【中央アルプス】縦走登山(2/2)空木岳へと続く稜線の先に、爆焼けの夕焼けと絶景の南駒ヶ岳

中央アルプスを縦走して、圧倒的な景色を目にすることができました。昨日は千畳敷から宝剣岳に登り、稜線を歩いて檜尾岳へ。今日は檜尾岳から日本百名山である空木岳まで縦走していきます。

目次

中央アルプス縦走(2日目):檜尾避難小屋~檜尾岳~熊沢岳~東川岳~空木岳~空木平避難小屋

1日目の締めは檜尾岳から夕景でした。檜尾避難小屋にて目を覚まし、いよいよ核心部の空木岳を目指します。今日の見どころは木岳から眺める夕焼け。この日は西の空が爆焼けして、美しい空模様や雲海に彩られた山の写真を撮ることができたのでした。山の神様に感謝。

檜尾避難小屋~檜尾岳

ご来光が上がる前に起床。檜尾避難小屋から檜尾岳まで上がって来ました。荷物はパッキング済み、ご来光を見て、そのまま先に進む準備もできています。

東の空に雲があったので朝焼けとはいきませんでしたね。でも雲の下から溢れる赤い空と南アルプスの連嶺がきれいでした。南アルプスの中にひょっこり富士山も顔を出しています。

太陽が上がると空木岳までようやく光が届いてきました。檜尾岳から望むご来光と空木岳の朝焼け狙ってたんですが、今回は残念。

檜尾岳から空木岳は南北の関係なので、角度的にもチョイ厳しいかも??

小高い丘の上にポツンと丸みを帯びた屋根が可愛らしい、檜尾避難小屋。とても快適な避難小屋で、トイレも併設されてますし、整備してくださっている駒ヶ根市に感謝。中央アルプスの稜線は風が強いので、テントでなく避難小屋だと夜も安心です。

檜尾岳~熊沢岳

さあさあ!檜尾岳から縦走を開始します。まずは次のピークである熊沢岳を目指すことに。前に映っているのは避難小屋でご一緒した方。

檜尾岳からの道、険しい所も多くて要注意ですね。中央アルプスの稜線ならでは、相変わらずアップダウンが多いのと草木がうるさい箇所が多い。道が分かりにくい場所もあるため、悪天時には一層注意が必要と思いました。

中央アルプスの稜線は時に(遭難)死亡事故も起きているようなので、気を引き締めていきます。

熊沢岳

熊沢岳に到着ー。!

濁沢大峰と違ってちゃんと山の名前が掘ってありますね。中央アルプスの標識は総じてちょっと適当感があるような無いような。宝剣岳とか標識すらなかったですし。

熊沢岳~東川岳

この辺りまで来るとようやく空木岳が大きく見えてきます。撮ってくれと言わんばかりの岩があったので自撮りしてみました。こうしてみると身長・体格に対して結構大きなザック(バックパック)背負っているんだなと思います。

日本一周後に購入したグレゴリーのバルトロ75L・Mサイズです。1週間程度の縦走ならこの容量で十分でしょう。私はフルサイズ一眼レフとレンズ3本、三脚を運んでますよ。

両手両足を使って岩を登るような場所もあってなかなか油断なりません。

東川岳へ来る頃には最高の青空が頭上に広がり、雲一つない気持ちのいい天気。感謝。今日晴れてくれたことは、空木岳のリベンジを狙う私にとってこの上なき幸せです。

東川岳からは一度標高を落として、有人の山小屋へと向かいます。

木曽殿山荘

東川岳と空木岳のコルに建っている木曽殿山荘(きそどのさんそう)に到着ー。!

