秋(9月~10月)に北アルプスでテント泊登山する時の装備【総まとめ】

2016年9月と10月に北アルプスへテント泊・縦走登山に行ってきました。晩秋の北アルプスは空気が澄んでいて景色は美しく、人が少ないので静かな山行が楽しめるおすすめの時期です。一方で、気温がぐっと下がり、寒い時は氷点下まで落ち込みます。10月は降雪の可能性もあるので、夏山登山とは違った装備が必要になってきます。

秋~初冬の時期に北アルプスへ登山する場合の持ち物、装備をご紹介します。

ウェア類

秋~初冬の北アルプスは昼と夜の寒暖差がとても大きく、昼は案外軽装で行動ができてしまう一方、夜は氷点下まで下がることがある厳しい環境。どちらにも対応できるウェアを持って行く必要があります。

行動着

昼間、太陽が出ていれば時には汗ばむ陽気なことも。上半身は、中厚手のインナー+半袖Tシャツ+ソフトシェルと軽めが標準装備。日が隠れて寒い時や、強風の時などはこれにレインウェアを重ねて体温調整します。それでも寒い時はレインウェアの下にフリースなどミッドレイヤーを着こんで暖を取ります。

太陽が出ている日中に動くと意外と暑いので、初めから多く着こむのではなく、寒くなったら追加していく感じです。

下は夏用のインナー+中厚手のパンツです。この時期のパンツについては、内側が起毛しているような中厚手の物がおすすめで、これに夏用のタイツを履けば十分。

就寝着

テント場に着いたらすぐにフリースダウンを着こんで防寒対策をしました。テント場に着いて歩くのを止め、日が暮れ始めると気温・体温が一気に下がります。インナーについても、インナーの上にもう一枚インナーを重ねます。厚手のインナー1枚で昼も夜も過ごす場合、昼は暑くて夜は寒い可能性があるので「寒くなったら重ね着する」のスタイルの方が調整しやすいかと思います。

ソックスも就寝時は1枚(2枚)重ねます。寝る時どこが一番寒いかというと、圧倒的に足先です。寒いというか痛いです。そんな爪先を守るため、ソックスを重ねた上に足の裏に貼る用のホッカイロを付けて寝ました。このホッカイロの有無が天と地ほどの差をもたらします(実体験)。

おすすめのウェア

末端冷え性対策

普段は末端冷え性でない人でも、北アルプスの夜は体の末端が冷えます。冷えるどころか、きちんとした対策をしないと、冷たすぎて痛いです。帽子やグローブなど、体の末端を守る装備類はウェアと同じくらい重要なのです。

グローブ

グローブをしないと手が千切れそうな程痛くなるので、グローブ類は必須。私は軍手で乗り切りましたが、出来ることならきちんとした登山用のグローブが欲しいですね。また、北アルプスではハシゴや鎖を掴む機会が非常に多いので、金属を握った時に滑らない素材のものにしましょう。

冬も使えるものを一つ買って、軍手と一緒に持っていくことで「暑ければ軍手、寒ければグローブ」と使い分けて温度調整できます。なお、軍手を使う場合は必ず滑り止め付きの物にしましょう。

バラクラバ

10月の北アルプスでは降雪の可能性が十分あります。雪や霰(あられ)と強風が合わさると、顔面もってかれます(実体験)。そんな時に顔を守ってくれるのがバラクラバという装備。

後立山の縦走初日、途中で天気が急変して晴れから霰、終いには雪となりましたが、この日は風が強くて霰が顔面にビシバシ当たる。バラクラバ無しでは前を向いていられないような状況でした。バラクラバを持っていたので直ぐに装着。この時から、バラクラバは欠かせない装備となりました。

一見「銀行強盗」のような装いになってしまうのが欠点ですが、絶対にあった方がいいですよ。ニット帽だけでは対応できなくなったらすぐに被りましょう。

ホッカイロ

グローブ、バラクラバ、貼るホッカイロは体の末端を守る三種の神器だと思ってます。

降雪の白馬大池で幕営した時、愚かにも私はホッカイロを持っていませんでした。この夜は零度を大きく下回り、靴下を3枚重ねでシュラフに潜っても、足先の痛さだけはどうしようもなく発狂しそうでした。翌朝、写真のお兄さんと”ホッカイロの重要性について語り合った”のはいい思い出です。

10月の北アルプスで寝るときの私の基本スタイルは、「靴下を2枚重ね履きして、2枚目にホッカイロを片足2枚貼り(足先とかかと側)、さらに上から靴下を履いて寝る」というもの。秋はこれで何とかなりましたが、冬山では象足が無いと死ぬ気がするので、購入検討中。

テント泊装備

登山でテントを持っていくと一気に荷物が増えるだけでなく、ザックの重さが倍増します。苦労も多い山でのテント泊ですが、それでも多くの人がテントを担いで山を登るのには、それだけの魅力があるからなんです。

