「登山口としての新穂高温泉」公共交通機関によるアクセス方法(新宿から)

北アルプス岐阜県側(飛騨側)の登山口として重要な役割を果たしている新穂高温泉

北アルプス南部の登山では欠かすことができない登山口の一つですが、公共交通機関でのアクセスが良好とはいえません。新穂高温泉を登山口として使用するのに良い方法はないか、公共交通機関(電車・バス・タクシー)によるアクセス方法をまとめてみました。

目次

前泊・深夜移動する場合

飛騨側の景色 鷲羽岳山頂より

方法 メリット デメリット
新穂高温泉に前泊 何時でも登山可能 安宿がない
平湯温泉に前泊 朝7時発のバスに乗車可能 安宿がない
平湯温泉でステーションビバーク 朝7時発のバスに乗車可能 3時間半の待機時間が発生
平湯温泉からタクシー移動 早朝に到着可能 事前のタクシー予約が必要
毎日アルペン号を利用 深夜バスで効率的に移動可能 10月上旬まで特定日のみ運行

登山では最も都合がいい深夜移動ですが、なかなか厳しい結果となりました。

新穂高温泉に前泊

パッと調べた感じでは、どこの宿もいいお値段しそうです。

登山のための前泊で利用するのは割高感が否めませんね。登山用の安宿やゲストハウスがあれば嬉しいのですが・・・。

平湯温泉に前泊

平湯温泉の宿も本格的な宿ばかりなので登山の前泊には向きません。

ゲストハウス「旅荘つゆくさ」がありますが、値段は1泊8000円程度ですので、一般的なゲストハウスと比べてかなり高額。それでも他の立派な旅館と比べれば利用しやすいかもしれません。

平湯温泉でステーションビバーク

新宿・飛騨高山線(新宿〜平湯温泉〜高山)を利用すると、バスタ新宿を22:55に出発して、夜中の3:20に平湯着という不思議な便が存在します。

この便ではSAでの休憩などは最小限で、ストレートに移動して深夜に下車する感じですね。

平湯から新穂高温泉への始発は7:00ですので、平湯で3時間ちょっと時間を潰せる人であれば、始発のバスを利用することができます。

ただし、この便は11月上旬までの運行。厳冬期の登山では使えないのでご注意ください。

平湯温泉からタクシー移動

平湯温泉からタクシーで新穂高温泉まで移動することも可能。移動時間約25分、料金7000円。

平湯温泉にタクシーが常駐しているか怪しいと思い調べたところ、夜の間は常駐していないとのこと。また、濃飛タクシーはとタクシーに電話したところ深夜は対応していないとのことです。一方、宝タクシーは事前に予約すればこの時間でも利用可能とのことです。

発着場所 時刻
新宿 22:55
平湯 3:20
新穂高温泉 3:50

11月上旬までのプランにはなりますが、朝の4時には新穂高温泉に到着できますので、登山にはもってこいのスケジューリング。ただし、バスでの移動時間が短いので、睡眠不足にはご用心。

毎日アルペン号を利用

登山バスとして有名な毎日アルペン号。深夜バスで移動できる利点があるのですが・・・。

キャンセル規定が厳しく、7日前からキャンセル料がかかります。登山において7日前の天気予報などあまり当てにならないこと、私がよく利用しているハイウェイバスドットコムは直前までキャンセルできるなどの理由から、私はこれまで利用していません。

深夜移動まとめ

まとめてみると、公共交通機関を使って新穂高温泉へ深夜移動するのはかなり大変ですね。

同じく北アルプス南部の玄関口である上高地へのアクセスがいかに恵まれているか実感します。

当日移動する場合

飛騨側の景色 三俣山荘と遠景に笠ヶ岳

出発場所 出発(始発) 到着
新宿 7:05 12:25
松本 7:55 10:16
上高地(平日) 8:00 9:16
上高地(土日) 7:00 8:16
高山 7:00 8:45
富山 9:55 12:14

