなる気もしますが(笑)
雑多ブログで様々な記事を扱っているのであれば、多少方向性の違う記事を書いたところで違和感は少ないでしょう。様々なジャンルを好きな様に書きたいという方には、雑多ブログの方が合っていると思います。
私もJapan Nomadの方は雑多ブログとして、ジャンル関係なく好きな記事を好きなように書いていこうと思っているところです。
まとめ
ジャンル分けしてブログを分割することのメリット・デメリットを考えてみました。これからブログを始めようとしている方、あるいはブログ分割を考えている方の参考になれば幸いです。
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