山岳写真集が好きで手を出したのが最後・・・あれも見たい、これも見たいと買っていたらそれなりの冊数になっていました。
山岳写真集を初めて手にとったのは山小屋だったと思います。山小屋に置いてあることが多く、日中の暇な時間などに写真集を眺めていました。南岳小屋とか穂高岳山荘、槍ヶ岳山荘などで読んだかな。山岳写真集を集め出した一番のきっかけは構図探しですが、山岳写真家として活躍されてきた先生達の写真を見たいという思いも強かった。山の写真を撮るものとして、過去の写真や山岳写真の歴史・系譜を読み解く時間が大好きです。
こちらでは2022年現時点で持っている山岳写真集を私なりのランキングにしてご紹介します。何を軸にしてランキングを作るのか難しい面があり(発表年度がぜんぜん違うとか、本が大きすぎるとか、価格が高いなど)あくまで「参考」として捉えてください。
山岳写真集ランキング(2021年ver.)
【1位】白馬
著者:菊池 哲男
発行日:2005年7月1日
山岳写真集の最高傑作と言って良いでのはないでしょうか。
タイトルの通り白馬岳を中心としながらも、後立山連峰の写真も掲載されています。著者はこの写真集を持って日本山岳写真の頂点を取ろうとしていた・・・のではないかと思うような掲載枚数とレベルの高い写真が収載されています。夏から冬まで色彩豊かに表現された後立山連峰。様々な場所、構図、季節から撮られているため、後立山の写真を今更わたしが撮る必要はない、そんな風にさえ思えるレベルの高い写真集です。
初めの一冊に買っても良し、後立山の撮影の構図探しや参考に買っても良し、とにかくおすすめの一冊。
【2位】滝谷 一期一会の北穂高岳
著者:塩田 卓夫
発行日:2008年10月10日
穂高の撮影をするなら必読の一冊。
穂高連峰の中でも北穂高岳から滝谷、キレットまでの範囲を丁寧に撮影されており、何枚かレジェント級の写真が納められているので、その写真を見るためだけに買ってもいいくらいすばらしい。同じ場所に何度も通うことの尊さを感じられる一冊であり、それこそが山岳写真の真髄だと語りかけてくる。
A4サイズの写真集で自宅に置いておいてもかさばらず、初めの一冊に選びやすいのもおすすめポイントです。
【3位】槍ヶ岳讃歌―孤高の峰を見つめて
著者:近藤 辰郎
発行日:2005年7月1日
すばらしいの一言に尽きる、そんな写真集。
何を隠そう、槍ヶ岳です。北アルプスに登れば自然と槍の姿を探している人も多いのではないでしょうか。そんな人気絶大な槍ヶ岳ですが、被写体として捉えると、意外な難しさがあることに気づきます。東西南北どの角度からも撮影することが可能な一方、槍ヶ岳は北アルプスの中でも奥まった立地ゆえにアクセスで苦労すること、際立ったピークでありながら、フレームの中に収めるとその尖峰は意外にバランスを取るのが難しく、一筋縄ではいきません。
四季折々、槍ヶ岳の様々な表情を収めており、掲載点数はなんと80点に及びます。一つの山をテーマにした写真集は意外なほどに少なく、一つの山をテーマに写真を撮ることの面白さと難しさを痛感していることもあり、羨望と尊敬の眼差しを持ってこの写真集を見返しています。
穂高の次は槍ヶ岳を・・・などと思うこともありますが、この写真集を超えることは容易ではなく、手を出さないことにします。
【4位】剱 TSURUGI
著者:志水 哲也
発行日:2014年10月1日
わたし的「もっと写真集があって然るべき」と思っている山No.1の剱岳。絶対もっと撮っている人いるよね?そんな剱岳の厳然たる姿を見せてくれるのが本書。表紙のチンネの写真はわたし的山岳写真の理想像の一つだったりします。本書に載っている剱岳は非常に厳しい条件で撮られているものがほとんどで、剱岳撮影の厳しさを改めて痛感しますね。
それにしても剱岳は本当にかっこいいね。わたしもぜひ剱岳の写真を撮りたい!なんて思いますが、いかんせん遠すぎる。そんなもので、剱岳の厳しい姿を見たくなった時は、本書を手にとり、日本随一の名峰を空想して楽しんでいます。
剱岳の撮影をする人はすでに全員持っていると思いますが、そうでなくとも、日本一厳しいこの山を眺めるだけで手に取る価値はある一冊です。
【5位】愛しき山稜―双六岳をめぐりて
著者:小池 潜
発行日:2003年5月10日
著者は双六・鏡平・黒部五郎など裏銀座方面の山小屋のご主人。山小屋を経営する傍らで、撮影した山岳写真をまとめた一冊。掲載枚数がとても多く、裏銀座方面の写真を網羅されておりとても読み応えがある。
