夏山登山で一番怖い「落雷」はどんな時に起きるのか調べてみた!

沖縄は早くも梅雨明けということですが、本州も早く梅雨明けしてほしいですね!

新緑のシャワーを浴びながら稜線で入道雲を眺めたいと思う今日この頃ですが、夏山登山にはたくさんのリスクが潜んでいます。

熱中症や脱水、雪渓の踏み抜きや低体温症など。

中でも夏山登山で一番恐ろしいリスクが落雷による遭難や死亡事故です。

夏山登山を楽しむ者の建前としては「夏山では落雷に注意が必要。雷の音が聞こえたらすぐ避難する」と思ってこれまで登ってきましたが、本音としては落雷という現象やその対策についてほとんど知識がありませんでした。

それではいけないなと思い今回改めて勉強してみました。せっかくなのでご紹介したいと思います(๑╹ڡ╹๑)p♪

目次

落雷が起きやすい気象条件

雷の巣窟である積乱雲(入道雲)を見たら注意が必要ということは周知の事実ですね。それならば、積乱雲が発生しやすい気象条件をしっかり把握することで落雷のリスクを軽減しやすいはずだと考えました。

そう思い調べてみると、積乱雲は「大気が不安定」な時に発生します。

一見当たり前の様ですが、夏山で大気が不安定になる条件さえ頭にたたき込めば落雷のリスクを軽減することに繋がるはずです。

山岳気象大全を読んでみると、主に3つのパターンを頭に入れておくと良さそうなのでご紹介したいと思います!

【1】夏の午後

一つは、夏の強い日差しで地表が暖められ、上空との気温差が大きくなることで積雲が発生するパターン。

これはつまり「夏山の午後はガスったり雲が多くなる」という登山者全員が知っている王道パターンだと言えそうです。

真夏の夏山では、日の出の時間は雲一つない快晴でも、朝の10時くらいを境に雲が増え、午後になると空一面に雲が広がっていたり、積雲(積乱雲)が発達していることが珍しくありません。むしろ、たいてい午後遅くなるとそこら中に雲が発達しているか、山はガスに覆われていますね。

こうしてできた夏の午後の積雲による雷を熱雷(ねつらい)と呼ぶそうです(初耳)。

ポイントは、熱雷は標高が高い山よりも内陸や盆地の低山で多発すること、熱雷が起きやすい山に傾向があること。

熱雷が起きやすい山

  • 谷川岳
  • 武尊山
  • 赤城山
  • 甲武信ヶ岳
  • 八海山
  • 恵那山
  • 犬ヶ岳(栂海新道)

私が登りそうな山のピックアップで恐縮ですが、この辺りの山は熱雷が起きやすい傾向にあるそう。しっかりと覚えておきましょう!

【2】日本海から前線が南下してくる時

二つめは日本海から寒冷前線や停滞前線が南下してくる時。太平洋高気圧や高気圧の縁の湿った空気に冷たい寒冷前線が入り込むことで大気が不安定になり、積乱雲が発生しやすくなります。

夏山登山の日程を決めるために天気図とにらめっこしているとこのパターンによく遭遇します。

引用:tenki.jp

日本の南海上に台風や熱帯低気圧があると寒冷前線が活発化するため積乱雲がより発達しやすくなるのも特徴です。

上の天気図では本州を覆っていた高気圧は南に遠ざかり、日本海から前線が南下してきています。さらに南海上に熱帯低気圧があるため、ここから流れこむ湿った空気も相まって、雷雨に注意が必要な天気だと言えそうです。

このように前線に伴って発生する雷を界雷(かいらい)と呼ぶそうです(こちらも初耳)。日射による熱雷と界雷のダブルパンチによる雷を熱界雷(ねつかいらい)と呼び、山での落雷事故の多くが熱界雷によるものらしいですよ!

【3】寒冷低気圧の東や南東に位置する時

最後は、上層に強い寒気が流れ込むとき。このブログで何度もご紹介しているヤマテンではコメントで「上層に強い寒気が流れ込む」などの記載が見られるときですね。

西日本や東日本を中心に湿った空気が流れ込み、上空にはこの時期としては強い寒気が流れ込んで、大気の状態が不安定。雨雲が発達し、九州から東北南部の所々で雨や雷雨になった。滋賀県や富山県では1時間に60ミリ以上の滝のような雨を観測した所もあった。 引用:tenki.jp

