自転車日本一周中、屋久島に2週間もいた清宮です、こんにちは!
屋久島長期滞在ではたくさんの景色に出会い、多くの写真を撮ることができました。屋久島の巨木、苔、動物、滝、ガジュマル、そして山。せっかく長期滞在していたこともあり、私が撮った写真と共に、屋久島の写真スポットやカメラの設定などを振り返ってみたいと思います。
遠路はるばる屋久島まで行ったのに「全然いい写真撮れなかった\(^o^)/」となっては悲しいですよね。私も本当にまだまだ修行中ではありますが、屋久島観光の参考にしてみてくださいね。
写真撮影の話の前に、まずは屋久島の基本情報からご紹介していきましょう!
屋久島の主な観光スポット
屋久島の主な観光スポットを図にしてみました!屋久島は海岸線にのみ僅かな平地があり、中心部のほとんどは山岳地帯となっています。ガジュマル、滝、灯台などは島をぐるっと走る海岸線から近い所にあるので、車で周りながら観光しやすいですね。
一方、白谷雲水峡と縄文杉は軽登山、屋久島三山(宮之浦岳、永田岳、黒味岳)へ行く場合は本格登山となります。宮之浦岳や永田岳は標高1900m程度と高い山で、平地と比べて約2kmも高い場所に位置しています。そのため、平地が晴れでも曇り/雨だったり、風が強かったり、冬はガチの雪山になったりと、訪れる場合は注意が必要。
目的によって持って行くべき装備が変わるので、事前にしっかりと計画を練っておきましょう。屋久島には登山のレンタルショップが複数あるので(宮之浦、安房)、思い切ってレンタルしてみるのもアリかと思います。
屋久島へのアクセス
屋久島へ行く方法は意外にもたくさんあります。
一番安くあげたいのであれば「はいびすかす」、とにかく早く着きたいのであればトッピー(3時間)か飛行機。フェリー屋久島2は4時間の航路なので、値段や時間を考えると中間型と言った感じ。何にしたって、拠点は鹿児島になります。
私が使った「はいびすかす」は自転車や車の方におすすめです。前日の夕方に出港、船中泊の後翌日の朝に着くので、船の中で寝れるし、一番安いですしね。ただし、乗り場が鹿児島市街からちょっと離れているので、その点だけ要注意。歩きであれば、乗り場の利便性からフェリー屋久島2が良いかもです。
羽田から屋久島への直行便はないですが、大阪の伊丹や、福岡、鹿児島から出ているのでこちらで乗り換え。関東圏の人は、鹿児島で乗り換えて行くのが一般的ですかね?
屋久島空港の離着陸は・・・なんと、レーダーではなく、パイロットの目視によって行われています(驚愕)。そのため、全然荒れた天気でなくとも、低い雲で視界不良となるだけで欠便となりますので、飛行機利用には相当なリスクが伴うと思った方が良いです。個人的にはフェリー推奨。
(実際、2017年のGW中日は飛行機が飛ばず、帰れない人が続出しました。)
屋久島のご飯について
宮之浦「海舟」にてトビウオの塩焼き定食(右上はトビウオの刺身、右下はトビウオのさつま揚げ)
栗生「手打ちそば松竹」にてトビウオの棒寿司セット
・・・屋久島と言ったらトビウオ料理は外せません。トビウオが食べられるお店は多いのでご安心を。宮之浦の海舟は民宿もやっていて、ご飯も美味しくおすすめ。安房の屋久どんではトビウオで出汁をとったうどんが食べられます。栗生に唯一あるお蕎麦屋さん松竹ではトビウオの棒寿司が食べられます。
他にもお洒落なカフェがあったり、お寿司屋さん、居酒屋と食事処は多い。
ただし、宮之浦や安房などに集中しているので、栗生や永田など西部へ行く場合は要注意。特に永田は繁忙期しかお店がやっていなかったりします。どの集落にも商店はあるので、お店が無ければラーメンとか買って食べましょう。
屋久島の天気について
栗生にて「島民が年に数回レベル」と言う超大雨に遭遇。こうなると外出は困難です。
(この日に縄文杉へ行った人と後日会って、心底驚きました笑)
永田集落では気持ちのいい青空が広がりました。
・・・屋久島=雨という方程式は、ある意味正しいですし、ある意味間違いです。確かに、屋久島は日本のみならず、世界的にも屈指の多雨地帯ですが、毎日雨が降っている訳ではないんですね。
では、どういう時に雨が降って、どういう時が晴れるんでしょうか?私が滞在していた時の天気図と共に振り返ってみます。
1 屋久島がしっかりと高気圧に覆われる時
雲一つない快晴に恵まれることが多い。屋久島に限った話ではありませんが、高気圧に覆われさえすれば、屋久島もしっかり晴れて、観光日和、登山日和となります。狙い目は、「東シナ海(中国と九州の間の海)から高気圧が東進して来る」と天気予報で発表されたり、天気図から確認できる時。
こちらは4/27の天気図ですが、東シナ海から高気圧が張り出し、これから東進してくることがわかります。この時点ではまだ曇りですが、「明日は晴れるだろうな」と楽しみになる天気図ですね。
この日は白谷雲水峡と縄文杉に居ました。あえて雲の多い山に行くのもいいですし、雨上がりの白谷雲水峡などは苔が生き生きしていておすすめです。
