ゴールデンウィーク前半を利用して上越を代表する山の一つ巻機山(まきはたやま)にテント泊で登って来ました!おそらく、日本百名山としては最も世間の知名度が低い山の一つだと思いますがとても良い山でした。
ゴールデンウィークの穴場スポット巻機山へ!
さあさあ、始まりましたゴールデンウィーク。
昨年までは人生がゴールデンウィークだった私ですが、今年はサラリーマン復帰しているので連休の嬉しさを噛みしめながらの出発です。
巻機山の拠点は新潟県の六日町(むいかまち)!!
南魚沼と言えば自転車日本一周中にしっかりと周った思い出の地!何を隠そう私は新潟県が日本の県魅力度ランキングトップ5入りは間違いないと思っている新潟大好きっ子。新潟は良い所ですよねー(*´ω`*)
新潟県はアクセス良好。東京駅から上越新幹線に乗り込み、越後湯沢を目指します。ゴールデンウィークなので新幹線激混みかと思ったんですが、混雑はこれからでしょうか?むしろがら空きでしたラッキー。二階建ての大型新幹線で新潟県へ!
・・・
越後湯沢に着いたら足早に乗り換えてローカル線へ。日本一景色が良い路線の一つだと思っている上越線、なにしろ!!
越後湯沢から六日町への移動では大きな山が!
この巨躯にして優雅な山容、上越線は町から山がドーンッとそびえているのが分かってスーパーグッド!この山こそこれから登ろうとしている巻機山でございます!これは日本百名山に指定も納得の山容ですね(巻機山の山頂は見えていません)。
六日町駅(11:00)
六日町駅に到着ー!とは言え、今日はかなり遅い時間のスタートになるのでそそくさと左奥に見える六日町タクシー乗り場へと移動します。
巻機山の登山口は桜坂駐車場、その30分手前の清水(しみず)まで六日町からバスが出ていますが、本数が少ないので利用はなかなか難しく、マイカーかタクシー利用が一般的です。
8:25の次が12:50なので、少なくとも行きはタクシー利用が無難ですね。
途中コンビニによってお昼ご飯を調達します。六日町はほどよい田舎ですがコンビニなどは多く、買い出しはこっちに着いてからでもOK。
桜坂駐車場(11:50)
桜坂駐車場に到着!
ゴールデンウィークであることを考慮すればかなり空いていると言えるのではないでしょうか?上高地とか立山とか死ぬほど混んでいるでしょうから、ゴールデンウィークは人が少ない山を静かに歩くのが良いと思っております。その意味で、結論から言いますと巻機山はとてもおすすめ。人もそうですが、残雪豊富なのでしっかりと残雪期登山が楽しめますよ。
桜坂駐車場に登山届があるのでこちらで記入・提出。
越後巻機山 その穏やかな山頂へ あなたのやさしい心と足で ゆっくりゆっくりと 登ってみてください。
なにこれ癒される。
巻機山(まきはたやま)は日本百名山の一座ですが、登山しない方はほとんど聞いたことがない山だと思います。派手な所はありません。ゆったりとした山容と優しい名前、穂高岳のような凛々しさはないのですが、景観や山の雰囲気からいって、私は大好きになりました。
巻機山には沢(この時期は雪渓)沿いのコースと尾根を登るコースがありまして、沢の方は初心者入山禁止とのこと。私が思うに初心者とは、登山全体の初心者もそうですが、一度目の入山ではみんな初心者なのかなと。
というわけで今回は尾根コースから登ることに。
今年は雪解けが早くて雪渓は相当苦戦することが予想できたのも理由の一つ。雪渓コースならもう少し早い時期が良いでしょうね!
駐車場直ぐの場所に分岐があります。尾根コースはここを右へ。
ここから登山スタート!
今の時期は融雪がすごいスピードで進み、登山道はかなりぐじょぐじょです。間違っても夏靴で来ないように気を付けましょう。
一方で標高が低い所では萌える新緑が気持ちよかったです。暑いけど(汗)
序盤は雪がありません。樹林帯を黙々と進みます。
巻機山をはじめとする越後の山は日本屈指の豪雪地帯。
雪の重さで木が湾曲していることからも、その積雪量が伺えますね。
五合目(13:00)
本日テント泊なのでかなりゆったりなスタート。登山口から1時間ほどで五合目に到着。ここまで雪はありません。
程なく、一面雪に覆われた残雪期登山が幕を開けます。
道が分かりにくいですが、ピンクテープはかなりありますので、天気がよければ道迷いの心配は無いでしょう。
6合目あたりから徐々に展望が開けてきます。
この時期はストックがあった方がいいですね!
私は激安のストックを使っていますがまったく問題なし。
登山道の至る所が川のようになっていて、「ゴーッ」と雪解けによる沢の音が山全体にこだまするようでした。
それにしても暑いので・・・
雪解け水をいただきます。
山の中をろ過された水ではないのであまりきれいではありません。通常は煮沸推奨でしょうが、私はあまり細かい事を気にしないのでごくごく頂きます。雪解け水冷たくて最高でした。残雪期の登山は暑いですからねー!