天気図を一見すると前線がなくとも、寒冷低気圧の東や南東では大気が不安定となり積乱雲が発生しやすくなります。寒冷低気圧とは上空に強い寒気を持ち、天気図上で前線を持たない低気圧のこと。調べながらに難しそうだなと思ったんですが、要は上空に強い寒気が流れ込む場合は注意が必要だと思えばいいのかなと。

[st-kaiwa3]こんな天気図でそもそも登山計画立てる奴いるのか?[/st-kaiwa3]

[st-kaiwa1]確かに、明らかに天気悪そうなのでそもそも登山しないでしょうね。日帰り登山であれば、余程天気を気にしない人でない限り、雷のリスクが高い例えば日本海側から前線が南下する場合や寒冷前線が本州にある場合、登山計画は立てないでしょう。[/st-kaiwa1]

[st-kaiwa3]縦走中とか?[/st-kaiwa3]

[st-kaiwa1]縦走をしていて中日に前線が通過したり、最終日だけ天気が持たなそうということはよくあります。そんな時に、落雷のリスクがどうなのか、という指標の一つにはなりそうです![/st-kaiwa1]

雷が発生しやすい条件まとめ

  1. 夏の午後は積乱雲(雷)が発生しやすい。
  2. 熱雷が発生しやすい山には傾向があるので覚えておくと良い。
  3. 前線が日本海から南下してくると前線の南側で積乱雲(雷)が発生しやすい。
  4. 特に日本の南海上に台風がある場合は大気が不安定(雷)になる。
  5. 目立った前線が無くても寒冷低気圧(上層に強い寒気)がある時は積乱雲(雷)が発生しやすい。

雷から避難する方法

雷が高い所に落ちやすいという性質を理解し、雷のリスクが高い場合、以下の行動を心がけるようにしましょう。

  • 早出早着を心がける。
  • ストックやピッケルを振りあげない(そんな馬鹿な)。
  • 山小屋や避難小屋がある場合は逃げ込む。
  • 建物ない場合は少しでも低い所に逃げる。
  • 必ずしも樹林帯が安全だとは限らず、高い木の近くは危険だと知る。
  • 樹林帯の中では木から数メートル距離をとる。
  • 雷が近い場合は両足を閉じてできるだけ身を小さくして屈みこんだ姿勢をとる。

稜線上では登山者が最も地表面から高くなることもあります。

北岳での痛ましい落雷事件などは直撃してるっぽいですし、雷はテントに落ちることもあります。

雷のリスクが非常に高い場所にいる時は、逃げたくなる気持ちを抑えて「両足を閉じてできるだけ身を小さくして屈みこんだ姿勢」をとるべきなんでしょうが、実際山の中でこれを実践するのは容易ではありませんよね。

[st-kaiwa3]とどのつまり、落雷を避けるには何が大事な訳さ?[/st-kaiwa3]

[st-kaiwa1]夏山登山では午後常に落雷のリスクがあることを考えて、まずは早出早着することだよね。俺は結構遅いことあるけど・・・。[/st-kaiwa1]

[st-kaiwa3]稜線出て雲が怪しいと思ったら?[/st-kaiwa3]

[st-kaiwa1]積乱雲の発達には常に気を遣わないといけませんね。積乱雲の風下にいる時は特にです。もし雷鳴が聞こえたら本当に要注意。特に雷鳴と閃光のタイミングが近い時は雷がすぐ近くに居る証拠です。この時は撤退と安全姿勢の準備を整えないといけません。[/st-kaiwa1]

[st-kaiwa3]積乱雲と普通の積雲ってどう違うのさ?[/st-kaiwa3]

[st-kaiwa1]積乱雲はかなり黒いです。大雨のことが多いし、雨粒が大きかったり、雹(ひょう)が降っている場合は積乱雲の可能性「大」です![/st-kaiwa1]

まとめ

落雷が起きやすい条件と対策を調べてみました。

夏の午後はいつだって雨と雷のリスクがあります。早出早着の原則を大事にしつつ、もし計画段階で落雷のリスクが高いと思われるときは慎重な計画が求められます。今は各種天気予報で落雷確率なんかも見れたりしますので参考にするといいでしょう。

万が一の時にどのような行動を取るべきなのかをあらかじめシミュレーションしておくことも大切です。

落雷は夏山登山において一発で死亡に繋がる本当に怖いリスクです。身を守るためにもしっかりと知識を身に着けて入山したいですね(๑╹ڡ╹๑)p♪

雷警報器(ストライクアラート)なる装備もあることを知ったんですが、効果はどれくらいなんでしょうか?60km圏内の雷を拾ってくれるみたいですが、あまり聞きなれない道具なのでまだ購入には踏み切れずにいます。

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