雪山登山で使うトレッキングポール(ストック)を新調します。
実はストックがあまり好きではない私・・・。できる限り両手ともハンズフリーな状態が良い。リラックスした状態で好きな時にカメラを手に取って写真が撮れる、そんな登山スタイルが好きです。
そんなストック嫌いな私ですが、雪山登山(特に厳冬期・残雪期)ではストックが必要です。ラッセル時や踏み抜き対策としてストックの駆動力はとても大きく、積雪期には大きな力になるからです。
これまでは重たいアルミ性を使ってきましたが、荷物の軽量化を図るべく軽いカーボン製のトレッキングポール(ストック)を新調します。その際に比較検討した4社の製品をご紹介したいと思います!
使用シーン・製品選択の優先順位
トレッキングポールを使用するのは厳冬期および残雪期。7月から11月(夏〜初冬)での使用は想定していません。
これは私の登山スタイルによるものですが、7月以降は岩が露出していることが多く、岩陵を歩く際はトレッキングポールが邪魔になってしまうから。また、下山時の膝保護を目的としたトレッキングポールの導入は検討していません。
一方、12月から6月(厳冬期〜残雪期)は新雪によるラッセルや残雪による踏み抜き対策にストックを利用します。
積雪期しか使わないことから、強度より重量が軽いことを優先。また、折り畳み機構・握り心地・ロック方式より重量が軽いことを優先します。
候補1:ディスタンスカーボンFLZ
トレッキングポールについて調べてまず気になったのがBlack Diamond(ブラックダイヤモンド)のディスタンスカーボンFLZ。
カーボン製で1本の重量が165gと極めて軽量な作り。折りたたみ式でザック内に収納可能なコンパクトな携帯性。
「これで決まりか?」そう思ったのも束の間・・・。
2018年以前のモデルはスノーバスケット非対応だったそうで、以降のモデルでは別売のスノーバスケットを装着可能のようですが、バスケットがかなり小さく浮力が弱いとのレビューがちらほら。基本的に3シーズンを意識して作られているモデルのようです。
さらに1本の値段が「2万円超え」はブラックダイヤモンドというブランド価格を考慮しても高すぎです。2本ペアで買ったら4万5千円かかるのではストックとしてやり過ぎでしょう。
候補2:マイクロバリオ
次に調べたのがLEKIのマイクロバリオカーボンというトレッキングポール。1本210gと軽量なカーボン製、折り畳み可能でザックにも収納可能、さらには長さを調整できるタイプ。値段もディスタンスカーボンFLZと比較して圧倒的にリーズナブル。
LEKI(レキ)は登山界隈ではあまり聞かないブランドですが、トレッキングポールをはじめとした世界有数のポールメーカー(ドイツ)。ブランド的にも申し分なく「これで決まりか…!?」と思ったのですが一点だけ懸念事項が・・・。
長さの調整域が110cm〜130cmと最低高が110cmスタート。私は身長が165cmということで、普段どれくらいの長さで使っているかというと105cmから110cmで使っています。
110cmスタートは海外では低いのかもしれませんが、身長が低い私のような日本人にとってはやや大きすぎる。100cmから利用可能であれば文句なしに決まったのに・・・!!
候補3:フォルダーTWIST115
第三の候補に上がったのがSINANOのフォルダーTWIST115。
国産企業として応援したくなるだけでなく、カーボン製で1本の重量が約228gと十分軽量なモデル。上記2つと比べると少しだけ重たくなるものの許容範囲内。スノーバスケットも別売で用意されており、折りたたみ式でザックの中にも収納可能!
欠点ではないのですが、強いていえばカラバリが青かピンクの2択。TWIST125は黒色ですが、こちらは110cmスタートなのでマイクロバリオと同じ問題に直面。115だとグリップがブラウンでシャフトがブルーということでちょっとダサい(非常に日本っぽい)。
候補4:CP3
登山界隈で脚光を浴びているULブランドLOCUS GEAR(ローカスギア )のCP3が最後の候補。
Locus Gearは最近になってTwitterなどでよく目にします。UL(Ultralight)がブランドコンセプトにあるので既存の枠組みに囚われない、目を見張るような軽量かつおしゃれな外見が特徴ですね。CP3も135cmまで伸長することでシェルターのポールとして利用できるよう工夫されていたり、1本185g(スノーバスケット付き)はカーボンポールの中で最も軽い製品の一つだと思います。
別売でスノーバスケットも用意されているため雪山登山でも利用可能ですし、何よりシンプルな作りのためか値段が極めて安価。2本ペアで13800円という破壊的な値段設定(安すぎて少しだけ不安…笑)
ネックなのは折りたたみ式ではないのでザック内部に収納できないこと。何より、ローカスギアは人気になりすぎて製品の供給が追いついておらず、多くの商品がSOLD OUTになっていてそもそも購入できないこと。テントなどは半年待ちの製品もあるらしい。
これくらい軽いと耐久性が気になるところですが、私は雪上でのみ使う予定なのであまり関係ありません。夏山でも利用したい場合は傷をつけたり折らないように注意が必要。
4つの候補まとめ
製品 | ディスタンスカーボンFLZ | マイクロバリオ | フォルダーTWIST115 | CP3 |
ブランド | Black Diamond | LEKI | SINANO | LOCUS GEAR |
重量(ペア) | 330g | 420g | 456g | 370g |
長さ | 105-125cm | 110-130cm | 100-115cm | 65-135cm |
収納サイズ | 32cm | 40cm | 36cm | 65cm |
価格 | 45,540円 | 24,600円 | 21,450円 | 13,800 |
それぞれに良し悪しがあるため一つに決めるのが非常に難しい。
冒頭で述べたように重量を最優先すればディスタンカーボンFLZは魅力的なものの、雪山でのレビューが少ないことがネック。そして何よりあまりに高価です。
バックパックへの収納性を考えるとフォルダーTWIST115はバランスが取れているが重量がやや気になる。
マイクロバリオは非常に万能だがスタートサイズが110cmとやや大きいのが残念。
CP3は安価だし申し分ないがバックパック内へ収納できない。
まとめ
何を優先するかで選択肢は変わりますね。
雪山で使いたい軽量なカーボンポールでスノーバスケット対応・・・LOVUS GEARのCP3が私に最も適したトレッキングポールだと思います。バックパック内部へ収納できないのはマイナスポイントですが、現在も外付けのスタイルで登山しているので慣れたもの。値段が安すぎるため品質面でやや不安ではありますが、この価格なら試してみる価値はありそうです。
公式ショップが売り切れ中ですので、実際に試せるのはもしかすると来シーズンになってしまいそうですが、実際に使用してのレビューはまた追ってご報告したいと思います!
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