樹林帯を抜けると実に気持ちのいい雪原歩きが待っています!
振り返ればこの大展望!上信越を代表する谷川連峰がすばらしい!
一番左手が盟主である谷川岳(たにがわだけ)です。
本当に気持ちの良い雪原歩き。この時期ならでは、そして巻機山の魅力の一つだと思います。目の前には巻機山・・・の前衛であるニセ巻機が大きく迫ります。
巻機山登頂前の急登としてニセ巻機を登りますが、相当に急こう配な雪渓(汗)トレースが付いていたのであまり考えずに登ってしまいましたが、途中で八方ふさがりになる始末・・・。
道はどこだ??
地図を確認するとどうやら尾根上を歩くのが正規ルート。藪の中に突っ込むと道らしきものが、しかしこれも途中で途切れており、もう一本奥まで藪を突っ込むと・・・。
笹の中に夏道がありました。ニセ巻機は雪渓を歩いても良いですが、途中で登れなくなりますので、はじめから夏道を探して歩く方が無難かと思います。雪渓はかなりの勾配で転んだらヤバい角度なので、こっちの方が安全ですしね。
夏道はよく整備されています(途中まで笑)。
有名な上越国境縦走路
実はこの巻機山、谷川連峰の白毛門(しらがもん)から縦走することができるんです。この縦走路は上越国境と言って非常に有名なルート。
上越とは上州(じょうしゅう)と越後(えちご)、今で言う所の群馬県と新潟県のことです。
この写真右側が新潟県、左側が群馬県と言う訳です!夏は藪漕ぎが酷いらしく、残雪期に歩く人が多いようです。来年歩いてもいいなぁと検討中。
ニセ巻機山(16:00)
ニセ巻機山(9合目)に到着です!
この辺りまで来ると奥に巻機山の本峰が見えてきます!パノラマ写真にしないと収まりきらないくらい巨大でゆったりとした山頂が実に特徴的(ちょうど真ん中が山頂)。
ニセ巻機から少し標高を落とすと・・・
巻機山避難小屋(16:20)
鞍部に建つ巻機山避難小屋に到着!
二階建てで中もきれいだと噂です。まだまだ雪が多くて入り口は塞がっているため小屋泊の人は窓から出入りしてました。トイレもまだ塞がって使えないとのこと。GWだというのにさすが越後の山ですね!
小屋の近くは平地になっているのでテントが二張。夏場もここがテント場になるみたい。谷川連峰はテント禁止の山域が多いので、テント張れるだけでありがたい話です。
私はと言えば、基本的に景色がいい所にテントを張りたいのでさらに上へ!
避難小屋から30分程度歩けば・・・
巻機山 登頂??
巻機山山頂に到着ー!!!
一応ここに山頂の標識が立ってはいますが、実は一番高い場所はここじゃありません。と言うのも、本当の山頂は展望がないからなのか、開けているここを山頂にしたのではないかと推測しております。
巻機山から眺める越後三山
巻機山から越後三山を眺めるには午後が光の関係で一番よく、山頂からは残雪の越後三山をしっかりと眺めることができました。この眺め、最高ですね!実は今年の残雪期(3月~4月)は越後三山の登山(特に魚沼駒ケ岳)は最優先課題だったのですが、海外出張があったりして適日を逃してしまい・・・。
3~4月は越後三山の雪がまだ多く、登山の情報が少なかったのもその理由。この融雪具合を見ると、4月頭には十分登れそう。今年の初冬と来年の残雪は越後三山、必ずや登りたいと思っています。
山頂にテントを設営してほっと一息。
前は越後三山、後ろは谷川連峰とか絶景過ぎるテント場です。
夕暮れまで時間があるので割引岳へと歩いてみます。左の尖っているピークですね。
誰も居ない、巻機山の稜線。
私が歩くザクザクと言う雪の音だけ。風も穏やかで、そこは完全なる別天地でした。右に越後三山を常に眺めながら、至福の稜線歩きを満喫しました。
割引岳の登り、ここを上がれば・・・
割引岳(われめきだけ)まで到着!
1,931mの山頂には一等三角点「割引山」、感謝を込めて三角点タッチ。「わりびき」と読みたくなりますが、「われめき」ですのでご注意を!
割引岳より望む南面、谷川の連嶺。
越後三山と著者。ゴールデンウィークとは思えない静かな山行。観光地も良いですが、静かにテント泊もいいですよ。
左:日本百名山「越後駒ヶ岳」
右:最高峰「中ノ岳」
そしてこちら、登山をしない人でも大人ならまず知っているであろう山、ときどき 「え、本当にある山なんですか?」という質問をされることも・・・笑
日本酒で有名な、八海山(はっかいさん)です!!
