【中央アルプス】木曽駒ケ岳 雪山登山(厳冬期・日帰り)絶景を約束された白銀の千畳敷カール

中央アルプスの最高峰である「木曽駒ケ岳(きそこまがたけ)」に登ってきました!

中央アルプスという言葉は聞いたことがなくとも、「千畳敷カール」は聞いたことある人が多いかもしれませんね。駒ヶ岳ロープウェイのおかげでアクセスが良いのと、四季を通じて美しい景観を楽しむことができるため人気があります。

中央アルプスは北アルプスや南アルプスと比べてやや小さな山脈ではありますが、それでも日本レベルで見たら立派な山脈であることに変わりありません。

その最高峰が木曽駒ケ岳であり、標高は2956mと3000mに迫る勢いです。

今回の移動方法と交通費

京急久里浜から新宿まで電車、その後はハイウェイドットコムで伊那市までバス移動。いつもと違うのは、前泊がネットカフェではなくホテルに泊まっていることです。

伊那市にもネットカフェがあるにはあるんですが、伊那駅でも駒ヶ根駅でもなく、ちょっと離れてるんです。加えて、この辺りの電車は終電が早く始発が遅いため、ロープウェイへの移動時間を考えるとネットカフェを上手に利用できないことが発覚。

3000円の安宿があったの迷わずこっちを利用した次第です。

目次

木曽駒登山に向けて前泊移動

私はこの1年間でバスタ新宿を何回使えば気が済むのでしょうか。毎回同じ写真では飽きるので、無駄に車を流して撮ってみました。シャッタースピードを1/20秒くらいで撮ると車がいい感じで流れてくれますよ。

夕方に新宿を発ち、21時頃伊那駅のバスターミナルに到着!

ここから前泊のホテルまで歩いて移動します。

と、その前に腹ごしらえですね。ローカル感漂い、ロゴがコアラのマーチのファミレス「さんれ~く」にて夜ご飯を済ませます。

ここで予約しているホテルにチェックインが少し遅れる旨を電話したんですが、電話が通じず・・・

古めのホテルなので「もしや潰れてないよな?」と不安が募ります。

いざ行ってみると電気は点いているので潰れてはなさそう。

見ての通り、歴史のある味わい深いホテルです。可愛いおじいちゃんが一人で切り盛りしていて、もう40年やっているんだとか!

部屋に入ってワオッ!このストーブ久しぶりに見たぜ!

昔おばあちゃん家にあったなぁとホッコリ。隣にある冷蔵庫はクラシックで歴史を感じる一品。都心部に住んでいる我々には、地方で頑張っているホテルを応援する義務がありますからね。これくらいの値段であれば今後積極的に利用したいところです。

ホテルというか、むしろおじいちゃん家に泊まりに来たような感覚ですが、それもまた良し。明日の登山に備えてベッドでゆっくりと休むのでした。

絶好の登山日和!いざ、中央アルプス「木曽駒ケ岳」へ

ホテルから伊那北、駒ヶ根駅と移動してここからバスに乗り込みます。

向かう先は「駒ヶ根ロープウェイ」です。

ゆっくり寝ていくかと思っていると、割とすぐ止まって「乗り換え」のアナウンス。途中でチェーンを装着したバスに乗り換えるとのこと。

チェーン付きのバスって初めて見たかも?

駒ヶ根ロープウェイがある「しらび平」に到着!ここまではマイカーで来れないため、車で来る人も途中で駐車してバスに乗り換える必要ありです。

さあさあ、空を見上げれば絶好の登山日和じゃありませんか。人生初の千畳敷カールが楽しみでなりません。中央アルプスも木曽駒ケ岳も初めてですが、冬山としては人気の場所。他の方のブログなどを見ては私も行きたくて行きたくて震えておりました。

いざ、千畳敷カールへ!何故かおじいちゃんがすでに降りてきているのだが?

千畳敷までは駒ヶ根ロープウェイを利用するわけですが、なんとこの子、標高2600mまで我々を運んでくれちゃいます。このロープウェイのおかげで木曽駒ケ岳は人気だというわけですね。

約7分のロープウェイ旅を終えて後ろを振り向けば、そこには南アルプスの巨大な屏風が目を引きます。

それにしても、文明の利器はすごいですね。ロープウェイ無しでは木曽駒ケ岳の登山難易度は格段に跳ね上がりますから。

アイゼンを装着し、はやる気持ち押さえつつ上を向けば、そこには絶景の定番とも言える中央アルプスの千畳敷カールが私を迎えてくれました。

絶景マニアとしては外すことができない、白銀の千畳敷カール!