裏銀座といえば特に槍ヶ岳の景観が素晴らしく、どこから眺めても端正で迫力ある槍ヶ岳が望める場所だけれども、それを忠実に写真集で再現されており、裏銀座方面が好きな方にとっては必読書だと思います。
【6位】白馬岳-自然の息吹き
著者:菊池 哲男
発行日:2011年7月5日
1に挙げた「白馬」との違いは、写真集「白馬」が後立山連峰全域を扱っているのに対し、本書「白馬岳」は限りなく白馬岳にのみ焦点を当てていることにある。タイトルが非常に似ているので悩ましく思えるものの、まずはじめにどちらかを買うとしたら、やはり「白馬」の方がおすすめできます。
本書は白馬の絶景だけにこだわらず、細部まで深掘りしてよりディープな白馬岳を撮影している印象。それでもモルゲンロートから迫力ある山岳写真までボリュームがあるため、特に白馬岳の撮影をしている場合はどちらも持っておいて損はない山岳写真集となっています。
【7位】大きな自然 大雪山
著者:林 明輝
発行日:2008年3月5日
北アルプスの山岳風景に憧れる一方で、大雪山は私の登山を語る上で外すことができない山域です。日本一周中に旭岳から富良野岳まで縦走していることから、短い時間ではあったものの、私が大雪山に抱く想いはとても強いものがあります。
そんな大雪山は、トムラウシやニペソツなど一部の山を除き、際立ったピークが少ないため山岳写真的にはとても難しいものがあると思います。しかし、そんなことを思わせない素晴らしい写真集です。大雪山の美しい自然から北海道らしい厳しい雪山まで幅広く撮影されており、掲載枚数が多く、しっかりとした解説もあることから、山岳写真集はじめの一冊として手に取るのにおすすめです。
著者が私と同じ神奈川県横須賀市出身であることを知り、ますます愛着を持って大雪山の厳しくも素晴らしい自然を楽しませてもらっています。
【8位】RISHIRI Episode-1
著者:本間 晶子
発行日:2014年10月10日
山岳写真家の憧れと言っても過言ではない利尻山。北海道の利尻島にそびえる本山は、冬の間ほとんど晴れることがなく、遠く北海道の離島にあるという立地も相まって、利尻山だけを対象として撮影することの難しさはハンパではありません。著者は大学講師ということですが、奈良から通いで撮影しているとのこと。その苦労を考えると、わたしが通っている北アルプスが可愛くみえるというものです。
掲載されている写真は冬季が中心で、めったに晴れることのない利尻山の日本離れした姿を写真に収めています。利尻山の真価は冬に発揮されるということを再認識させられると共に、撮影の難しさや苦労が紙面から伝わってくるようです。わたしも冬季利尻を撮影したいと思ったことは何度もありますが、天気との兼ね合い、距離などを考えると簡単には動けず、著者の行動力には脱帽させられます。
現在も活躍されている山岳写真家であり、タイトルにEpisode1とあるのでスターウォーズのように今後も続いていくのかもしれませんね。続編が出たらぜひ購入したいと思います。
【9位】槍 穂高 空と雲のあいだに
著者:佐々木 信一
発行日:2013年9月26日
著者は株式会社フォト信州の代表で、山と渓谷などの山岳雑誌にて空撮の写真をよく見かけます。本書は空撮の写真集ではないものの、槍・穂高の写真がこれでもかと掲載されており、構図探しに役立つのはもちろんのこと、純粋に写真を見るだけでも十分楽しめる一冊。撮影場所のバリエーションに富んでおり、構図や色彩は現代っ子の私たちでも親しみやすいものとなっているため、万人におすすめできます。
本書の中でも槍ヶ岳から撮影している穂高山群がすばらしく、わたしもいつか撮影したいと思っており、槍ヶ岳にはまだまだ通う必要がありそうです。
【10位】Massif du Mont-Blanc モン・ブラン山群
著者:大野 崇
発行日:2008年6月15日
元々は会社員をされていたと言う著者ですが、30代から山岳写真を撮り始めて独立されたとのこと。山岳写真でどのように生計を立てているのか、本著者に限らずいつも不思議に思っています。
13年間に渡り、フランスのシャモニに通い撮りためたモン・ブランの写真集です。モン・ブランの実物を見ることはないだろうと思うと、こんな山なんだろうなと想像と掻き立てながら本書を眺めています。そう言った意味で、海外の山岳風景を純粋に楽しませてもらっています。本来はそれが写真集の使い方ではあるわけですが。本場、ヨーロッパアルプスの迫力が紙を通じて伝わってくるようです。