私が小屋に到着すると、ご主人は小屋の外壁にペンキを上塗りしているところでした。挨拶すると優しく返事をしてくれて、ちょっと気難しいとの噂を耳にしていましたが、どうやら杞憂だったようです。

木曽殿山荘は「必ず」予約が必要

山小屋は本来、その性質から予約をしていなくても飛び込みで泊めてくれることがほとんどですが、この山荘だけは予約をしていないと本当に泊めてくれない、らしいです

  • 木曽殿山荘TEL : 0573-72-4380

木曽殿山荘は中央アルプスで数少ない有人小屋であり、南部で寝食をお願いできるのは木曽殿山荘と越百小屋(こすもごや)だけです。中央アルプス縦走では力強い存在ですね。

木曽義仲の力水

木曽殿山荘から歩いて15分程のところに木曽義仲の力水という湧水スポットがあります。不勉強でこの名前にピンと来なかったのでちょっと調べてみました。木曽義仲とは、源義仲(みなもとのよしなか)の通称なんだとか。戦に敗れて木曽に逃れたことから、この地にゆかりがあるそう。

木曽殿山荘が建っている場所は木曽殿越(きそどのごし)と言われ、義仲将軍がここを通ったという伝承に基づいているんだとか。

中央アルプス縦走時における水の確保について

中央アルプスを縦走する場合、ネックになるのが水の問題。中央アルプスは北の木曽駒ヶ岳から南の越百山まで、稜線上で水を入手できる場所がありません。木曽駒ヶ岳の山小屋で入手(あるいは下界で入手)しておいて、その後は木曽義仲の力水で追加します。この先は越百小屋を下った「上の水場」が次のポイントとなります。

中央アルプス縦走では木曽義仲の力水がポイントとなるので、最大限補充するようにしましょう(私は3L確保)。空木平避難小屋へ通じる道も水が流れているので、ゲットできる可能性があります

木曽殿山荘あたりから望む空木岳は大きく、そして天高くそびえています。ここから登り返しがスタート。

木曽殿山荘~空木岳

東川岳から下り、コルに建つ木曽殿山荘を越えて、空木岳中腹までやってきました。疲れているところにこの登り返しはキツイですが、後少しなので頑張りましょう。

空木岳の山頂は巨岩がひしめく鋭い形をしていますね。上部の方では少しずつ紅葉が始まっていました。

花崗岩が積み重なり、散りばめられた道をいきます。こんな風に岩が積み重なっていることを磊磊(らいらい)と言うらしい。ほえー。

さあ、巨岩を乗り越えたらそこには・・・!!

・・・空木岳の山頂はまだ先\(^o^)/

空木岳には第1から第3ピークまであります。ここで騙された人手をあげてみてください。うんうん、きっとたくさんいますね。

これ以上ない青空に歓迎され、高鳴る鼓動を抑えつつ先へ先へと歩きます。空木岳とはこんなかっちょ

いい山だったのか。前回来た時はマジで真っ白で何も見えなかったから、ちょっと泣きそうになりましたよマジ。

空木岳

空木岳(2864m)登頂しましたー。!

日本百名山の中で最も美しい名前をもつこの山。「うつぎだけ」何と響きのいい名前でしょうね。山名は花の「卯木」から来ているようです。

山頂は遮るもののない、360度の大展望が広がり、これまで歩いてきた稜線や南アルプス、八ヶ岳などそうそうたる面々を見渡すことができます。

天気がいいので空木岳の山頂でこの上なくリラックスします

最高か、最高の天気か。時刻はまだお昼過ぎ。今日は空木岳から夕日を望むという最重要ミッションがあるので、夕方まで空木岳でまったりします。今日はコーヒーをドリップ。

シェラカップはコーヒー沸かすのにちょうどいい大きさで、直火OKなので便利です。

ジョボボボボ。やっぱあれですね。スティックコーヒーは楽ちんですが、ドリップには敵いませんね。ここ空木岳の山頂ですからね。こんなところで飲むコーヒーがどんな素敵な味がするのか、ぜひ経験してみてくださいね。

ドリッパーはユニフレームのバネットが圧倒的に人気だと思います

二本足と三本足の物がありますが、安定性の観点から絶対的に三本足が大正義なので、こちらをおすすめします。

最高か。

フリースにレインウェアまで着こんで、くつろぐ気しかありません。

・・・

なんでこんなにくつろいでいるのかと言いますと、夕方まで時間がありまくるわけです。今日の寝床である空木平避難小屋まで一度下りて夕方また戻ってこようかとも思っていました。でも結構遠いんですよね。それにこのお天気、今日は神が舞い降りたかの如く天気がよくて、ガスが湧いてこない。避難小屋にこもってたらもったいないなと。

なので、空木岳の山頂でお昼寝することにしました。めっちゃ暖かい。標高2860mでのお昼寝は最高でした。

(記念撮影する方の邪魔にならない場所で寝ております。空木岳の山頂は結構広いです。)

