栃木県と福島県の県境にまたがる「那須岳」に登ってきました!
日本百名山に選ばれている名峰です。
那須岳は関東の北限にある火山帯で、那須岳という山があるわけではなく、主峰の茶臼岳、対峙する朝日岳、それに最高峰の三本槍岳を加えた三山の総称。さらに、茶臼岳の南にある南月山(みなみがっさん)と黒尾谷岳(くろおやだけ)を加えて那須五岳、あるいは那須連山と呼ばれます。
茶臼岳にはロープウェイがあるので、気軽に登れる百名山として人気が高く、紅葉の時期などは多くの人で賑わいます(ロープウェイは冬季休業)。
そんな人気の那須岳ですが、冬の間は「強風」が吹くことが有名な風の名所。日本海側から入る風が飯豊連峰と越後山脈に挟まれ阿賀野川に収束、その後、高い山に阻まれることなく那須連山に直でぶつかるので、強風となります。
強風による滑落死亡事故多発地帯なので、その点十分注意する必要がありますね。今回の山行でも例に漏れず強風が吹き荒れ、なかなかスリリングなものでした。
宇都宮で前泊、お宿はいつもの・・・
今回の登山のベース基地は避暑地として有名な「那須塩原」。しかし、当日の朝、横須賀から移動したのではバスに間に合わないので、宇都宮のネットカフェにて前泊します。
そう、またネットカフェです(笑)
北横岳~蓼科山登山した時も自遊空間にお世話になりました。自遊空間は快適性の面でこそ「快活クラブ」に及ばないものの、店舗数では圧倒しており、遠征登山では自遊空間のお世話になることが多いのです。あと、快活クラブは駅の近くに店舗を置かない方針を取っていることも影響してます。
普通の社会人であればビジネスホテルなり民宿なりに泊まればいいと思いますが、貧乏系登山客の私なんかはネットカフェ様々でございます(涙)
宇都宮でなくとも、那須岳のある那須には「リラックス」というネットカフェがあるので、そちらも利用可能です。ただ、値段が高いのと、個人的に好きでないので、宇都宮で宿を取りました。
しっかり休んで明日の登山に備えましょう。
新しい朝がきた!宇都宮から那須塩原へ
ネカフェにて起床。宇都宮から那須塩原まで電車移動です。空を見ると変わった雲が浮いてますね。
電車の窓から栃木の山嶺を眺めたところ、日光連山(男体山や女峰山)は天気良さそうだけど、那須岳には雲がかかっているような(汗)
那須塩原に到着!ここから登山口までバス移動です。
那須塩原から大丸温泉(おおまるおんせん)まで直通のバスが出ているので、これに乗ります。冬以外であれば那須ロープウェイまでバスが通じてますが、冬季は大丸温泉が登山口最寄りのバス停です。
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1時間ほどバスに揺られて大丸温泉に到着。近くにスキー場もあるような場所ということで、それなりに雪が積もってますね。
天気は一見快晴のように見えますが、右上の方に不穏な雲がぁ٩。。。
大丸温泉下車すぐのところにトイレと登山届のポストがあって便利。私はインターネットで電子申請済みなので、用を済ませて足早に登山口へ向かいます。
バス移動の登山では行動できる時間が限られてくるので、事前に済ませられることは済ませちゃった方が時間の節約になってグッド。大丸温泉から那須塩原行きのバスの時間が早いので、ちょっと巻いて行きます。
大丸温泉から登山口へ
まずは、大丸温泉から登山口へ向かいます。本来は階段があるんでしょうか、手すりの位置を考えると積雪1メートルといったところか。
何度か道路を横断しながら最短距離を突き進みます。トレースが無いと道路を歩いちゃいそうです。道路を歩いても着けますが、笹道を突っ切った方が早いです。直進あるのみ。
程なくして那須ロープウェイに到着。春~秋であればここまでバスで来れる上に、ロープウェイで一気に中腹まで行けるので、登山デビューしたい人にはちょうどいいかもしれません。逆に、登山に慣れている人は茶臼岳行くのでは勿体ないので、夏道であれば朝日岳に行ったり、牛首から茶臼岳を眺めたり、色々周る余裕があると思います。
冬季休業中なので、ロープウェイを左手に見ながら進みます。
登山口のある「峠の茶屋」に到着です!
ずっぽり雪に埋もれた鳥居を見つけたら、ここから登山プレイボール。
那須岳は比較的積雪が少ないって聞いてたんですが、結構積もってますね。ただ、トレースがしっかりついているので、わかん無しのアイゼンのみで行くことに。
茶臼岳目指して登山開始
青空が覗きながらも、雲が多い那須岳。前回の西吾妻山に引き続き、晴れにくい山を選んでいるわけですが、「この天気図ならこれくらい晴れる」という感覚が少し分かった気がします。日本海と太平洋の中間に位置するような山は、移動性高気圧にすっぽり覆われないと完全なる晴天は難しいようです。
常に斜めっている道を歩くので、横に滑らないよう気を付けながら進みます。
右手に朝日岳が見えてきました!茶臼岳は名の通りずんぐりした山容ですが、対峙する朝日岳は鋭い形で対照的。
茶臼岳に行った後、朝日岳も行けたら行こうかと目論見中。
それにしても、ここまで風が大したことありません。”冬の那須岳は強風注意”と言っても、毎日強いわけではないでしょうし、今日はラッキーな日なのでしょうか?