予想通り、2017/4/28や4/29は高気圧に覆われて最高の天気となりました。
縦走の中日は雲一つない快晴、高気圧が東進して屋久島が覆われている間はしっかりと晴れてくれます。
2 高気圧が屋久島の東へ遠ざかって行った時
晴れから曇り、そして雨に変わる可能性が非常に高いです。快晴の後、高気圧は西から東へ遠ざかっていきます。この時が要注意で、本土は晴れ/曇りでも、屋久島は大雨となっている可能性があります。東にある高気圧から湿った空気が流れてくるためです。この時、特に屋久島の東面は雨の可能性が高いため、一抹の期待をかけて永田など西面へ行ってみるのがいいかもしれません。
高気圧が遠ざかると、どんどん雲が湧いてきて曇り出し、翌日から雨が続きました。
雨の間はゲストハウス「とまり木」で楽しい時間を過ごしていたので問題ないですが。
3 前線が九州の南岸に接近した時
雨です。超雨となります。逃げようがありません。宮之浦岳など高い山は大荒れとなるので、登山は控えるべき。この天気図は私が屋久島に到着した4/26のものです。前線が屋久島を直撃していますが、実際ハンパない大雨でした。
こうなると外出は困難。おいしいトビウオの料理でも食べてゆっくりしましょう!こういう天気では飛行機はまず飛ばないので、フェリーでの入出島をおすすめします。
なお、フェリーは波が3m以上でうねりを伴う場合、欠航となることがあります。悪天では屋久島に封鎖される可能性があるので、会社には「屋久島に行くので休みを延長する可能性あり!」と事前に言っておいてもいいかもです笑
屋久島の写真撮影で気を付ける事
屋久島は、晴れることもありますがそれでも雨が多いのが事実。屋久島での写真撮影は、辺りが暗いことが多いのでその点注意する必要があります。
全体的に気を付けたいこと
まず、天気が悪くて暗かったり、森の中にいる場合はISO感度を高めに設定しましょう。ISOが低いと写真がぶれたり、露光時間が長くなって色味がおかしくなったりします。
次に、ホワイトバランスを事前に設定して、一番いい色が出るようにしましょう。興奮して写真を撮りまくる前に、ホワイトバランスを決めちゃいます。晴れだったり明るい場所ならホワイトバランス:オートで問題ありませんが、暗かったり、森の中にいる場合は要注意。苔の緑がきれいに映るかどうかは、ホワイトバランスの設定によるところが大きいです。
・・・それでは、場所ごとに撮影条件とポイントを説明したいと思います。
白谷雲水峡で苔を美しく撮る
白谷雲水峡は何と言っても巨大な屋久杉と美しい苔!この苔をいかにして、あるがままの色で、瑞々しく撮るかがポイント。
まず、白谷雲水峡は森の中ですので、辺りはかなり暗いです。ISO感度を高めに設定して写真がボケないように気を付けましょう。苔に思いっきり寄ったり、思いっきり引いて撮る。中途半端な距離感だと後で見て「え…なんか微妙」的な写真になりがちです。苔に寄って背景をぼかしたい場合には、f値を小さく設定して、焦点距離を長くします(広角より望遠という事)。
色温度は、カメラによって設定できる場合とできない場合がありますが、ホワイトバランスは苔の色を表現するのに非常に重要。私としては、4500Kくらいが一番いいかなと思っています。値を設定できる場合、まずは適切な色温度を探しましょう。「曇り」とか「蛍光灯」とか、シーンごとしか選べないカメラの場合、一番よさげなシーンを選ぶしかありません(それか高いカメラへ買い替えましょう笑)。
ベストはRAWで撮っておいて、後でレタッチして適切な色温度を決める事なのは言うまでもありません。
宮之浦岳山頂からの景色
宮之浦岳山頂に行ったら永田岳しか撮るものはありません!永田岳に全力を注ぎます。山頂は360度の展望が広がっていますが、永田岳方面以外はそこまでパッとしないんですよね、実は。
永田岳山頂から望む宮之浦岳のご来光
永田岳山頂からは対峙する宮之浦岳がすばらしい。障子岳の岩壁も迫力満点です。春~夏にご来光を撮る場合、最低朝の5時までには山頂に着いておきたいところ。これでも九州なので日の出は遅い方です。
ご来光の写真って本当に難しい。何と言っても、辺りはまだ暗いのに太陽だけ「ピカーンッ」と輝きまくっているわけです。とにかく明暗差がハンパない(白目)
太陽と周囲では、入社直後の社員と入社4年目の社員くらい、輝きに差があります。
これは後からレタッチでシャドウを持ち上げたり、ハイライトを落としたりして調整するしかありません。あるいはハーフNDフィルターなどを使って太陽の露出を落とすなどの工夫が必要。Jpegでの一発撮りで、ご来光など明暗差が大きい写真は難しいかと(極論)。
理想なご来光は、太陽がある程度隠れてかつ山が焼けるような雲が出ている時です!これを狙っていきたいですね。
黒味岳山頂からのご来光