【11位】北アルプス礼讃
著者:白簱 史朗
発行日:2001年1月10日
A4よりもやや大きい写真集。紙面が大きい分、迫力のある山岳写真が迫ってくる。それにしても、大きな写真集を見ると写真の画質はフィルム・デジタル・画素数ではなくセンサーサイズで決まるんだろうなと思い知らされる。大きなセンサーで撮った写真の高精細で迫力ある写真はそれ相応の魅力がありますね。
本写真集には山域の紹介や登山におけるこぼれ話などが随所で紹介されており、写真を楽しむだけでなく北アルプス登山の読み物としても面白い。こうした撮影者のエピソードは写真集ならではの楽しみであり、何度も読み直したくなる魅力があります。
写真そのものも白簱先生らしい迫力ある構図が多く、山を何より主体として捉えている先生の写真がわたしは大好きです。
【12位】天空の輝き
著者:内田 修
発行日:2009年2月1日
穂高岳の写真集ということでわたしとしては外せない一冊。すばらしい写真が並びますが、中でも厳冬の奥穂高岳や山頂からの景色は素晴らしく、わたしもぜひ撮影したいと意気込んでおります。発行が穂高岳山荘であり、実際に山荘にも置いてありますので、山荘にて見たことがある人も多いと思います。穂高岳山荘公式オンラインショップにて購入できますので、穂高岳の撮影に興味がある方なら持っていて損はない一冊です。
【13位】穂高 3000mのドラマ
著者:小川 誠
発行日:1997年4月15日
「3,000mのドラマ 北アルプス」と似ているものの、こちらの方が古く、穂高のみに焦点を絞っている作品集。穂高と名を冠する写真集としては比較的新しく、穂高の撮影をするのであればぜひ参考にしたい一冊です。どちらか一冊を選ぶとすれば、掲載されている山域で選ぶのが良いと思います。穂高岳で良いのか、あるいは穂高以外の剱岳なども掲載されているものが欲しいのか、という視点で選ぶと良いでしょう。
【14位】槍 穂高
著者:岩橋 崇至
発行日:1996年6月1日
日本山岳写真集団の代表なども務められていた著者。本書は珍しいパノラマ撮影による構成となっています。現代で言えば、パノラマ撮影といってもLightroomの後処理で簡単に作れるものの、当時はフィルムカメラの時代。パノラマカメラなるものが存在したようで、本書を読んだ後に調べて驚いたのをよく覚えています。パノラマ写真ということで写真の癖が少なく、万人におすすめできる一冊だと思います。
パノラマ撮影と言うと主たる被写体が不明瞭になったり、何を写しているのか意図が伝わりにくいのですが、本書ではそのようなことはなく、すばらしい写真と絶景の連続です。特にジャンダルムから撮影している奥穂などは目新しく、わたしとしてもぜひ撮影したいと思える作品でした。
【15位】鹿島槍・五竜岳 天と地の間に
著者:菊池 哲男
発行日:2020年3月10日
今の日本山岳写真界を牽引しているであろう著者の写真集。Nikon Z6/Z7のマーケティング活動も兼ねていた撮影なので、ニコンユーザーとしてはそう言った意味でも興味深い。ニコンプラザで展示会をしているときに直接プリントを見ることができましたが、大きくプリントした写真の迫力は圧巻でした。写真は見る場所や見る大きさによって全然印象が変わるものだなと、そのとき痛感したものです。
鹿島槍・五竜という人気の山域のみに焦点を当てていることもあり、撮影対象にしている人はもちろんのこと、後立山によく登られる方にとっても参考になる一冊だと思います。
【16位】神気 新・富士山景
著者:橋向 真
発行日:2021年9月11日
新しい山岳写真集が今後出版されることはあるのか・・・そんな時代に出版された写真集ということで、Twitterでお見かけしたので購入しました。わたし個人的には富士山に被写体としての魅力をそこまで感じていないこともありますが、とは言え富士山です。
一般的な山岳風景とは異なり、平地や低山から撮影ができること、日本最高峰というプレミアム感、これまで幾つもの写真集が出版され、撮り尽くされている難しい被写体です。自ずと見る目は厳しくなります。
