私のサラリーマン人生は10年。大正製薬が4年とラウダが6年で計10年でピリオド。私はすでにサイドFIREに入っており、現在はどこの会社にも勤めていません。
どちらの会社でも大きな節目や目標以上の成果を残すことができたと自負しており、サラリーマン人生に悔いなしです。
大正製薬では、ザ・サラリーマン人生を経験することができ、寄与はごく小さいながらも、新薬の開発から発売まで携わることができました。
ラウダではHolditをゼロから立ち上げ、詳細は割愛しますが、当時では信じられないくらいの成功を収めることができました。
私のような、なんてことはない一般人でも投資が当たり前になり、資産を増やしやすい時代です。本業だけでなく副業を併せ持つ人も増えましたね。
そのためか、早期に会社勤めをやめて、あるいは仕事自体をやめて、働かない日々を夢見る人も多いかと思います。
一方、仕事をしないのであれば、人は何をするのだろうか・・・ということを考えてみたいと思います。
AIという言葉はかなり昔からあったように思いますが、当時はなんてことはない、言葉だけが先走りして、大して役にも立たないようなものだったと記憶しています。
しかし、昨今のAIの進化は真に目まぐるしく、この先何十年かすると、本当に人の仕事の大部分が機械化されているであろうことが、現実味を帯びてきています。
野菜の多くは工場で作られるようになっているかもしれないし、住宅さえも工場生産が増えているのかもしれない。今でさえ、工場で作った家を後から運ぶ建築様式が増えているようですしね。野菜についても同様です。
衣服はすでに高度に自動化されているものの、素材や部位ごとの裁縫については、マンパワーが必要なようです。しかし、今後はわかりません。
私は、あらゆる仕事を機械化すべきだとは、まったくもって思っていないのですが、時流はそちらに向かっているのは間違いないでしょう。
というのも、日本一周中などもそうでしたが、「仕事をしない時間」というのは、羨望の対象になる一方で、実は多くのリスクを孕んでいることを知っているからです。
あなたがもし「今後いっさいの仕事をしなくていい、お金も十分あります」という状況に置かれたとして、何をするでしょうか?
死ぬほどゲームがしたい!死ぬほど彼女とデートができる!一生本を読んでいたい!映画を観ていたい!
と思っていたのも束の間、いざ、無限の時間が与えられると、意外にも時間を持て余してしまう人が多いものと思います。いや、推察ではなく、実際、ほとんどの人が時間を持て余してしまい、暇になり、苦痛さえも感じ始めます。鬱など精神疾患を患う人も増えます。
忙しいと、仕事があると、他にやることがあればこそ・・・ゲームをする時間が楽しく、趣味にかける時間が大切に感じられるのですが、これがゼロになった途端、無限の時間をどう処理すればいいのか分からず、多くの人が退屈になり、終いには苦痛を感じ始めます。
『楽しいことでも 毎日続いたら それと気づかずに 退屈と変わらないね』
これは「忍空」というアニメで使われた「輝きは君の中に」という歌の一節です。私がこれまで聞いてきた歌の中で最も心打たれた歌詞です。
「暇ばかりしてると本なんて読めない」ものなんですよね。忙しい仕事の合間の方が、本を読もうという気持ちが湧いてくるもの。
どんなに楽しい活動も、毎日続くとそれは惰性となり、飽きてきて、仕事と変わらなくなるものです。
話を戻しますが、今後AIをはじめとしたテクノロジーがますます発展していったとき、ヒトがこなしてきた仕事が良くも悪くも機械化・自動化されていくことは間違いないでしょう。
その時に、何をしますか?
そんな時代の人の過ごし方を“AI”に予測してもらうと「多くの単純な作業は機械やAIが行い、代わりに人はより高次元でクリエイティブな活動に従事する時間が増える」というのですが、ここに難しさがあります。
クリエイティブな活動って、いったい何でしょうか?
絵を描くこと?写真を撮ること?CGを作ること?アニメーション?漫画?映画?ゲーム制作?研究開発?
クリエイティブな活動って、難しいんです。本当に簡単じゃない。
エンタメ以外にも、例えば海のごみを無くすための装置を開発するとか、登山しながらゴミを拾うとか、貧困国でボランティアをするとか、私的なものから公的なもの、エンタメなものから博愛的なものまで色々あるとは思うのですが、いずれにしたって、簡単じゃない。
たとえば、絵を描くことができたとしても、AIが絵を創り出す時代において、人がクリエイティブだと言われる続けるにはどうしたらいいのか。
それを毎日、毎年と繰り返し、いい人生だったと思えるような作品を残せる人がどれくらいいるのか。いや、そもそも続けることができるひとが、どれくらいいのだろうか、と。
「いやだ、会社に行きたくない、働きたくない」と愚痴をこぼしつつも、職場で仕事仲間と話したり、仕事終わりに飲みに行ったりして、帰宅後や休日に趣味に没頭する・・・くらいの方が「人にとってバランスがいい」可能性はないのだろうか、そう思わないこともないわけです。
日本一周中にも感じたことですが、仕事をしていない時間、会社に属していないとき、時間の使い方、人生の使い方は100%自分自身の手に委ねられます。
「あなたなら何をしますか?」
1週間とかではなく、今後その状態が一生続くとしたら、何をしますか?
答えるのは難しいし、実践するのはなおさらです。
私自身がこの難しさを知っているからこそ、自分で考え・行動し・結果を残せる人と、そうでない人との差が拡大する時代なのだと肝に銘じて、日々過ごしたい、そう思っています。
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