例えば、紅葉で人気の涸沢カールは平日だろうと休日だろうと、シーズン中は満員御礼。布団2枚のスペースに3人で寝るのなんて当たり前。他にも山小屋では食事の時間が決まっていたり、いびきをかく人が大勢いるかもしれません。一方、テントなら自分一人のスペースでゆっくりと休むことができ、寝る時間も起きる時間も自由。夜中にテントから顔を出すだけで美しい星空を眺めることができちゃいます。

そんなテント泊登山に必要な装備を一つずつ見て行きましょう。

テント

テント選びのポイントは1人用か2~3人用か、3シーズン用か4シーズン用かということ。一人用ののテントは狭いので中が温かい利点がある一方、ザックなどの荷物を入れると窮屈なのが欠点。私の場合、夏山では2~3人用、冬は1人用の4シーズンテントを使おうと思っています。

種類は、アウトドアショップで売っているテントなら何でも大丈夫です。

冬山登山でテント泊を考えている人は、はじめから4シーズン対応のテントを買った方がいいかもですね。定番はアライのエアライズでしょうか。

山に行くと分かりますが、アライのエアライズとモンベルのステラリッジを使っている人が5~6割という勢いです。いくらなんでも多すぎぃという雰囲気。しかし、値段が手ごろでスペックがしっかりしているので、人気なのも納得。でもちょっと多すぎてなぁ・・・冬用にどのテントを買おうか悩み中です。

グランドシート

グランドシートはどのシーズンであっても必須です。雨対策、汚れ対策、擦り切れ対策、なんにしたって必要な物。メーカーのものを使うか、ホームセンターのブルーシートを切って使うのもありです。よくテントのフライシートからはみ出して使っている人を見ますが、グランドシートがテントより外側にあると、雨水が溜まって床下浸水の原因になるので、フライシートからはみ出ないように置くのがコツ。

ペグ+張り綱

これもテント泊では必須。昼間風がなかったとしても、夜になると強風が吹くこともしばしば。そんな時ペグと張り綱でしっかり四隅を固定していないと、テントは簡単に吹っ飛びます(中に人が居てもです)。吹っ飛ばないまでもポールが折れたり、テントが壊れるリスクが格段に上がります。

ペグは100均などでも売っていますが、長さが短く耐久性も低いので山で使うのは危険です。アウトドア用品店などで売っている物を用意します。ペグには様々な形状があり悩ましいんですが、私が使っているのはV字ペグというもの。

真ん中がくぼんだタイプですね。オールマイティなタイプで、これまで地面から抜けてしまったことはありません。北アルプスでは地面にペグをささず、岩に張り綱を引っ掛けることが多いんですが、それでもペグがあった方が安定するので用意しましょう。ちなみに、毎回張り綱とペグを結ぶのはとっても手間。張り綱とペグは事前に結び、張り綱の反対側にカラビナを結んでおくことで、テント設営時の面倒が省けます。

張り綱はアウトドアショップに行けば好きな長さで買えますすが、自在器具の付いたテント/ツェルト用の張り綱を買ってしまってもいいと思います。私は後者でアライのライペンを使ってます(長いので適当な長さに切って使ってください)。

シュラフ+マット

シュラフのチョイスは非常に悩ましいところ。3シーズンで使うなら、(モンベルであれば)間違いなく#2か#1がおすすめ。冬山も前提であれば迷うことなく#0です。#3を薦める記事が多いですが、10月の北アルプスでは間違いなく寒い。

マットも悩ましい所。分厚いマットは嵩が大きくて運ぶのが大変、薄いマットは底冷えするし・・・。ただ、基本的に3シーズンであればあまり気にする必要はないかなと思います。サーマレストを使っている人が多いですね。

ランタン

人工の明かりがない山では、ランタンが必要不可欠。最強なのはスノーピークのランタンで、握りこぶしより小さいボディで明るさは相当なもの。これ一つで真っ暗な北アルプスも十分です。テント内で本を読むことができるほど明るく、電池の持ちもいいですよ。

ヘッドライト(ヘッデン)

ヘッドライトは夜中トイレに行くとき、星を見るために移動するとき、万が一遭難してしまった時など、登山では必ずなくてはならない物。明るさを示すルーメン照射距離が重要ですが、たくさんの種類があって選ぶのが難しい。

ブラックダイヤモンドのスポットは明かり一つない、真っ暗な北アルプスでも十分歩ける程明るく、イチオシです。

自炊道具

テント泊をするのであれば自炊道具も持って行きたいですね。おにぎりで乗り切ることもできますが、暖かいコーヒーを淹れたり、ラーメンを食べたり、あるいは少し凝った料理に挑戦した方が断然楽しいと思います。

極寒だろうが高所だろうがしっかり火が点く優れもの。

クッカー(コッヘル)はチタンとアルミの物がありますが、アルミの方が焦げにくく、私のような初心者にはおすすめです。 

その他の装備類

ウェアやテント以外で安全・快適登山のために持っていった物をご紹介します。

レスキューシート

テントの床がだいぶ痛んできて、床下浸水しやすくなってきました。そんな時に完全防水のシートを敷くと、テント内部が濡れなくて助かります。もちろん、遭難した時、体に巻き付けるという本来の用途でも使えるので、一つ入れておくといいかもしれません。