那須岳、本気を出し始める
那須岳の主峰「茶臼岳」が前面に見えた辺りで風が「ぶわっ」と襲ってきます。
一瞬ビビりましたが、これ位はまだまだ経験の範疇。しかし、この辺りからピッケルとゴーグルを使用します。
しばらく進むと道から雪が消えるので、アイゼンでは歩きにくい。それにしても雪が一気になくなりましたね。実はこれ、ここだけ雪が降っていないわけではなく、強風で雪が吹き飛んでるんです。
再び雪道となったので、アイゼンは装着したまま前進。事前勉強で「峠の茶屋跡避難小屋の稜線に出ると風が一気に強くなるので要注意、滑落事故多発」と知ってました。
ここを過ぎるとその稜線ですが、果たして・・・
「強風の名所」は伊達じゃない、那須岳の本気はすごかった
峠の茶屋跡避難小屋に到着するも、あがががが!風すごすぎ!
私含め、他の登山客一同吸い込まれるように避難小屋の中へ。
「強風の名所」は伊達じゃない。今日はこれでもましだそうですが(by地元登山者)、それでも十分すぎるほどの風が吹き荒れ、稜線で轟音を響かせます。
一旦避難小屋で休憩タイム。中の気温は-7度か、外気温とほとんど変わらないぞ。風が無い分は暖かいものの、避難小屋の中ってこんなに寒いものか。
午後の方が天気良くなるはずなので、お昼ご飯を食べつつ様子見。
外に出てみるとさっきよりはいい感じ!このまま雲が取れてほしい。
避難小屋で休憩してたパーティーは山頂を目指すか否か迷ってる感じでした。写真で見ると素晴らしい天気ですが、いかんせん風が強いので、悩ましい所です。
避難小屋で一緒に話していたお兄さんは迷わず出発。確かに風は強いものの、歩けない程ではないので私も同じタイミングで出発。茶臼岳を左手に見ながら歩いて行きます。
茶臼岳の山頂へはぐるっと回る感じで登っていくと頭に入っていたものの、しばらく歩くと異変に気付く。
火山である茶臼岳は噴煙を上げてます。雪景色と相まってカッコいい。
って、しばらく歩いたけど茶臼岳の山頂目指してなくないか、これ?ここでGPSを見てみると、山頂への道から大きく外れている様子。をいをい、もしかして前のお兄さんはバリエーションルートでも取っているのでは?尋ねてみると。
「お兄さん!どこに向かって歩いてますか!?」
「南月山!」
・・・そう。そもそもだ、我々は登ろうとしている山が違ったのだ。痛恨のミス。お兄さんは茶臼岳に何度も登っているそうで、今回は南月山へ向かうとのこと。そりゃ茶臼岳のルートから外れるわけである。
結構進んでしまったので、どうせなら直登して山頂を目指そうか。そう一瞬迷ったものの、それで事故ったら元も子もない。来た道を引き返して本来のルートに合流しました。
時間をロスってしまいましたが、これは完全なる純度100%自分のミス。
何となく、みんな茶臼岳に向かうものと思い込んでました。恐ろしい思い込みだぜ。今後要注意です。北海道大雪山のように大きな山域でこんなミスやらかした日には目も当てられません。ましてや日高山脈(北海道のハイパー山深い山域)だったらと思うと、恐ろしすぎるミステイク。
気を取り直し、茶臼岳山頂を目指します!
見ての通り雪の無い場所が多いので、ここからはノーアイゼンで進むことに。
しばらく進めば朝日岳の展望がすばらしい。ルートミスで時間をロスしたこともあり、今回朝日岳に行くのは止めておきます。いずれにせよ、那須岳攻略には朝日岳の他に三本槍岳にも足を運ぶ必要があるので、今後の楽しみとして取っておくことに。今日は雲も多いしね。
面白い雪の付き方をしてますね。岩に沿ってボコボコした道ができてました。
雲が多めと言えど、那須方面の展望がすばらしい。
茶臼岳の山頂付近には御釜があるようです。ここまで来たらピークは目前。
御釜を眺めながら一気に山頂へ!
いつだって山頂を目の前にするとテンション上がるもの。この絶頂に至る直前の高揚感、たまりません。
茶臼岳登頂!
