グレゴリーのバルトロ75Lを使い始めてから早いもので数年経ちました。
それなりにダメージも見られること、そして何よりバックパックには無限(?)の選択肢と可能性がありますので、そろそろ新しいバックパックを検討したいと思います!
最近はガレージブランドの「山と道」などUL装備を使う方がかなり増えているように思います。流行り廃りはありますが、全登山者に最適なバックパックというものはありませんので、用途に応じた製品を選ぶ必要がありますね。
私の登山スタイルにバッチリ相性が良くて、使い勝手が良い理想なザック…そんな運命の出会いを期待しつつ、候補となりそうな物をピックアップしました。
夏山テント泊登山に必要なサイズ
夏山テント泊に求められるザックのサイズ(容量)は特殊な荷物(一升瓶とか)を持たない限り50Lあれば十分でしょう。
私のように三脚や交換レンズなど撮影用の荷物を持っていたとしても60Lあれば十分な場合が多いと思います。
真夏で荷物が少ない場合は40Lでもテント泊登山が可能ですが、残雪期や秋山まで見込むのであれば、余裕を持って50L〜60Lあたりが至適な大きさかと思います。
雪山テント泊登山に必要なサイズ
一方、雪山テント泊登山に求められるザックの大きさは最低でも60Lは必要で、場合によっては75Lでもやや窮屈に感じることもあります。
持っていく荷物の量は、どれくらい夜を快適に過ごしたいかで大きく変動します。
防寒対策をしっかり用意して、ワカンやスノーショベルなど雪山装備を携帯し、かつ撮影用の三脚などを含めた場合60L〜80Lが最適な大きさだと思います。
夏山から冬山まで1つのバックパックで済ませるのは困難
夏山登山50L〜60Lに対して雪山登山60L〜80L・・・つまり1つのバックパックのみを使い回して、真夏から真冬まで快適に、とはいかないわけです。
雪山登山を意識すれば夏山でザックが大きすぎるし、夏山を前提に考えると雪山ではザックが小さすぎます。
強いて言えば中間の70Lが落としどころ。夏では持て余す大容量となりますが、大は小を兼ねると考えれば70Lのバックパックでしのぐことは可能です。
なるべく少ない数のザックで済ませたい場合、雪山テント泊登山をする人にとっては、雪山を意識してバックパックを選んだ方が賢明かもしれませんね。
気になる大型バックパック
種類 | サースフェー60+20 | バルトロ75 | エアコンタクト65+10 | グレイシャー71 | イーサープロ70 | ヴァーサント70 | サンダー70 | パラゴン68 | ユピック65 |
メーカー | ミレー | グレゴリー | ドイター | ミステリーランチ | オスプレー | スーリー | エクスペド | グレゴリー | モンテイン |
重量 | 2,470g | 2,190g | 2,540g | 2,900g | 1,730g | 1,760g | 1,600g | 1,600g | 1,790g |
値段 | ¥31,900 | ¥47,300 | ¥36,300 | ¥46,200 | ¥45,100 | ¥46,200 | ¥35,200 | ¥37,400 | ¥29,000 |
耐荷重 | – | 25kg | – | – | 27kg | – | 24kg | 22.7kg | – |
表には収まりきらないくらいのバックパックがありますが、私が気になっている物を横並びでまとめてみました(リンクは公式ページ)。
これらを選択した理由を簡単に紹介しますと・・・。
マムートやブラックダイヤモンドはクライミング志向の強いパックが多いこと、アークテリクスは値段が高すぎること(8万円くらいします)、バックパックまでモンベルは避けたいこと、カリマーやバーグハウスは好みではないこと、ノースフェイスはこの分野であまり聞かないこと(グリフィン75など大型ザックもあります)が理由です。
ミレー / サースフェー60+20
多くのポケットや便利な機能が付いているバックパック。60+20ということで最大80Lまで荷物を入れることが可能。一つのパックで夏山から雪山まで使いやすモデルという意味で、私の希望に最もマッチしているかもしれません。
しかし、私はグレゴリーから入ったからか、バルトロの重さと比べて若干重たいのが気になるのと、良くも悪くも強烈な個性を感じない。
値段は4万円を切る良心価格なのですが、グレゴリーと比較して口コミやレビューが総じて少ない気がします。ミレーのサースフェーといえば定番ザックの一ですが、このザックに惚れ込んで喧伝している人があまりいないのは気になります。
グレゴリー / バルトロ75
私が使っているのは旧タイプで、画像の最新モデルは通気性が向上、重量が軽くなり、メッシュのフロントポケットが付きました。日本全国のアウトドアショップで最も売れている大型パックはグレゴリー65であることからも分かるように、バルトロシリーズは登山者から絶大な支持を受けています。