一般登山では日本屈指の危険な岩場とも言われる八海山。登りたすぎる。
越後三山の夕景
夕日は残念ながらイマイチ。この時期は霞が強くて太陽光が遮られてしまいますね(汗)それでも、この贅沢な景色は私は大満足でした。
冒頭でも触れたように、私はなぜか越後三山に強く惹かれています。まだ登っていないからこその憧れや尊さがあるのでしょうか、紅葉、初冬、残雪初期、夏の縦走と越後三山はやりたい山行が目白押し。今年中に必ずや。
宗教色強く、日本酒としても有名な八海山、日本百名山の越後駒ヶ岳、そして最も山容雄偉な中ノ岳。めちゃくちゃかっこいいと思うんですよね。
テント場まで戻って来ましたー!!何が驚きって、巻機山山頂はソフトバンクも電波あったことですね。
星をとろうと思ったら「満月×月が朝まで沈まない」という1カ月の中で最も星の撮影に適さない日だったので諦めました(笑)
2日目(4時出発)
真ん丸なお月様が輝く中、牛ヶ岳へ向けて出発!
巻機山山頂から牛ヶ岳まで、ほとんど平らな稜線なのであっという間に到着。それにしても月がきれいです。一人で「月が綺麗ですね」なんて言ってもしかたないでしょうに。どなたか山ガール様・・・笑
牛ヶ岳からのご来光
春特有の霞が今朝も強く、太陽がくっきり見えるタイプのご来光。
卵の黄身っぽい(笑)
通常、太陽を写真に納めると簡単に露出オーバーとなりますが、春のこの時期はこんな風に太陽が霞に邪魔されてくっきりと写せることがあります。その分朝焼けは弱いんですが、これはこれで面白いですね!
巻機山から越後三山は夕景の方が映えるかなぁと思います。
角度的にご来光は逆光になってしまいそうですね。
ちなみにこちらが真の巻機山の山頂(1,967m)。
小さなケルンがあるだけで、標識的な物は一切なし。奥に見える緑の点が私のテント、右が割引岳。
今朝も最高のお天気!
暖かいので越後三山を眺めながら朝ご飯を食べました。
下山(7:30)
巻機山を堪能して、下山を開始します。9:30清水発のバスがあるんですが、さすがに間に合わないか・・・。
昨日より今日の方が登山者が多い印象でしたよ!
こちら6合目から見える天狗岩、巻機山のシンボルになっているようです。
5合目まで一気に下りて休憩していると、とんでもない物を見つけてしまいました。
山でたばこを吸うのは百歩譲って認めるとして、吸殻を山に残すくらいなら、マジで山に来んなと怒り心頭でございました。いつもゴミは見かけたら持って帰っていますが、たばこの吸い殻は初めて見たかも。DNA鑑定して犯人を特定したい。
桜坂駐車場(9:30)
山頂から桜坂駐車場まで2時間で下りてきました。下りはあっという間ですね!
ここから六日町に戻る方法としては・・・
①清水まで20分下ってバス:清水~六日町
②清水からさらに1時間歩いてからバス:沢口~六日町
いずれも本数が限られているため、事前に時刻表を見て逃さないようにした方がいいです。あるいは・・・。
私はと言えば、サラリーマン復帰してからタクシー使いが荒くなりまして、桜坂駐車場へタクシーを手配しておりました(笑)
5合目あたりで電話してタクシーを呼んでおくと時間も読めていいかもしれません。六日町~桜坂駐車場は30分6000円くらいだったと思います。
六日町~東京
六日町の駅で越後湯沢経由、東京までのキップを購入できるのでこれを購入。
八海山を眺めながら、上越線に乗り込み、越後湯沢で上越新幹線に乗車。
無事に登山完了でござます!!
登山データ&一言アドバイス
日程 | 行程 | 天気(午前/午後) |
2018/4/28 | 東京~越後湯沢~六日町~桜坂駐車場~巻機山(幕営)~割引岳 | 快晴/快晴 |
2018/4/29 | 巻機山~牛ヶ岳~桜坂駐車場~六日町~越後湯沢~東京 | 快晴/- |
装備類
ピッケルは不要です。アイゼンも無くて登れますが、不安な方は持って行った方が良いでしょう。私はチェーンスパイクを持参しましたが使いませんでした。残雪期なのでストックはあった方がいいですね。ゴールデンウィークは天気が良ければ夜でも5℃くらいあるため暖かいものです。秋口と同じくらいのウェア類でよいと思います。
残雪状況
残雪初期、避難小屋が埋まっていて使えないこともあり得ますので情報収集をこまめに行いましょう。また、残雪初期は桜坂駐車場までタクシーが入れないこともあり、その場合は清水からの登山となり、プラス30分となります。5合目を過ぎると一気に雪道となりますが、クラックなどの心配は少ないです。ニセ巻機の雪渓を歩く場合、かなりの急登なので滑落注意。夏道を歩いた方がいいでしょう。雪解けの早い今年のゴールデンウィークでも残雪たっぷり、しっかり雪山を楽しめます。
水場
水場は避難小屋近くにあるらしいですが、ネット情報によると分かりにくい上にちょっと遠いようなので、雪を解かすか全て持参した方が無難です。私は飲み水1Lプラス水2L持って行きました。
今回も最後までありがとうございましたー。
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