山岳写真集としては珍しく、写真解説はおろか写真のタイトルすらありません。富士山の写真がズラーと並んでいるだけという構成です。写真にタイトルを付けないのは今っぽいと言えばそれまでですが、SNSに並んでいた写真が本になったという印象は拭いきれない。他にも、何枚かすごく解像度が低い写真が混じっており、どうして掲載したのか意図がよくわかりません。
四季折々の富士山の風景写真が並んでおり、富士山写真を撮りたい人にとっては図鑑的に使うのがいいのかと感じます。これほどたくさんの自然現象を追求するのが大変なのは痛いほど分かるのですが、だからこそ惜しいなと思う気持ちも大きかったです。普段SNSでしか写真を見ない、自身では山の写真を撮らないという方にとっては、解説などがあっても今ひとつピンとこないのかもしれないので、ある意味親しみやすいのかもしれませんね。
【17位】写真集穂高 その流れに沿って
著者:写真フォーラム涸沢
発行日:2000年12月8日
穂高にのみ照準を合わせて編成している珍しい写真集。穂高の撮影に際して構図や撮影スポット開拓のヒントになればと思い購入しました。かつ、こちらは写真フォーラム涸沢という山岳写真団体が出版している写真集なので撮影者は一人ではありません。穂高の撮影をしている場合はおすすめですが、一般的にはもう少し幅広く撮影している写真集の方が親しみやすいのかなという印象です。
日本山岳写真協会、全日本山岳写真協会、山岳写真同人四季など山岳写真に関する団体はいくつかありますが、いずれも会員の高齢化・若者不足が悩みの種になっているようです。昨年、山岳写真同人四季の展示会にお邪魔しましたが、確かに、30代や40代が若手に分類されるだけのことはあるという印象でしたね。
【18位】3000mのドラマ 北アルプス
著者:小川 誠
発行日:2019年2月1日
40歳前半までは非常に厳しい登山をされいたという著者。厳冬期の北鎌尾根縦走やエベレスト登頂など華々しい記録を持っているとのこと。そう言った方が、齢を重ねて山岳写真を撮るようになるというのは、登山活動の転換点として多々あるようです。
掲載されている写真はタイトルの通り北アルプスに限られていて、剱岳や北アルプス南部の槍・穂高などがほとんど。美しいモルゲンロートやアーベントロートだけでなく、圧縮効果を活かした素晴らしい写真が目を惹きます。これまで40年間に撮りためてきた写真をまとめているとのことですが、出版は2019年と新しく、入手しやすいこともあり初めの一冊におすすめです。写真の解説も眼福です。
【19位】北アルプス―白籏史朗作品集
著者:白簱 史朗
発行日:1980年7月15日
非常に古い写真集ではあるものの、撮影に際して着想を得た構図もあり、今でもたまに見返しては迫力ある写真を楽しんでいます。しかし、これから購入するにはやや古い写真集であること、何より本が巨大で重いため、白簱先生のファンでない限りは、あえて選ぶ1冊ではないかと思います。
【20位】名峰日本アルプス
著者:白簱 史朗
発行日:1982年8月10日
北アルプス・中央アルプス・南アルプスを濃厚な密度で網羅している貴重な日本アルプスの写真集。掲載されている写真は図鑑的に使うことができるので、まだ撮影対象が曖昧で決めきれていない方や、今後日本アルプスで写真を撮りたいという人にはとても参考になると思います。中でも、中央アルプスの写真集はほとんど出版されておらず、中でも豪傑の白簱先生が撮っている写真ということで、構図探しの点でとても貴重です。
出版から時間がっていることと、本の厚みと重さがかなりあるので、一般におすすめできるとは言い難い。白簱先生のファンはもとより日本アルプスの写真を撮っていきたいという人には図鑑的な意味でおすすめできる一冊です。
【21位】上高地・槍・穂高
著者:青野 恭典
発行日:1996年5月15日
タイトルにあるように、上高地から槍穂高など北アルプス南部の写真で構成された写真集。稜線からの目を見張る絶景・迫力ある景観などはあまり掲載されていないものの、この山域の写真活動を始めたいという方にとっては、全体像を把握するのに役立つ一冊となっている。後書きや解説が豊富なので、そう言った意味でも、上高地や槍穂高の写真撮影をしている人にとって楽しめる写真集です。
【22位】穂高
著者:山本 和雄
発行日:1975年5月20日
上で紹介した近藤 辰郎先生が著書の中で「いちばん好きな写真家、流れをくんでいる、『穂高』は大好きな一冊だ」と書かれている通り、山岳写真の歴史の中では穂高を体現する一冊として外すことができない。
