連日雨の登山では着替えを「1セット多めに」持っていく:低体温症と悪臭予防

先日の4連休で北アルプスの穂高に1泊2日のテント泊で行ってきたんですが、ものの見事に2日間とも雨。ヤマテンの予報では朝に晴れ間があるかと期待していたんですが、登山の歩き始めから下山まで、本当に2日間とも雨に打たれるかなり厳しい登山となりました。

雨の山を歩くこと自体にはそれなりに慣れているつもりでしたが、最初から最後まで雨というのは初めての経験でした。

夏山とは言え、あまりに長時間雨に打たれると体が冷えますし、その上3000mの稜線でテント泊となると低体温症のリスクも馬鹿にできません。雨に濡れた装備でのテント泊は辛いものですし、2日目の行動にもかなり影響してきます。今回の経験を機に「2日間とも雨の山行ではどれくらいのウェアを持って行くべきなのか?」について考えてみました。

目次

雨が続くならウェア類はプラス1セット多めに持って行くべし

1泊2日の登山だったとしましょう。もし1日目が終日雨だった場合、レインウェアを着ていてもかなりの確率でインナーウェアまで浸水してしまいます。撥水性の素材を使っていると言っても、あまりに長時間雨に打たれると少しずつ浸水したり、自身の汗が蒸れて結局インナーや下着まで濡れてしまいます。登山靴も中までびしょびしょび濡れます。

そうすると、登山開始時に着ていたインナーやTシャツは水没で使えなくなります。

テント泊をすることを考えると、就寝時には着替えが必要です。この時点で2セット分のウェアが必要ということになります。

そして2日目、就寝時に着ていたウェアをそのまま使って出発します。悲しいことに2日目も終日雨だとすると、工程の長さによりますが、2日目も終日雨であれば下山する頃にはインナーまでぐっしょり浸水してしまって2セット目もアウト。

つまり、登り始めから下山した時点で2セットのウェアを消費していることになります。これらは山小屋の乾燥室を使わない限りは乾くことはありませんし、テント泊の場合は原則乾燥室が使えないことがほとんどです。濡れてしまったウェア類は、テント泊登山者にとってはダンベル代りのお荷物な存在です(かなり重い)。

帰路が公共交通機関か車かがポイント

車で来ている人は車にあらかじめ着替えを積んでおくことでオールOK。1泊2日のテント泊登山であれば丸々雨が降ったとしても2セットの着替えがあれば何とかなります。

しかし、もし電車とバスを乗り継いでアクセスしている人は要注意です。下山する頃には汗と雨でインナーはほぼ浸水しており、そのままだとかなり臭います。端的にいって上のフリー画像くらい、鼻を背けたくなる臭いがしてしまうのです。特に靴下と下着がひどい。

理想的には、さらにもう1セットウェア類を携帯して、帰路ではフレッシュな格好で帰りたいですね(切実)

「雨」のテント泊登山:1泊2日のウェア数

テント泊登山で終日雨が予測される場合、晴れの場合よりプラス1セット多くウェアを持つことで快適かつ低体温症に配慮した登山が楽しめます。具体的なウェア数を下にまとめてみました。

レインウェア上下 理想は2セット
:一日目に水没したレインウェアは乾かないので、二日目に新品があると心強い。なくても何とかなりますが、さらに縦走する場合などは低体温症に注意が必要です。
Tシャツ 3セット
:登り+下山+帰路
インナー上 2セット
:登り+下山
インナー下 2セット
:登り+下山
下着 3セット
:登り+下山+帰路
ソックス 3セット
:登り+下山+帰路
パンツ 3セット
:登り+下山+帰路

もちろん1日目だけ雨で2日目が晴れるのであれば話は変わってきます。夏山でよく晴れるとパンツなどはすぐ乾きますので2セットあれば十分だと思います。この辺は天気を読んで臨機応変に総重量と相談して決める必要がありますね。

雨で濡れてしまった登山靴との付き合い方

初日に大雨に打たれ、トレッキングシューズは中まで水没しビチョビチョ。やっとの思いで雨の中テントを設営し、身を投げるかのようにテントの中へ避難。外は大雨、テントの中には雨で濡れたザックや装備類で一杯…。

しかしそれでも、テントの受付やトイレなどテントから出なければならない状況は発生します。低体温症を防ぐ観点からも、濡れたソックスはすぐに脱ぎ、新しいソックスに替えるべき。でも、新しいソックスを濡れた登山靴で濡らしたくはない。

そんな時はビニール袋に足を突っ込んで、“そのまま”登山靴を履きましょう。ビニール袋はコンビニの袋などでOKです。こうすることで新しいソックスが登山靴で濡れる心配がなくなります。ビニール袋の防水性は大したもの。ぜひ試してみてください。

まとめ:雨の登山ではウェアを+αで持って行くべし

夏山でも北アルプスのような高山帯で雨に濡れると驚くほど体が冷えます。帰路の悪臭を防ぐなんていうのは実はおまけみたいなもので、夏山での低体温症は雨風によるものがほとんど。3,000mの夏山で“凍えない”ためにも、晴れの登山よりプラス1セット多めに持って行くことをお勧めします。

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