あけましておめでとうございます。早いもので2025年ですね。
今日は個人ブログ、特にワードプレスを使ったブログについて書きたいと思います。
私は2015年からワードプレスでブログを書いてきましたので、今では10年物の古参勢。時の流れは早いものです。
私がブログを始めた当時、Youtubeはまだまだ主流ではありませんでした。通信速度が今よりも格段に遅く、スマホの容量も3GBや7GBといった時代でしたので、動画コンテンツは存在こそしていましたが、だれもがスマホで見る時代ではなかったんですね。
それが今は、通信容量はほぼ無限と言っていい時代となり、誰もが動画を楽しめる。
そんな反動を受けているのが『個人ブログ』です。
2015年から2019年くらいまではブログの黄金期だったのではないでしょうか?私の記憶している限り、この年代はアフィリエイトが驚くほど流行し、多くの個人ブログが乱立しました。それに比例して、魅力的なワードプレスのテーマも誕生したように思います。
そんな個人ブログですが、2020年に入ると様相が変わります。庶民化が進んでいたYoutubeが一気に台頭。コロナウイルスの世界的流行も相まって、Youtubeでのゲーム配信などがピークを迎えます。
反して、アウトドア系のブログなどはこのころから一気にブームが去ってしまいます。私が観測している範囲でも、コロナ禍の影響で登山やアウトドアの趣味を「ほぼ辞めてしまった人」が多いようです。
メディアがブログからYoutubeに移行するタイミングで趣味趣向が変わった人も多いのでしょうね。
それだけではなく、ブロガーやアフィリエイターがあまりにも増えすぎてしまい、Googleで何かを調べた時に「似たような結果が表示されるブログがありすぎる」問題が増えてきました。
つまり、上位表示されるブログの内容を真似たような記事が乱立し、オリジナルな体験を持つ価値ある記事が表示されにくくなってしまったのです。
状況を複雑化したのがAIの登場です。AIは文章を作成するのが得意なため、人が書いた記事だけではなくAIを利用して書いた記事もGoogle上に増えました。
検索結果が「カオス」なものとなり、競争は激化し、ブロガーやアフィリエイターの収益は激減。そして今に至ります。
こうした時流の中で地殻変動となったのが、Googleのアルゴリズムの変化です。
2021年くらいまで、Googleは個人ブログや価値ある小さな原体験を「頑張って表示しよう」としていました。
しかし、上記のように情報が氾濫する中で、Googleはついに匙を投げてしまいます。「もう情報整理するの無理」ですと。
その結果、企業メディアや、特定の分野に特化したコミュニティ(登山ならYAMAPやプログラミングならQiitaなど)の検索結果が「露骨に上位表示される」ようになりました。
個人ブログやAI作成の記事が増えすぎた結果、Googleはそれらの情報の価値をまともに検討することは難しいと判断したのでしょう。企業やメディアばかりが上位に表示されるようになり、いよいよもって、個人ブログの役割は終わりを迎えようとしています。
さらに追い打ちをかけているのがGoogleアドセンスのオワコン化です。個人ブロガーはGoogleアドセンスをブログに貼り付けることで、一定の収益を得ていました。これがブログを続けるモチベーションになっていた人はかなり多いです。しかしながら、ネット上の広告は圧倒的にクリックされなくなっています。みんな慣れてしまい、もはやスパム同様の存在になってしまったんです。
さらに、アマゾンのアフィリエイト報酬が減っているなど(上限額の撤廃など後押しする動きもありますが)、個人ブロガーがブログを通じて収益を得る手段は確実に優先度が下げられています。
それどころか、最近ではそもそも「ググらない」人も多い。chatGPTを使えば「広告などのうざったいノイズがない結果」のみを知ることができるため、そもそもググる必要すらない場面が圧倒的に増えているからです。
こうした一連の動きの中で、個人ブログ、特にWordpressを使って発信するブログというものは、本当に隅に追いやられている感覚があります。代わりに、noteを使って情報を発信している人が増えました。
ブログを作ったとしても、上記のように「そもそも見てもらえない」可能性が高く、それであれば無料でなおかつ「仲間がいる場所」で情報を発信した方がいいと考える人が増えるのは当然のことです。
これまでは「noteなんて何のために書いているのか?」とか「googleの検索結果に全然表示されないのによくやるな」なんて思っていましたが、上述した時代の流れの中で、立場が入れ替わってしまいました。
今の10代や20代が情報発信するためにブログという手段を選択するわけもなく、個人ブログが息を吹き返す可能性は非常に低いと思われます。
では30代や40代以降はどうかと言えば、私が購読していたブログを改めて訪問したところ、95%のブログは更新されておりません。
以前から知っている方の中で変わらず更新を続けていらっしゃるのは「 I AM A DOGのOKP」さん「はらですぎ」さんなど。はてなブログの現在地は分からないのですが、それでも孤島さながらのWodpress界隈よりは上手くいっている可能性はありそうです。
WordPressは高い自由度が魅力でしたが、半面、コミュニティを形成しずらいという欠点があり、世の中の情報が「カテゴリーごとに分類され、情報が高度化し、集約されている昨今」では、あまりにも弱い立場となってしまいました。