カールとは日本語で「圏谷」のこと、氷河の浸食により形成され、スプーンで削り取った様な形が特徴です。

中央アルプスの千畳敷カール、北アルプスの涸沢カール、同じく北アルプスの黒部五郎カールなどは、登山界隈では絶景が約束された超定番の場所となっています。

千畳敷カールの急登

序盤はまあ、普通に歩いて行くだけなので技術はほとんど必要ないんですが、写真で見てわかる通り途中で「クイッ」と角度が変わっていて、そこからがすごい急登!

雪山登山には「キックステップ」という歩行がありますが、千畳敷カールでは大いに威力を発揮してくれます。キックステップとは、雪の斜面に爪先を蹴り込んで足場を作りながら登ることです。

ちょっと分かりにくいですが、写真は左足で雪の斜面にキックしています。キックした後は、真下に体重をかけることで雪を潰してステップを作るというわけです。

木曽駒ケ岳は「雪山初心者におすすめ」なんて書かれ方してることが多いんですが、”いやいやちょっと待て”と正直思いました。上の方は皆さん四つん這いになって登る程の傾斜です。

雪山初心者の私が言っても説得力がイマイチなのですが、千畳敷カールは登山レベル決して低くないと思います。特に上部は要注意ですね。

今回はトレースがありましたが、雪深いので一番手でラッセルの場合はかなりの時間がかかるでしょう。

ピッケルのピックを打ち込みながら登る方法を覚えました。

雪がいい具合に締まっていたので安定感抜群。

なお、木曽駒ケ岳に登るのであればピッケルは絶対必要です。

乗越浄土から木曽駒ヶ岳へ

千畳敷カールを登り切って「乗越浄土」に到着!

真っすぐ木曽駒ヶ岳を目指します。

夏道ですと迂回ルートがあるようですが、冬山では途中にある中岳を直登します。

ここから後ろを振り返れば・・・

天を衝く宝剣岳のピークが目の前に!

鋭いピークは北アルプスの槍ヶ岳を彷彿させ、白銀に染まった尾根との景色が最高ですね。

宝剣岳や伊那前岳は中央アルプスの中でも滑落事故がよく起こる場所なので、猶更慎重にならざるを得ません。

鋭い宝剣岳とは対照的に、木曽駒ヶ岳はずんぐりした山容のようです。こちら側からだと木曽駒ケ岳の全容がイマイチ掴めないので、いずれ将棋頭山から木曽駒を眺めるプランを検討中。

中岳の下りから稜線上は風が強く、標高が高いこともあって山肌全体がエビの尻尾と化してます。

中央アルプスは風が強いので、天候が崩れたら非常に厳しい山行となるでしょう。無理は厳禁。

駒ヶ岳頂上山荘はしっかりと姿が見えています。ここで小屋泊して、木曽駒の山頂からご来光を眺めたらきれいでしょうね。

山に来ると「次にやりたいこと」がどんどん増えます。レベルアップしながらやれることを増やしていきたいです。

さて、中岳の下りから登り返せば木曽駒ケ岳の山頂に到着!

中央アルプスの盟主だけあり、山頂は360度の大展望!

こちらは八ヶ岳方面。

一番左にある円錐型の山が蓼科山、次いで北横岳、少し離れて天狗岳や南八ヶ岳の連嶺です。

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自分が登った山を見れるのって本当に楽しいんですよ。

どの方角も絶景ですが、一番目を引くのは御嶽山(おんたけさん)でしょう。

遠くから見てもわかる特徴的かつ威風堂々とした素晴らしい山です。

しかし、2014年の噴火は記憶に新しく、登山客50名以上が犠牲になってしまいました。火山大国である日本での登山は噴火のリスクが常に付きまとうんですよね。

御嶽山の右には北アルプスの最南部に位置する乗鞍岳がはっきりと見えました。

宝剣岳の後ろには南アルプスの雄大な山々が一枚の巨大な屏風となっています。

複数枚写真を撮り、Lightroomでパノラマ合成してみました。初めての試みですが、山脈を表現するにはパノラマの方が迫力ありますね!何故今までやらなかったのか・・・

木曽駒ケ岳とよく対比される甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、標高日本2位の北岳、3位の間ノ岳、ちゃっかり映り込んでいる富士山、赤石山脈の盟主赤石岳、さらには光岳まで!

