今日は登山や日本一周で汚れたダウンシュラフを洗ってあげたいと思います。
化繊の寝袋と違って洗う頻度や使う洗剤がイマイチ分かりにくいダウンシュラフ。
実際に洗うステップを通じておすすめの洗剤や、洗濯する際に気を付けるべきポイントなどをご紹介していきます。
ダウン専用の洗剤「NIKWAX」
ダウンシュラフを洗濯する際に必要なのはダウン専用の洗剤 NIKWAX(にくわっくす)だけ!ダウンシュラフは「洗濯」と言っても洗濯機を使う訳ではなく、お風呂場などで手洗いする必要があります。
手押しで洗うので場所はお風呂がいいと思います。
ダウンシュラフの洗濯では家庭用洗剤は使えない
ダウンシュラフは化学繊維と違いとてもデリケート。専用の洗剤を必ず使いましょう。
ダウン用洗剤はNIKWAXが最もよく使われています(当ブログ調べ)NIKWAXはイギリス発祥の会社で、世界中で多くの方に使われてきた実績ある洗剤です。
専用の洗剤が必要な理由は、羽毛本来の油脂を落とさず、ダウンのロフトや保温性を保つためです。ダウンシュラフの洗濯はクリーニング店でも可能ですが、自宅でも簡単にできます。
その際に家庭用洗剤だけ使わないよう気を付けましょう。
ダウンシュラフの洗濯では本当に家庭用洗剤は使えない?
余談ですが、ダウンシュラフの洗濯で家庭用洗剤を使っていい/使ってはいけないの表記が各社メーカーによって異なるので参考までに記載しておきます。
モンベル
一般の家庭用洗剤はダウンの天然油分を奪い、保温性を低下させてしまいます。「ダウンクリーナー」などのダウン製品専用の洗剤を使用ください。
イスカ
「中性洗剤」などのマイルドな洗剤を使用してご家庭でも洗濯可能です。その場合には、しっかりとすすいで、十分時間をかけた乾燥を心がけてください。
ナンガ
洗剤は羽毛専用をわざわざ買わなくても、いつもの液体中性洗剤で全く問題ありません。
御三家の意見が分かれており、判断は難しいですね。
私はモンベルのシュラフを使っているので、モンベルの記載に従い専用の洗剤を使っていますが、ダウンシュラフは安い買い物ではありませんので、ダウンシュラフ専用の洗剤を使うのが安心安全かだと思っています。
こちらが私のシュラフ。そこまで汚れていないように見えますが、日本一周で付いたスクリーンではお伝えできない臭いがこびりついています。
それでは、シュラフを洗濯していきたいと思います。
【ステップ1】浴槽にぬるま湯を張る
浴槽にぬるま湯を張ります。
シュラフを押し洗いするために10cm程度のぬるま湯を張りましょう。
【ステップ2】NIKWAXを浴槽へ投入
ぬるま湯にNIKWAXを投入します。
量はキャップ3~5杯が目安です。
多ければ良いというものでもないので、ガバガバ入れないようにしましょう。
シュラフのチャックはしっかり閉じておきます。ウェアを洗濯機で洗う時もそうですが、洗濯する際はチャックを閉める。乾かすときはチャックを開けるが基本ですね。
【ステップ3】ダウンシュラフを押し洗い
洗剤を入れた浴槽にダウンシュラフを浮かべます。羽毛が軽くて浮いてしまいますが気にしなくて大丈夫。
手で優しく水の中に押し入れます。
水の中にでシュラフを擦ったり、激しく洗ったり「しないよう」気を付けましょう。シュラフのアウター素材はかなり頑丈ですが、万が一切れてしまうと大惨事が起こります。
お湯の中でダウンを擦るのではなく、上から手で何度も押さえるように洗剤を通していきます。この時シュラフが黒く見えることがありますが、これは汚れではなくダウンのもともとの色です。
何度か押し洗いすると汚れが出て浴槽の水が濁ってきます。
シュラフを手洗いするときに大切なのはゴシゴシ洗わないこと、かき混ぜるのではなく、あくまで上から優しく押すように洗うことです。
【ステップ4】ダウンの洗剤を綺麗に洗い流す
どの程度押し洗いをするかというのは目安が難しいですが、ダウン全体に洗剤が行きわたり、お湯が濁ったら十分です。
押し洗いを終えたら、一度お湯を排水しましょう。
浴槽にぬるま湯を再び溜めて、ダウンシュラフの中に貯まっている液体洗剤をきれいに洗い出します。先ほどと同じ要領です。5cmくらいぬるま湯を溜め、押し洗いし、濁った水を排水します。