一方で、今となっては非常に古い書籍であり、掲載されている写真はすばらしいものが多い反面、一概におすすめできるかと言えば難しい。わたしのように山岳写真集をコレクションするのが好きになってしまった人や、穂高の撮影をしている方にのみおすすめできる一冊となっています。徳本峠から撮られている写真が素晴らしく、穂高を語る上で外せない写真として、わたしもいつか撮りにいかねばと心に秘めています。
【23位】白籏史朗 日本南アルプス
著者:白簱 史朗
発行日:1989年1月11日
白簱先生と言えば南アルプスでの活動が有名。わたしは撮影がら北アルプスの写真集から買いましたが、見比べてみると確かに南アルプスの写真集の方が他にはない魅力があるように思います。南アルプスの写真集は数が少なく、検索してもヒットするのは白簱先生のものばかりです。
本書は内容的にはすごくおすすめで、被写体としては難しい南アルプスの写真がバランスよく迫力ある姿で掲載されているのですが、いかんせん本が巨大すぎる(笑)わたしがこの記事で紹介している写真集の中でいちばん大きいです。保管するにもさすがに厄介なレベルなので、蔵書するには難ありと言わざるを得ません。南アルプスでの構図探しにはもってこいの一冊ですが、さすがにもう少し小さいサイズで作ればいいのにと思わざるを得ないのでした。
【24位】圏谷のシンフォニー―北アルプス・穂高涸沢
著者:白簱 史朗
発行日:2010年11月30日
北アルプス穂高連峰の中でも涸沢にのみ焦点を当てている超マニアックな一冊。それにしても白簱先生の写真集はいずれも巨大で、おいそれ人に「おすすめ」とは言えないのがネック。本書は白簱先生のファンで写真集をコレクションしているか、涸沢あたりが大好きでどうしても見てみたい方以外は基本的には持たなくていいと思います。
【25位】南アルプス LIGHT AND WIND
著者:山下 春樹
発行日:1995年3月31日
出版が「山と渓谷社MyBooks」とあるので、自費出版の類なのかもしれません。そうであれば本当は同列で比べるべきではないのですが・・・一般的に山岳写真集はA4サイズ異常であることが常なのに対し、本書はその半分程度の大きさなので持っていても嵩張ることはありません。南アルプスの写真集が欲しくて手にした一冊です。本書を見ると改めて、南アルプスは撮影が難しいと感じますね。
発売順まとめ
発売年 | タイトル | 著者 |
1975年 | 穂高 | 山本 和雄 |
1980年 | 北アルプス―白籏史朗作品集 | 白簱 史朗 |
1982年 | 名峰日本アルプス | 白簱 史朗 |
1989年 | 白籏史朗 日本南アルプス | 白簱 史朗 |
1995年 | 南アルプス LIGHT AND WIND | 山下 春樹 |
1996年 | 槍 穂高 | 岩橋 崇至 |
1996年 | 上高地・槍・穂高 | 青野 恭典 |
1997年 | 穂高 3000mのドラマ | 小川 誠 |
2000年 | 写真集 穂高―その流れに沿って | 写真フォーラム涸沢 |
2001年 | 北アルプス礼讃 | 白簱 史朗 |
2003年 | 愛しき山稜―双六岳をめぐりて | 小池 潜 |
2005年 | 槍ヶ岳讃歌 | 近藤 辰郎 |
2005年 | 白馬―菊池哲男写真集 | 菊池 哲男 |
2008年 | 大きな自然 大雪山 | 林 明輝 |
2008年 | Massif du Mont-Blanc | 大野 崇 |
2008年 | 滝谷 一期一会の北穂高岳 | 塩田 卓夫 |
2009年 | 天空の輝き | 内田 修 |
2010年 | 圏谷のシンフォニー | 白簱 史朗 |
2011年 | 白馬岳 自然の息吹き | 菊池 哲男 |
2013年 | 槍 穂高 空と雲のあいだに | 佐々木 信一 |
2014年 | 剱 TSURUGI | 志水 哲也 |
2014年 | 本間晶子写真集 RISHIRI Episode-1 | 本間 晶子 |
2019年 | 3000mのドラマ 北アルプス | 小川 誠 |
2020年 | 天と地の間に 鹿島槍・五竜岳 | 菊池 哲男 |
2021年 | 神気 新・富士山景 | 橋向 真 |
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