本当に素晴らしい光景です。

と、景色が美しい一方で、実はこの日、木曽駒ケ岳登頂喜びの他に思いがけない一幕がありました。

山頂にある祠の横に、要救助者の方がいたんです。

前日、2/14に単独で入山した後、原因は分かりませんが山頂で行動不能になってしまったようです。

私より先に登頂した方が無線で110番通報。

ヘリコプターが到着するまでの1時間、山頂にいた4名で声をかけ続けました。

長野県のヘリが出払ってしまっていたのか、1時間後に静岡県からヘリが到着。

ヘリが到着するまでの間、私たちの声に目で反応できていたので、ヘリが到着した時は全員で喜びました「助かって良かった」と。

しかし・・・

後日ニュースにて確認したところ、搬送先の病院にて息を引き取られたとのことです。

 

山は美しく、多くの感動を与えてくれますが、非常に厳しい面があるのは確か。

 

この現実に対して、現場にいたにも拘わらず、いまだ現実味がわかないというのが正直なところです。

大学生という若い命が失われてしまったのは残念でなりません。

心より、ご冥福をお祈り申し上げます。

乗越浄土まで戻れば風も穏やかなもので、この時は要求の方を救えたという喜びと、宝剣岳の美しさで心が満たされていたのですが・・・

山、特に冬山というのは、本当に厳しい世界だと痛感しています。

千畳敷カールの下りは相当の急坂ですので転げ落ちないように気を付けましょう。

ここは下りる場所が違ったので慌てて修正しました(汗)

気が付けばだいぶ日が落ちてきました。

ちょっと時間押し気味ですが、何とか予約していたバスに間に合いそうです。

急いでいても、写真を撮るのは忘れませんよ。白銀の千畳敷カールを心に焼き付け、ロープウェイに駆け込みます。

その後はしらび平から駒ヶ根へ、駒ヶ根から新宿へ。

平日という事で夜の新宿はリーマン勢で溢れております。

電車が混んでいるとザックを持って電車に乗るのが辛くてね(涙)

登山後には恒例となった日高屋のタンメンを頂きまして、

これで登山終了!

コースタイム

  • 8:50 駒ヶ根駅
  • 9:50 しらび平
  • 10:19 千畳敷ロープウェイ駅
  • 11:30 乗越浄土
  • 12:00 駒ヶ岳頂上山荘
  • 12:20 木曽駒ヶ岳
  • 14:30 乗越浄土
  • 15:00 しらび平
  • 19:45 新宿駅

登山データ

  • 日程:2017/2/15
  • 行程:2017/2/14 前泊移動(自宅 → 伊那中央ホテル)
       2017/2/15 伊那中央ホテル → 伊那北 → 駒ヶ根 → しらび平 → 木曽駒ヶ岳 → 新宿
  • メンバー:単独
  • 天候:快晴
  • 主なピーク:木曽駒ヶ岳(2956m)

厳冬期の木曽駒ケ岳を振り返って

冬の木曽駒ケ岳は誰もが憧れる場所の一つではないでしょうか。白銀の千畳敷カールはもちろんのこと、山頂から眺める御嶽山、八ヶ岳、南アルプスは圧巻の一言です。八ヶ岳もそうですが、中央アルプスは冬の晴天率が高いので、青空を狙いやすいのが嬉しいポイント。また、バスのみでアクセスできるため、公共交通機関で登山している人には嬉しいですね。

木曽駒ケ岳が「冬山初心者におすすめ」なのはある意味間違いないんですが、カールの急登は下手をすると転げ落ちますし、ここは雪崩の巣でもあります。3000m近い山頂や強風の稜線は非常にシビアな環境です。冬山デビューで来るような場所では決してありませんので、その点注意が必要ですね。

絶景に出会えた一方で、冬山の厳しさを知る登山となりました。

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コメント一覧 (2件)

  • なんと!木曽駒ヶ岳にも登っていたんですね
    着実にレベルアップしてますね
    私といえば最近はクライミングばかり…
    久しぶりに山に行ってレベルアップしたくなりました
    やはりカールの登りと下りはハードそうですね
    木曽駒のような日帰り圏内の山でもそういった不幸があるのは予想もしてませんでした
    やはりどんなに優しめとはいえそこは三千メートル級の冬山
    まだまだ山に対する自分の認識が不足してますね
    私も気を引き閉めていこうと思います

    • こんにちは!
      今年の冬は自由に動けたので、なるべく色々な山域に手を出してレベルを上げようと必死でした。
      これからも着実にやれることを増やしていきたいと思います!
      荒天時の登山を回避することが、万が一を現実にしないための最善策なのかなと思っています。
      クライミングもいいですよねー(๑´ڡ`๑)
      私はドジなのでリアル岩山は死んでしまいそうです汗
      ボルタリングは今年から始めようかなと思っている所なので、
      色々とお教えてください!

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