深夜移動も厳しい結果でしたが、当日の朝移動はより厳しい結果となりました。

当日出発して、新穂高温泉に早朝到着するのは困難です。

新宿

西穂山荘、わさび平、槍平までの移動であれば利用できそう。

松本

関東勢の公共交通機関としては最も現実味があるプラン。しかし、登山スタート時刻が10時半とかなりの遅出になりますので注意が必要。

松本から早朝に出る便があれば文句なしなんですが・・・。

上高地

上高地を経由して新穂高温泉に行く方法もありますが、11月中旬までの運行であること、平日と土日で運行表が異なることに要注意。

上高地経由で新穂高温泉に行くなんてまさに曲芸的なわけですが、意外にも早い時間に新穂高温泉に到着できます。上高地と新穂高温泉は直線距離では実はあまり離れておらず、西穂高の下にトンネルでも掘ってくれると便利なのですが・・・焼岳があるので難しいでしょうか。

上高地でテント張って前泊するとか、新宿から深夜便で上高地に早朝着いてバスを利用する手もあります。

高山

当日移動で最も早い時間に新穂高温泉に着くには高山からバスに乗るのが良さそうです。朝の9時に登山口に着けば登山計画として現実的。

しかし、高山に前泊する必要があり、都心部から高山への移動は名古屋経由でかなりの時間を要します。新横浜から高山は名古屋経由で4時間半、13000円程度かかることからも、気乗りするプラではありませんね。

富山

富山からも新穂高温泉への直通便が出ているようですが、時間も遅く、登山用途では微妙そうです。

当日移動まとめ

当日移動で現実的なのは松本か高山から移動することですが、そもそも松本および高山に早朝居合わせるためには前泊が必要となります。

ああ、なんと遠いことでしょう・・・新穂高温泉。

北アルプス飛騨側を効率的に登るアイディア

槍ヶ岳から西鎌尾根ごしの笠ヶ岳

公共交通機関を使って新穂高温泉に早朝や夜の間に着くのは難しいことが分かりました。

解決策としては、新穂高温泉から最寄りの山小屋/テント場であるわさび平小屋で前泊すること。あるいは、新穂高温泉を登山口として使うのではなく、信州側から入山して新穂高温泉に下山することです。

信州側と飛騨側を繋ぐ西鎌尾根

信州側と飛騨側を結ぶのは槍ヶ岳から伸びる西鎌尾根。上高地から入山する場合は、槍ヶ岳を経由すれば稜線上を移動して飛騨側の山に登ることが可能。

最低でも1泊2日、一般的には2泊3日、余裕を見れば3泊4日かかる工程ですが、私のように信州側の方がアクセスしやすいのであれば選択肢になると思います。

双六小屋

槍ヶ岳山荘から笠ヶ岳山荘は写真のようにかなりの距離がありますが、健脚なら1日で歩けるようですし、厳しい場合も中間地点に双六小屋があるので安心ですね。

新穂高温泉へのアクセスまとめ

分かっていたことですが・・・調べて確信へと変わりました。

新穂高温泉への公共交通機関での移動は骨が折れます。では車移動はどうかと言えば、我が家のある横浜から新穂高温泉まで車で5時間ほどの道のり。時間や利便性だけ見れば車移動が圧倒的に楽です。しかし、横浜からあの山の中まで車で行くだけならまだしも、登山の後に車で帰宅するというのが考えられない私です(ペーパーなので事故りそう)。

現実的なプラン

プランA
松本前泊
始発で松本から新穂高
新穂高から槍平 or 西穂山荘
プランB
新穂高温泉からわさび平小屋
わさび平小屋で前泊
わさび平小屋から笠ヶ岳、双六岳、槍ヶ岳…
プランC
上高地から入山
槍ヶ岳山荘で1泊
西鎌尾根から双六小屋 or 笠ヶ岳山荘  or 三俣山荘

電車・バスで登山をしている人にとって新穂高温泉/新穂高ロープウェイからの登山は移動が本当に悩ましいですね。登山計画の参考になれば幸いです。

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