それでもブログが好きなら続ければ・・・という言葉もありそうですが、これほど皆が更新をやめてしまうほどに、収益が減少しており、それならもう書かないでいいか・・・と思っている人が多いのが実情なのだろうと思います。
これも時代でしょうね。
その時その時に適した、求められているメディアしか生き残れないのは、致し方ないなと達観するしかなさそうです。
だからと言って、ブログを書く意味がないと言いたいわけではなく、こういった状況を理解したうえで、なぜブログを書くのか、内省する必要はあるでしょう。
私の場合は、このように「noteのようなコラム記事」を書いていこうと思っています。
写真をたくさん載せて、SEOを意識したタイトルを付けて・・・というのがシンプルに割に合わないこともありますが、私も歳をとったのか、下手に関連性の低い写真が載っているより、文章だけの方がマシだと感じるようになったからです。
その方が、その人が考えていることがわかり易い、なんて感じることが増えていますしね。
書くのが好きならそれだけでブログを続ける理由としては十分。しかし、収益や知名度向上は、依然と比べて格段の格段の格段に得られなくなっているということだけは、知っておく必要があるかと思います。
もし今から情報発信のプラットフォームを作りたいという場合、さすがにブログはあり得ません。今からゼロからやるなんてクレイジーすぎます。ブログは自己紹介やバイオグラフィなど自分自身に関する情報を文章として提供する程度の場にとどめて、自己ブランディングはYoutubeなど他の場所を選んだ方がいいでしょう。
ただし、Youtubeも各種ソーシャルメディアも真っ赤なレッドオーシャンなので、厳しいのは変わりませんが。
それでも、ブログよりはいろいろな意味で挑戦する価値が残っている、そう言ってしまっていいでしょう。
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コメント一覧 (4件)
あけましておめでとうございます。
Japan Nomadがきっかけで、ブログを書きながらの自転車日本一周を始めた私にとって、大先達である清宮さんが書く「個人ブログの終焉」というテーマは呼んでいて大変身につまされる思いがしました。
私が旅と共にブログを始めたのが「既にGoogleがサジを投げた後」である2022年ごろ。一度たりとも黄金期を体験していないブロガーからしても年々ブログというメディアの勢いがしぼんでいる実感があります。
私も今後は情報発信媒体としてではなく、経験を保管しておくためのコレクションルームとしてブログと付き合っていこうと思います。
追伸。
更新とても嬉しいです。私はJapan Nomadの影響で山にものめり込んだ人間ですので、清宮さんの山引退をとても寂しく思っていたのですが、引退宣言後もこうして記事を更新してくださって今は嬉しい気持ちでいっぱいです。それで自覚させられたのが私は登山家、写真家ではなく文章家としての清宮さんのファンだったんだなという事。今後も清宮さんのコラムを楽しみにしておりますm(__)m
とても嬉しいコメント、ありがとうございます!ファンだなんて言ってもらえて、恐縮です
私のブログや経験が、ほこからさんに少しでもポジティブな影響を送ることができていたのだとしたら、それはブログで情報を発信してきたブロガー冥利につきます。
ブログを拝見しましたが、日本一周も登山も、高密度ですごく素敵な経験をされておられますね。屋久島では湯泊まで横断されていたようで、自分の時のことを思い出し、とても懐かしくもありました。
ブログや登山はいつでも再開・中断ができる良い趣味だと思いますし、ブログについては積極的な情報提供から自分の声を少し紹介するコラムまで、色々な形があっていいのかなと。お互いに、ブログの更新が続けられたらいいですね。私も、ほこからさんの更新を楽しみにしてさせていただきます✨
こちらこそ、この清宮さんのコメントがとてもうれしかったです。そして私のブログの方も見て頂いたようで大変恐縮です。
屋久島の湯泊歩道なんかはまさにJapan Nomadを読んでいたからこそ通ろうと思ったルートでした。荒れていてヒヤヒヤしたコースですが、やけくそのようなピンクテープの多さはブログで見た通りだなと可笑しくなったことを覚えています。
清宮さんの影響を受けて行ってみたルートと言えば他にも「十勝岳オプタテシケ山縦走コース」等がそうですね。二度とはいきたくないコースですがその分素晴らしい経験ができたと思っています。私の場合は富良野岳まで行けなかったのがちょっぴり心残りなのですが(^-^;
……こんなコメントができるのもブログのおかげですね。
今では企業メディアや専門コミュニティを押しのけて上位表示させるのも難しく、拡散性にも乏しい「ブログ」ですが、こうして違う時代に同じ場所でした経験を語り合えるのもブログを書いていたからこそ。未来でもこのようなやり取りが多くの方とできるようにブログを続けていきたいなと改めて感じることができました。
めちゃくちゃ長文で大変失礼しましたm(__)m
ブログに成果を求めると虚しさも見えてしまいますが、自分なりの居場所として、また、情報発信の場所として活用できればなと思っています。時代は巡るものなので、ブログが見直される時代がやってこないとも限りませんしね!お互い、気楽に続けていきましょう✨