駒峰ヒュッテ

寝てたら急にお腹が痛くなったので、山頂直下にある駒峰ヒュッテ(こまみねひゅって)にダッシュ。お手洗いをお借りしました。最近、急に腹が痛くなることがあって本当困ってます。ストッパ下痢止め飲む猶予を与えてくれない感じ。ビールの飲み過ぎかしら?ちょっと控えよう・・・。

駒峰ヒュッテは有人の小屋ですが、見ての通り小型で、食事の提供はありません。その代わり素泊まり3500円とリーズナブルな価格設定。空木岳でご来光を見たい方におすすめです。

午後遅くなるとさすがに雲が湧いてきましたが、それでも今日は奇跡的な好天。14時くらいまで視界はクリアでした。

空木岳から眺める南駒ヶ岳

なんでお昼寝してたのかと言いますと、雲一つない快晴は気持ちが良い反面、写真的には今一つパッとしません。あれは見て楽しむものです。写真的には、ガスが湧いて良い感じになるのを待っていたという訳です。

空木岳からは南駒ヶ岳の景色が抜群!雲が湧いていい感じになってきました。

いいですねー。

山を大きく写すのもよし、一部を切り取って撮るのもよし。やっぱし適度にガスがあるとかっちょいいです。

そんなことしてたら完全にガスっちゃいましたけどね(笑)

そんな時はコーヒーでも飲んで待つに限ります。暇人か。今日は6時間以上空木岳の山頂にいましたね。

でもです、山が本気を出すのは、ここからですよ!

空木岳から眺める絶景:爆焼けの夕焼けと南駒ヶ岳

夕方になるとガスが晴れてきました。空が黄金に色づき始めるころ、ガスが勢いよく山肌を走り抜けます。

空木岳から眺める南駒ヶ岳が絶景過ぎてやばいですね。後で写真見返したら、久しぶりに心から満足のいく写真でした。全体にごく薄いガスがかかっているので、それが一層幻想的な景色を創りだしています。

やばばばば。めっちゃ焼けてきた。辺り一面オレンジ色でヤバい。奥に映っているのは御嶽山(おんたけさん)です。程よいガスと雲、完全なるオレンジに染まる空木岳。

台湾から来たユーリンが写真を撮ってる私を撮ってくれてました。写真撮ってるときの自分を見たの初めてかも。

太陽の高度が下がるにつれて、黄金からオレンジ、そして赤や紫っぽくなってきました。あたりには雲海が広がり。この世の景色とは思えないレベルの絶景です

この空のグラデーションたるや。紫から黄色まで、空は爆焼け。もう本当に爆焼け。絵具を空にぶちまけたんじゃないかってくらい鮮やかな空色です。この日は下界でも全国的に夕焼けがきれいだったようです。そんな時に空木岳山頂にいたので、もう何撮っても大勝利しかありませんでした。

友達に写真を見せると「上下に雲がある!!」って驚いてました。なるほど。見慣れて当たり前になってましたが、そう言われると、山以外で自分の上下に雲がある状況ってあんましないかもですね。

空木平避難小屋

空木岳からの夕焼けショーを最後まで見届け、空木平避難小屋まで下りてきました。空木岳から空木平避難小屋までは沢になっているので、道に迷いやすい上にガレていて歩きにくいので夜歩く場合は注意が必要。そして。

この避難小屋・・・幽霊が・・・出るという噂があるんです。ひえっ。

いや、奥に居るのはゆーれいではなくユーリンですが(笑)

幽霊が出るとか本当怖いので、ご飯を炊いている間に、カルパスとビールを頂くことにします。幽霊が出るんじゃ仕方ないですよね。

さあさあ、夜ご飯を食べて、明日に備えたいと思います。お休みなさい。

中央アルプス縦走(3日目):空木平避難小屋~空木岳~赤薙岳~空木岳~池山尾根~菅ノ台

空木平避難小屋を未明に出発し、空木岳を越えて赤薙岳(あかなぎだけ)までやってきました。理由は一つ。ここから空木岳の写真を撮るためです。雲が多くて朝焼けとはいきませんでしたが、朝独特の美しい空色に彩られ、空木岳を望むことができました。