綺麗なぬるま湯での押し洗いを5回程度行えば、シュラフから洗剤液がすべて洗い出されます。ポイントは押し洗いしても水が濁らなくなるまで繰り返すこと。
このウォッシュアウトをしっかりしないと洗剤が中に残り、シュラフを痛める原因になるので要注意です。
【ステップ5】水を吸ったダウンを脱水する
さあ、ここまででシュラフがきれいになりました。後は乾燥させるわけですが、きれいに洗い終わったダウンシュラフは凄い量の水を含んでいます。
このまま干して乾かそうとしても全然乾きませんので、洗濯機の脱水機能を利用しましょう。
タライなどにシュラフを入れて、水が滴らないように洗濯機へ移動します。
洗濯機の底になるべく均等にシュラフをぐるっと入れます。
脱水の遠心分離中に重さがあまりに偏っていると“ガタンゴトン”してしまうためです。
とはいえ、ダウンが濡れていて完全に均一にするのは難しいので可能な限りでOK。
脱水時間は1分でOKです。
洗濯機の脱水は遠心分離を利用するためシュラフに凄いGがかかります。
そのため長時間脱水するとシュラフが切れてしまう恐れがあり、短時間にしましょう。
1分でも絶大な効果があるので心配はご無用です。
【ステップ6】乾燥機でシュラフを乾燥させる
洗濯機で脱水した後は乾燥機で乾燥させます。
低温低速でゆっくり乾燥させます
少なくとも、1時間や2時間では完全に乾燥させることはできません。乾燥時間で決めるのではなく、シュラフが完全に乾いたと思うまで乾燥させましょう。
この時ジッパーは開けておきます。また、必ず低温で運転させます。
高温になりすぎるとシュラフを痛めてしまいます。
生乾きのシュラフは臭いですし、カビの原因にもなるので、内部までしっかり乾いているか確認はしっかりと。
乾燥機も浴室乾燥もない場合
浴室乾燥でも大丈夫ですが、相当な時間がかかるので乾燥機の方がおすすめです。
乾燥機も浴室乾燥もない場合は、ありったけのバスタオルで可能な限り水分を吸水した後、陰干しします。
【ステップ7】偏ったダウンを均等にする
乾燥機で乾燥させる場合は、ダウンの偏りはかなり解消されます。
それでも広げてみて気になるところがあれば手で叩くようにダウンの偏りをほぐします。
これで、ダウンシュラフの洗濯は完了です。
【ステップ8】ダウンシュラフに撥水処理をしたい場合
洗濯、乾燥を終えた後、以下のような撥水剤スプレーを全体に塗布し、風通しの良い場所で1日放置しましょう。これで気持ちのいいシュラフに戻りましたね!
ダウンシュラフの洗濯はどのくらいの頻度?
シュラフのダウンに皮脂や汚れや付着すると、ダウンが暖かい空気を蓄える能力が低下します。保温性が低くなり、想定していた暖を取れなくなる可能性がありますので、定期的なメンテナンスが重要です。
自転車日本一周などのハードユースでは旅中1回は洗いたいですね。年10回程度のテント泊登山の場合は年に1回の洗濯で十分です。
洗いすぎもシュラフを痛める原因になるのであまり神経質にはならず、ダウンのロフト(モコモコ具合)と臭いで決めるといいでしょう。
おすすめのダウン用洗剤
ダウン用のNIKWAXは「ダウンウォッシュ → ダウンウォッシュダイレクト」という名前にに変更されているようですので、こちらをお使いください。
NIKWAX意外にも試してみたいという方は、モンベルのダウン用洗剤も好評のようです。
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コメント一覧 (2件)
羽毛布団もダウンジャケットも、ダウンは押し洗いと乾かしてからの偏った羽毛の捌きが肝ですね。中の団子になった羽をバラけるように捌くのは、全然見えないから、終わりが分からない。
半日仕事だよね。で、その後も気になったらバサバサやって、安心できるのに一週間ぐらいは掛かりますね。
お金持ちなら高級クリーニングに出せば良いんだろうけど、なかなかそうもねぇ。
そうですねー!羽毛の製品は気を使いますよね・・・
ダウンシュラフは下手に扱って性能が落ちてしまうと困りますし。
本当半日仕事と言う感じです(汗)
クリーニングはクリーニングで、ダウンの実績があるところじゃないと微妙だという話を聞くので、
結局は丁寧に自分でやるのがいいのかな?とか思ったりしています。
お金も浮きますしね☆