ファーストエイド、常備薬

【北アルプス】餓鬼岳、唐沢岳(その3)~餓鬼岳でモルゲンロートを見て北アルプスの秘境「唐沢岳」へ!~

餓鬼岳の山頂で熱を出した経験から、解熱鎮痛剤だけは持ち歩くようになりました。山頂で熱が出ると本気で焦ります。「山で風邪なんて引くわけない」と思っちゃうんですが、私のような事例もあります。備えあれば憂いなしです。ロキソニンやパブロンなど、薬局で買えるもので十分ですよ。

充電関係

日本一周でも登山でも使用している最強のモバイルバッテリー。登山中スマホをGPSとして利用しているので電池の減りが早く、バッテリーが欠かせません。縦走登山ではこれくらい高容量の物があると安心。20100mAhほどあれば、iphoneを最低5~6回はフル充電できます。

実はcheeroのバッテリーの調子が悪くなり、充電できなかったことが過去に一回だけあります(バッテリーが悪かったのかiphone側の問題かは分からず)。何にせよ、スマホ電池切れは死活問題なので、バッテリーは予備まで持ちたいところ。小型バッテリーとしてBikeCHARGEも使ってます。

ウォーターキャリー

2Lのプラティパスに水を入れ、1Lのナルゲンから水を飲んでます。プラティパスからチューブでハイドレーションする方法(歩きながら水を飲む方法)もありますが、必要性を感じたことがなく、無理に導入する必要はないかなと思います。

ナルゲンは1Lがおすすめ。サイズ的にもちょうどいいし、ポカリの粉って1Lの水で溶かすので、1Lのナルゲン(水)にポカリの粉1袋を入れれば簡単にポカリの出来上がり。ポカリなら水分補給、イオン補給、甘いもの補給の一石三鳥で、本当におすすめ。今となってはポカリの粉なしの登山は考えられません。ポカリの粉は薬局ならどこでも売ってますよ。

行動食

行動食は必ず持っていきましょう。「小腹が空いたけどご飯を食べるほどでもない」時や、万が一遭難してしまった時など、必ず役に立ちます。もし食べなかったとしても、家に帰ってから食べればいいだけですしね。

アウトドアショップで買うと高いので、スーパーなどでミックスナッツを買うのがおすすめ。ミックスナッツの他に、ドライフードも入れると断然美味しくなります。私は大体「ミックスナッツ+クルミ+干しブドウ」のトレイルミックスを自作します。ミックスナッツの中にクルミが入っていることもありますが、クルミは超が付く程の高カロリー食で、登山での行動食に最適。

ちなみにですが、ナッツ類に含まれるカロリーはエネルギーに変わるまで少し時間がかかるんです。そのため、お腹が減ってから、疲れを感じてから食べるのでは遅く、小休止の度にちょくちょく摘まむのが効果的な食べ方です。

また、トレイルミックスは山小屋などで買ったビールのつまみになるという超重要な役割も果たします(笑)

その他

遭難してしまった時、他者に存在を知らせる為の笛、コンパス、熊鈴なんかもザックに入れておきます。北アルプスで熊鈴をつけている人はほとんどいませんが、黒部や雲の平の方には熊がいるっぽいので、持っているに越したことはないですね。

10月の北アルプスでこれって要る?要らない?

  • 前爪のあるアイゼン(10本/12本) ⇒ 異常気象で根雪になっている場合などを除き不要
  • チェーンスパイク(軽アイゼン) ⇒ 降雪は十分あり得るので、持っていると安心
  • ゴーグル ⇒ 10月末に吹雪く予報などがなければ不要

10月に初冠雪があるのは間違いないですが、どの程度降るか、いつ根雪になるか、どれくらい寒いかは年によって異なります。一番信頼できる情報は「山小屋のスタッフブログ」で、北アルプスにはたくさんの山小屋があり、毎日ブログを更新しているので、こまめにチェックして寒さはどうか、雪はどうか確認しましょう。

槍ヶ岳山荘は11月頭まで営業していて、気候についても情報発信してくれていますので、大いに参考にさせてもらいましょう。

最後に

念には念をで物を持ち過ぎれば荷が重くなり疲れます。何でもかんでもザックに詰め込めばいいわけではありませんが、登山をする上で必要となるものはしっかり用意したいですね。秋の北アルプスは夏山では考えらえない程、夜冷え込みます。ウェア類を中心として、寒さに対応できる荷物を持って、安全・快適登山を楽しみましょう(๑╹ڡ╹๑)p♪

 
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comment for this post

  1. 通りすがり

    冬季夜間の寒さ対策ですが、
    ナルゲンボトルをお持ちなら、ナルゲンボトルを湯たんぽ代わりにすることをオススメします。
    シュラフに突っ込んでから5~6時間は持ちますよ。

    Reply
    • 清宮 健太 Post author

      なるほど!
      自分では思い浮かばない発想でした。
      ぜひ試してみます。ありがとうございました(๑╹ڡ╹๑)p♪

      Reply

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