前回のリベンジは、これで成功ということで。

この日は今年一番の冷え込みということで、気温2度、体感温度は0度以下だったと思います。死ぬほど寒かったですが、明るくなる黎明の南アルプスを眺めて、最後の最後まで大満足の山行となりました。

空木平避難小屋~池山尾根

空木平避難小屋に戻って朝ご飯を食べ、荷物をまとめます。昨晩、団体さんが駒峰ヒュッテに泊まっていたらしく、牛歩のごとき安全歩行だったので、ちょっと先に行かせてもらいます。

空木岳の下山はこの池山尾根が一般的。長いです。果てしなき長い下り道です。

樹林帯の中をどんどん下っていきます。基本的にはそれ程難しくないんですが、一部険しい所があるので要注意。

小地獄・大地獄・迷尾根

特に注意が必要なのが、小地獄・大地獄と呼ばれるヶ所で、ほぼ垂直に岩を下降する場所があります。この辺りは焦らず、慎重に、しっかりと鎖と岩をホールドしておりましょう。同時に、迷尾根といういかにもな名前が付いている尾根があり、視界が悪いと迷い込んでしまう可能性があるため、要注意。

途中にハリーポッターに出てきそうな不思議な木を発見。

池山林道終点までやってきました。ここから先は車道もあるので、タクシーを呼ぶことも可能です。もちろん、私は歩きます。歩くと1時間半くらいかかるので複数人いたらタクシー呼んだ方が良いかもですね。

こまくさの湯

長い、長い下山路を経て、菅ノ台にある「こまくさの湯」までようやく到着!ここで温泉に入って疲れを癒すことにします。

  • アルカリ性単純泉(結構つるつる系)
  • 日帰り入浴610円
  • 浴場はとてもきれい。露天風呂あり。シャンプー/ボディーソープあり。
  • 食堂併設

空木岳登山後の日帰り入浴はここで決まりかな?近くには他にない気がします。安いし温泉も気持ちいいしで、高評価の温泉施設でしたよ。

菅ノ台バスセンター

菅ノ台バスセンターでバスに乗り込み、駒ヶ根へと移動します。

バスは上下ともに30分間隔で運行しているのでありがたいですね。千畳敷が観光地なのでこの辺のアクセスは便利です。

駒ヶ根(ソースかつ丼)

駒ヶ根と言えばソースかつ丼。菅ノ台バスセンター辺りにもお店がいくつかありましたが、今日は駅の近くで頂きます。食べたのは「きよし」という食堂。他には「水車」「やまだ」あたりが駅から近くて良さそうでしたよ。

・・・駒ヶ根バスセンターから新宿まで戻って、登山完了!!・・・

コースタイム

2日目

  • 5:00 檜尾岳
  • 7:30 熊沢岳
  • 9:00 東川岳
  • 9:10 木曽殿山荘
  • 9:30 木曽義仲の力水
  • 11:30 空木岳
  • 19:30 空木平避難小屋

3日目

  • 4:30 赤薙岳
  • 8:30 空木平避難小屋 発
  • 9:30 小地獄・大地獄
  • 11:00 池山林道終点
  • 12:00 こまくさの湯

登山データ

日程 行程 天気(午前/午後)
2017/9/13 新宿~駒ヶ根~千畳敷~宝剣岳~檜尾岳~檜尾避難小屋(泊) 晴れ/晴れ・ガス
2017/9/14 檜尾避難小屋~檜尾岳~熊沢岳~東川岳~空木岳~空木平避難小屋(泊) 晴れ/晴れ・ガス
2017/9/15 空木平避難小屋~空木岳~赤薙岳~空木岳~空木平避難小屋~池山尾根~菅ノ台~駒ヶ根~新宿 高曇り/晴れ

中央アルプス縦走を振り返って

日本海から高気圧が伸びる予想を見て、中央アルプスの縦走リベンジをすぐ思い立ちました。この先、山の緑は黄色づいてきますが、まだまだ夏山の雰囲気を残すうちに登ることができてよかったです。

全体的にアップダウンが多く、水場がほとんどない厳しいコースですが、晴れてさえいれば美しい稜線と山々を楽しむことができます。今回は空木岳からの景色に恵まれ、ここまで満足度の高い山行は年に何回もない、そんな感じの登山でした。

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