S/M/Lと背面長からサイズを選べるためフィッティング性能が高く、背負った時、特に登りで着るようにフィットする構造をしています。バックパックの王道バルトロの満足度は非常に高く、今使っているバルトロから機種変更する感覚でまたバルトロを選んでもいいと思えるくらいに名品です。
ブログ映えを考えなければまたバルトロに買い替えてもいいと本気で思っています。
ドイター/ エアコンタクト65+10
ドイターを象徴するバックパックの一つで、実は昔から買おうかずっと悩んでいるバッグの一つ。
スペック上の重さを感じさせないほど優れた背負い心地が魅力。背面パネルとウエストベルトに極めて肉厚な素材を当てているため、バッグ本体は重たいですが、それを相殺する優れた背負い心地がとにかく素晴らしい。
縦長の構造で、重心が上にあるバックパックなので姿勢を正して歩きやすい。値段も手頃で魅力的。
ミステリーランチ / グレイシャー71
いつからか急速に市民権を得たミステリーランチ。おしゃれな見た目からかSNSで人気を博している印象。
米軍で採用されたという謳い文句からも分かる通り、非常にしっかりした作りです。大型バックパックの中でも重たい分類ですが、背負ってみると重量を感じさせない優れた背負い心地が実感できます。
ポケットが一般のパックとは異なるユニークな形状ですね。
雪山テント泊登山で使用する場合、少なくとも私の体格に2.9Kgは重すぎて持て余すことが予想されます。
私の体が大きければ第一候補になったかもしれません。それくらい背負い心地は優れています。
オスプレー / イーサープロ70
アウトドアショップで衝撃を受けたバックパック。70Lの大型バックパックなのに重量は1.7kgと非常に軽い。このサイズでは最軽量のバックパックかもしれない。
背負ってみるとその軽さが実感として理解できる。それでいてウエストベルトやショルダーハーネスは肉厚でしっかりとした作りをしているのが好印象。軽さを追求しながらも、背負い心地や耐荷重は犠牲にしていない。
この軽さを実現するためにポケットの数を減らしてシンプルな構造を採用しているものの、必要最低限のポケットは残しているのが好印象。
あまりレビューを見かけないことだけ気になっています。
スーリー / ヴァーサント70
スーリー(THULE)というブランドを知らないという方も多いと思いますが、スウェーデンのブランドです。
ショルダーハーネスと背面パネルがベルクロで一体化しており、背面長を簡単に調整できるのがポイント。雨蓋が取り外し可能でアタックザックになるのも面白い。
70Lにして1.8Kg程度と軽量級です。
代理店が最近変わったのか値段が昔より高くなっている気がします。口コミが非常に少ないので、店頭でしっかり相性を確かめる必要がありますね。
エクスペド/ サンダー70
70Lの容量に対して重さが1.6Kgとこのクラスでは最軽量の一つ。エクスペド(EXPED)はあまり馴染みがなかったのですが、スイスのブランドです。
この軽さで本当に重たい荷物を「快適に」背負えるのか、ぜひ試してみたいところ。
難点はAmazonなどで売っていないし、何より公式でも売り切れなのは寂しい。日本ではあまり流通してない?
グレゴリー / パラゴン68
グレゴリーのバックパックのフラグシップモデル(代表モデル)がバルトロであるならば、近年の軽量化トレンドを意識したモデルがパラゴン。68Lのサイズに対して1.6Kgは驚き。軽量化と同社が誇るフィッティングをどのように融合させているのかとても気になります。
68Lあれば雪山テント泊登山も不可能ではない大きさなので、背負い心地によっては選択肢に入るかと。
私のように三脚や交換レンズがなければ、バルトロよりパラゴンの方がマッチするという人は多そうですね。
モンテイン / ユピック65
モンテイン(MONTANE)というブランドを知らないという人も多いかもしれませんが、イギリスのブランドです。
日本ではエバニューさん(日本一周の際にスポンサーとしてお世話になった)が代理店をしていたので、モンテインのバックパックやウェアにはとても愛着があります。日本では入手しづらいという難点があるものの、モンテインの製品は安い割りに使い勝手が良いのでもっと推していきたい。
(エバニューさん代理店辞めちゃった??)
まとめ
一番気になっているのはオスプレー / イーサープロ70です。
クライミング用パックほど切り詰めていないポケットの配置と数、そして70Lを感じさせない軽量な作りと背負い心地。
こういったコンセプトのバックパックは選択肢があまりありません。バルトロ75Lは最高なパックなんですが、少しポケットが多すぎる印象で、多機能な分だけイーサープロより重量が増しています。
店頭での背負い心地はもちろん重要ですが、こうして横並びで比較することで見えてくるものもありますね。同じ登山スタイルやこれからバックパックを買いたいが何を選んだらいいのか全くわからないという方の参考になれば幸いです。
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