那須岳の主峰、茶臼岳(1915m)登頂しましたー!写真撮影の為にバラクラバもゴーグルも外してるんですが、風が強くて目を開けてるのが辛い。
山頂には誰もおらず、避難小屋にいたパーティーはどうしたんでしょう?いくら私が道を間違えたとはいえ、あの短時間の間に往復しているとは考えにくいので、山頂には来ず下山したのかもしれません。
山頂にて雲が切れないか30分程粘ったものの、難しそうだったので断念。
避難小屋まで戻ってきました。
左手に見えるのが剣ヶ峰。朝日岳に縦走する場合は剣ヶ峰を直登します。夏道は斜面をトラバースするようですが、冬の間は滑落の危険があるので直登するのが正解です。
さすが強風の山という事で、至る所に風の模様「シュカブラ」があって美しい!冬山でしか見れないものの一つですね。
それにしても朝日岳かっこいいなあ・・・。
那須岳はまた冬山として再訪し、1泊2日で雪山テント泊登山をしたいですね!その時は朝日岳と三本槍岳を登り、違う角度から茶臼岳を眺めてやるぜ。
帰りはトレースを辿ってぐいぐい下っていきます。樹林帯まで入れば風も収まり、あっと言う間に登山口まで戻ってきました。
大丸温泉まで戻って来ました。初の那須連山、茶臼岳登山は無事に完了!バスが来るまで約1時間程。日帰り温泉で疲れを癒すのもいいですが、着替えが億劫。
バスに乗り混み、那須塩原まで戻ります。
朝より天気が良くなってきているのが憎たらしいぜ。宝くじで当選番号が1つズレていたような感覚でしょうか。宝くじ買ったことないけど。
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バスに乗り込み、爆睡して目覚めたらまだバスの中。どうやら行きより帰りの方が時間かかるようです。1時間半程バスに揺られ、更にこれからの長い電車を思うと若干グロッキー。
那須塩原に到着です!
那須塩原から上野まで1本で行けるとは何と素晴らしい。ただ、那須塩原から我が地元、横須賀まで電車で4時間程かかるので、余程お金を切り詰めている人以外は、新幹線を使った方が楽だと思います。
私は自転車日本一周という変態的なことをしているため、「電車に乗っているだけで那須塩原から横須賀まで帰れる」という訳の分からない思考となっております。”自転車だったらどれくらいかかるのか??”・・・そう思えば楽なものです。
コースタイム
- 6:50 宇都宮駅
- 7:40 那須塩原駅
- 9:10 大丸温泉
- 9:50 峠の茶屋
- 10:00 登山口
- 10:50 峠の茶屋跡避難小屋
- 12:30 茶臼岳 山頂
- 13:30 峠の茶屋跡避難小屋
- 14:20 大丸温泉
- 16:40 那須塩原駅
登山データ
- 日程:2017/1/28
- 行程:2017/1/27 自遊空間(宇都宮簗瀬店(やなせ))
2017/1/28 大丸温泉 → 茶臼岳 → 大丸温泉 - メンバー:単独
- 天候:曇り時々晴れ
- 主なピーク:茶臼岳(1915m)
- 次回の計画:厳冬期に1泊2日で朝日岳、三本槍岳を縦走、牛首より茶臼岳を望む。
公共交通機関でのアクセス
今回の登山記録から公共交通機関でのアクセス方法をアップしておきます。もちろん出発地点はそれぞれ異なると思いますが、何となくどれくらいの時間/お金がかかるかの目安にはなるかと。
それにしても、毎回の移動費がボディーブローのようにじわじわ効いてきます。今回は特に遠かったので仕方ないとしても、1万円越えてくるとは。。
ちなみに、車だったらいくらで行けるんだ!?と思って調べたところ、高速道路が片道5000円程かかるので、あまり変わらない様です。
那須塩原~大丸温泉のバス時刻表はコチラよりご確認ください。
那須岳まとめ
登山口から山頂までのコースタイムが短いので、比較的楽に登ることができます。今回は雲が多かったですが、山頂では360度の大展望が待っているので、晴れていれば最高でしょう。茶臼岳に対峙する朝日岳の雄偉な姿は一見の価値ありです。一方、冬の那須岳は「強風」の代名詞ともいえるような場所なので、風の具合によっては大人しく下山した方が良さそうです。
はじめての那須岳でしたが、茶臼岳のかっちょいい姿を見れてよかったです!
お気軽にコメントください
コメント一覧 (4件)
お疲れ様です!
栃木県は私の地元です!
地元なのに那須の山がそんなに厳しいものだとは知りませんでした(^^;
ご無事で何よりです(^-^)
こんにちは!この前はFB申請ありがとうございました(๑╹ڡ╹๑)p♪
栃木が地元だったんですね!
那須山は冬の強風以外は歩きやすい山なので、初心者の方にもおすすめです。
夏に登山などいかがでしょう?
登山では無事に帰ってくることがまず第一なので、いつも胸をなでおろす思いです(๑´ڡ`๑)
こんにちは‼
身近に登山が趣味の人が居ますので、機会があったら挑戦してみたくなってます(^-^)
冬山は特に危険だと思いますので、お気をつけ下さいね(^^)d
なるほど!私のように単独も楽しいですが、誰かと山に登るのも楽しいですよ。
一緒に連れて行ってもらい、楽しければ本格的に始めるのもいいと思います(๑´ڡ`๑)
ありがとうございます!気を付けて楽しんできますね。