黒味岳からご来光を望む場合、宮之浦岳や永田岳は北側に位置しているので、絡めて写真を撮るのは難しい。少なくとも17mmの広角レンズでは無理でした(涙)
ガジュマル
上は中間のガジュマル、下は志戸子のガジュマル。ガジュマル園には巨大かつたくさんのガジュマルが植わっているので、好きなものを見つけてください。私は広角レンズで下から煽って撮る構図が好きで、ガジュマルのウネウネ感や迫力が伝わりやすいかなと思います。
ガジュマルはどんな風に撮っても面白いと思うので、個性の見せどころですね。
大川の滝(おおこのたき)
大川の滝は屋久島一巨大な滝で、落差88mを誇ります。割と滝つぼ近くまで寄ることができるので、好きな場所で構図を決めることができます。撮影には広角レンズがあると便利。
NDフィルターを使ってスローシャッターで撮るのもおすすめ。
でもまあ、滝は曇っていても絵になる素晴らしい被写体。天気が悪い時に助かる場所だったりします。
大川の滝は雨の具合によっては二股の滝が一つになるくらい荒れ狂うらしく、それはそれで面白いかも。大雨の後だと水が濁っている可能性があるので、その点だけ注意です。
トローキの滝
トローキの滝は近くに展望所があるのでそちらから撮影可能で、上にある赤い橋が良い味だしてます。展望所から撮ると、周りの木がちょっと邪魔なので、少し望遠側で木を避けつつ、滝と橋と山を入れてやるといい感じかと思います。
もちろんスローシャッターで撮るのもおすすめです。
屋久島の動物たちを捉える
動物を撮るには、何と言っても望遠レンズが必要不可欠。標準レンズでは無理です。いくら人に慣れているとは言え、ヤクシカもヤクサルも、そうそう近寄っては来ません。警戒心はさすがの野生動物、バリバリです。特にヤクシカは人を見かけるとすぐ逃げてしまうので、ゆ~くりと撮影範囲まで近づきましょう。
動物は西部林道にたくさんいますので、動物を撮りたい人はぜひ行ってみてください。西部林道は大型車が通行禁止な程、道路が狭い場所なので、車で行く場合には注意してくださいね。
動物を撮るうえでポイントになるのが、ブレない写真を撮ること。このためにはISO感度を少し高めに設定しましょう。ノイズよりブレないことが最優先。「動物と目があった瞬間」がシャッターチャンス!常にレンズを構えて、動物が「チラッ」とした瞬間を逃さない決定力が大切。
ウミガメの産卵を見たくて屋久島に来る人も多いと言います。こればかりは運によるところもありますが、見れたら感動間違いなし。永田はウミガメの観察が厳重に管理されているため、光や写真撮影は一切NGだと言います。栗生は監視員がいるものの、永田よりは自由度が高いようです(最新情報は常に確認してください)。
人が邪魔になってウミガメの産卵を妨げることがあってはいけませんので、現地の人の指示に従うのが絶対のルール。
産卵時期(5月~8月)は現地の監視員が基本いると思いますので、その人たちの指示に従いましょう。
巨大な屋久杉をどう撮るか?
白谷雲水峡、大株歩道、花山歩道などには巨大な屋久杉がオンパレード!しかし、この屋久杉を撮るのは非常に難しい。何と言っても巨大です。巨大すぎる。
一つの方法は、縦構図で全体を写すこと。無難な方法ですけどね。
花山歩道にある大竜杉は横構図でも撮れる貴重な屋久杉。
縄文杉は展望台という縛りがあるので、この構図に落ち着くかなと。ここにヤクシカが居てくれると、アクセントになって良いなぁと妄想しております。晴れて日が射している時も、ガスって霞んでいる時も絵になるので心強い。
屋久杉の大きさを表現する方法の一つに、比較対象を入れるということがあります。人を一緒に写してやることで、大きさがよく分かるようになりますね。
写真にこだわれば旅が面白くなる
同じ景色を見ても、かっちょいい写真を残せた方が面白いですよね?
屋久島は、全体的に撮影難易度が高い場所だなと感じますが、それ故に、カメラをもって旅するのが面白いと思いますよ。白谷雲水峡などは「目で見たら絶景なのに写真にするとなぜか絶景じゃなくなる」場所の典型です。
これは、写真と言う小さな世界に風景を無理やり詰め込んでいるからであり、だからこそ、どこを切り取るかが非常に重要となってきます。暗い環境で撮ることが多いので、スマホでは心もとないですね。ぜひ一眼レフかミラーレスを構えて、ばっちしいい写真を決めちゃってください。
まとめ
いくら交通の便が良くなったとはいえ、ゆうて屋久島、遠いです。今後は2週間も滞在できることはないでしょうから、行く機会を最大限活かしたいですね!私のNEXTプランは、屋久島シャクナゲの咲く梅雨の時期。屋久島の稜線が白く染まる厳冬期です。
長く滞在すれば様々な景色に出会えるという事を、改めて認識した旅となりました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
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